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莉白
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「…ッッッ!!??」
なんだ。今の声は。一体どこから…!
振り返って辺りを見回してみても誰もいない。
気づいたら、白郎とメイハもいなくなっていた。
「…一体誰ですかッッ! 姿を見せなさいッッ!」
声の主は少し笑いながら言った。
「…ああ、驚かせてしまったか。残念だが、君の前に姿を表せることはできない。
…なぜなら、私は神様だからだ」
「…神?…そんな、非現実的な…」
「別に信じなくてもいい。私が一方的に話すだけだからな」
「…それで?…私に話しかけたということは、何か用があるんですよね?」
「…切り替えが早いな。流石に優秀と言われているだけある」
「…私のことを?」
「ああ、全て知っているよ。君がネストの記録者であり、《スワロウテイル》に所属していることも。“まどかさん”を、神だと崇めていることも。“誠一君”にはいつも意地悪で、素直になれないことも。
…君が、彼らに『仲間じゃない』って言われるのを恐れていることも」
「…ッッッ」
なんなんだ。こいつは…!
まるで《ナイトアウル》の探偵皇千トのように心を見て…!
「…それで?私の弱みを握って何がしたいんですか?」
努めて平静を装ったつもりだが、思ったよりも低い声が出てしまった。自分でも驚いた。
「おっと。怒らないでくれよ。別に私は君を傷つけたい訳じゃない」
「私は君に、一つの提案をしにきたんだ」
「…提案?」
「ああそうさ。まあ聞いてくれよ」
「…もう、忘れたいと思わないか?」
「…私が、彼らのことを?」
「…ああ、すまない。言葉が足りなかったね。
…正確に言えば、『彼らが君のことを』だな」
「…彼らが私のことを忘れる?」
どういうことだ。理解ができない。
…いや、正確に言えば、理屈としては理解ができる。
ただ、非現実的な存在に非現実的なことを言われて、少々頭が混乱しているのだ。
「…どういうことですか」
「言葉通りの意味さ。“恵美まどか”と“踏分誠一”が君のことを忘れる。
…いや、これだと語弊があるな。より正確に言えば、『君のことを知っている人』全員に忘れてもらう」
「…なぜ私がそんなことを。 そんなことをして、私にどんなメリットがあるというのです?」
そうだ。私にとってそれは、何もいいことがない。
…だから、こんな提案に、乗るわけが…ない。
「君だってわかっているはずだ。今の自分は足手纏いだと。必要のない存在だと。役に立たない存在だと。…何より自分自身がそう思っているだろう?」
「…そ、んな…わけ…」
否定…できない。なぜなら、それが、まさしく私が今考えていたことだから。
私は、彼らの必要とされる存在であり続けたい。
私は、彼らに頼られる存在であり続けたい。
私は…ッッ
…彼らの、仲間であり続けたい。
コメント
1件
ああ、この話…めっちゃ刺さったわ。 神様の登場で一気に世界観が広がった感じがするけど、それ以上に紗夜の「仲間じゃないって言われるのが怖い」って気持ちが痛いくらい伝わってきた。自分を必要としてもらいたい、足手まといになりたくないって必死なのが胸にくる。 「彼らに忘れられる」って提案、どうなるんだろ。続きが気になって仕方ない🔥