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怪物

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怪物

3 - 第3話 標的

♥

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2023年06月03日

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しばらく月日がたち、

5月の中旬に差し掛かった。

宿泊学習や地域学習も終わり、

ちょうどクラスの中も深まったところだ。

「咲ちゃん」

「おー、愛美ちゃん」

メガネで髪の毛にカールがついてる

ポニーテールの愛美が僕の元へやってきた。

「この学校どう?慣れたかい?」

「うん!だいぶ慣れてきたよ〜」

「そりゃぁ良かったよ。」

他愛もない世間話をしていた時にふと、

廊下にいたある集団が目に入った。

(…あれは、クラスの男子か?)

さっきの嘲笑のこともあり、

聞き耳を立ててしまった。

「なぁ、アイツ変だよな」

「女の癖に『僕』だって」

「しかも、内部生も気持ち悪いやつしかいないよな」

心底腹が立った、

別に僕の事をバカにすればいいとは言ったが

内部全員をとは言ってないだろう。

「それなー、特に飯田!」

…飯田、いいやつなのに。

「え、1番はやっぱり…」

「『咲』…!!」

あぁ、聞きたくなかった、いや…

(いずれ聞くんだ、我慢しよう。)

「やっぱキモイわー!可愛い子居ないし」

(呆れた…)

頭の中でガチャンガチャンと弾が入れられる。

弾は憎悪かはたまた純粋な悪意か。

「ねぇ、咲」

「あぁ、華澄」

隣には華澄が立っていた。

「…悪口言われてない?」

「分かってるさ、別に気にしてない。」

引き金は、いつ引くか。

「アイツら最低…」

「気にすんなよ」

「でも、咲ちゃんが…」

「大丈夫。」

僕は、こんな扱いには慣れている。

「え、またこっちみてね?」

「お前に気があるんだろ(笑)」

(おっ………えぇぇぇ!!気持ち悪い、

なんだよアイツら、タダでさえ

男性は恋愛対象外なのに、

あんな奴に気があるなんて冗談でも言うな、

おぅぇ………………)

…流石に今のは効いた、キモすぎる。

「大丈夫…?」

(…………死なない程度に嬲りたい)

「………あぁ。」

あぁ、そう思ってしまう。(僕が、強ければ)あぁ、そう思ってしまう。

〚怪物になれたら〛…………?!

「こっち見てんじゃねぇよ、気持ち悪ぃ」

「………」

僕は思わず、

僕の声に驚いてしまった怪物………か。

なんだか、楽しそうなモノだ。

「おい!」

「…なんだよ」

騒がしい、虫の羽音みたいだ…。

「こっち見んなよ、気持ちわりぃんだよ!」

眉間に皺を寄せ、

睨みつけるような目をしながら思わず言ってしまった。

「お前なんて見てねぇよ。」

「…なんだと!?」

まずい、つい口が滑って…(笑)

「あんたみたいな気持ち悪い人、誰が見るんだよ」

「……………。」

暫く睨み合った後、そいつは

「ちっ…なんなんだよ」と、

その捨て台詞をして、友達の元へ行った。

「…大丈夫なの?」

「別に。華澄も気にしないで。」

「…………うん」

愛美は怖がっていた。

余程彼らは恐れ多い相手なのか。

「…咲ちゃん、気をつけてね。」

「…………あぁ。」

その日からいじめの標的になったのは言うまでもない。

だが、僕は気にしていない。

だって彼らは僕の標的…

この状況を好都合と言わずしてなんと判断するのだろうか。

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