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魅弥サイド
魅弥)みか……ッ!みか…ハァッ…
魅弥)みか…みかぁ……///もっとッ……///
俺は魅華がこの世で一番大好きだ
小さい頃は村でよく遊んでいた……言ってしまえば泉で魚を採ったり、木の実を採るついでに木登りをして遊んだりしてよく一緒だった
魅華には兄さんがいたんだ、とっても妹思いの優しいお兄さん……だが、そのお兄さんは気づいたら居なくなっていた…魅華は「お兄ちゃんどこぉ……」と泣きながら村をずーっと歩いてた
俺はそんな魅華を守りたくなった…お兄さんが守りたいと言っていた妹さんの魅華を……守りたくなった…
魅弥)……はぁ…
だが、俺は守りたい……よりも、独り占めにしたい、もうお兄さんのことで泣かなくて良くなるぐらい楽しい思いで埋めてやりたいと思った
魅弥)……魅華……
魅弥)「そろそろ俺の事…ちゃんと見てくれ……好きなんだ、愛してるんだ…」
魅華)お前ら〜そろそろ帰れよ〜?明日まで居るつもりかよ笑
楓夏)やだ〜!
魅弥)どけどけ!おまえら用の布団とかねぇんだよ!
2人を退かそうと悪戦苦闘していたら「魅華〜」と本能で私がずっと待っている声が聞こえ2人を投げ飛ばして玄関まで思わず走った
ガチャッ
扉を開けると私とそっくりの……懐かしいお兄ちゃんがいた
魅華)おに……ちゃ…
涙が溢れた…だって、もう何年も……何十年も会っていなかったから
懐かしい匂いで胸の中まで嬉しいという気持ちになった、視界には懐かしい姿で一杯になった
雅緋(みやび))なぁ、村がなかったんだが……どうなったんだ?
魅華)おに、ちゃぁ……グスッうわぁぁああぁぁぁぁぁああん泣
雅緋)ちょ、魅華!?
お兄ちゃんは少しあたふたしながらも私を抱き締めてくれた
雅緋)……魅華、デカくなったなごめんな…寂しかったよな……俺、村が無くなったのも知らなくて…
魅華)あのね……おに、ちゃ…グスッ
お兄ちゃんは私の頭を撫でてくれて優しく背中をポンポンと叩いてくれた
魅華)ヒグッ…グスッ……妖怪に……燃やされた…綺麗な森も…泉も……川も…皆が育てた綺麗な畑も…綺麗な果物が生る木も……全部……全部…グスッ……村の人たち……お父さんとか……お母さんとか…隣の家の人……もグスッ……全部…ぜんぶぅ…グスッ
お兄ちゃんの服を握り締めて嗚咽混じりの言葉を吐き続けるとお兄ちゃんは優しく頭を撫でてくれた
雅緋)……そうか…全部…無くなったのか……まだ、もっと居たら…良かったな……寂しかったな、身内はもう俺しか居ないのか…
魅華)うわぁぁぁぁん泣グスッ……おに、ちゃぁぁぁグスッ…
雅緋)ごめんな…辛い時にいてやれなくて…寂しかったよな悲しかったよな、お前ばかりに辛いの見せてごめん……悪い、謝ったってお前の記憶には俺はいないから…寂しのには変わりないよな、ごめんな
2人は私が大泣しているのを見て「やっぱり……寂しかったんだ…」と無意識に察して私の部屋でホットミルクとココアを入れて静かに部屋から出て行った