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相馬は半ばパニック。
いやもう、どうしたら良いのか。
莉音が礼央を大好きで、愉快なストーカー化しているのは知っていた。
が。
あれほど告白されても一蹴していたクールな礼央から相談を受けるとは。
礼央はどうやら恋愛経験がないらしい。
が、莉音を抱いた。
抱いてみて嫌じゃなかった。
むしろ、だんだん気になってきた。
が、これが好きという気持ちがどうか、
わからないと相談してきている。
「相馬さん、どう思います?」
「えっと、えー」
「僕、基本的に他人に興味なかったんですよ」
うん、見たらわかる。
「子供のころから手紙とかプレゼントとかバレンタインチョコとか返してきました。欲しいものもチョコも自分で買うからと」
…残酷な奴だな、おい。
「…けれど莉音には何か、何と言っていいか」
そうか。
莉音は違うのか。
まさか
初恋かあ???
遅っ
待て。
こいつらのファンは女の子達。
ならば女の子とラブラブになり、バレて騒がれてファンが怒って離れてあら大変、俺は管理不足だと事務所に叱られる…よりマシ?
マシだ。
絶対マシだ。
うん、そう考えれば良い。
…かも。
「礼央、おまえらに1週間後にオフをやる」
「その日は新曲の打ち合わせじゃ」
「さっき作曲家からもう少し日にちがほしいと事務所に連絡があってな。だから、2人で旅して来い」
「お弁当持って登山なんかいやです。腐らないおかず考えるの時間かかるし。観光地や遊園地だと一応アイドルだからすぐ見つかってしまう…お土産のお饅頭も買えない」
おいこら、遠足に行けと言ってるんじゃない。
あと、お土産のお饅頭って何だ。
「遠足じゃなく旅だ旅。まあ遠くは無理だから、俺の友達の別荘に行って来い。環境を変え、静かな場所でゆっくり考えてみろ」
実は相馬の同居人で恋人の柳川未来弥が、最近軽井沢に別荘を買ったのだ。
作品がかなりのヒットをし、「先輩の作家さんに勧められたから買っちゃった」と軽く言われ、他に使い道があるだろうと呆れていたが、なるほどこんな使い方ができたんだ(何か違う)。
「別荘を?いいよ、使って」
未来弥はニッコリ。
「ありがとう、助かる。…ごめんな、考えたらおまえもまだ使っていないのに」
「いいって。相馬とはこれから何度も行けるし。…そこで2人に考えさすって…。いーじゃんいーじゃん、少年はそれが恋だと気づく、ふふっ、ちょうど良かった…別荘は演出が色々できてるし」
「ん?」
「いや、何でも」
演出?
すごーく
すごーく
嫌な予感がした。
未来弥は
ちょっと
趣味に走るところが…
1週間後。
礼央と莉音は別荘の前に立ちビックリ。
「すごい!マネージャーのお友達の別荘」
「…確かにすごいな」
高い塀がプライベートを守ってくれているその中には、広々とした庭。
そして白亜の豪邸。
「うわー、豪華あ。あ、ランチと夕食はデリバリーでもう届けてくれてるよ」
「顔バレするから外に出るなって事だろ」
二階に上がると、廊下の大きな窓から緑一面の風景が見える。
「最高。緑がいっぱい」
「ベッドルームは2階…あ、この部屋かな」
電気をつけたら…
紫の壁紙にシャンデリア。
なんかすごいセンス。
クイーンサイズのベッドに枕が2つ。
清潔なガウンが2着。
サイドテーブルに皮張りの箱があり、
そこにはコンドー◯や、その他必要品。
備え付けの冷蔵庫には飲み物。
栄養ドリンクが多い。
「あはは、高級なヤリ部屋?おかしい〜」
莉音は笑いながらあちこち観察。
莉音は業界に入る前に、ラブホに慣れていたから驚きはないようだ。
礼央は首を傾げていた。
マネージャーと友達って、
どんな関係?(彼はあくまで鈍感)
「おい莉音、あまりあちこち探るなよ、借りてるんだから」
んー、と莉音は礼央の言葉を無視して引き出しを調べていた。
「チェストの上にご自由にお使いくださいってメモがあったんだよ。何かなー」
で、次の瞬間、目を丸くした。
これ
オトナの
オモチャじゃん。
やばくない?
それが何かわからない礼央は、キョトンと見ていた…
続く