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えらいべっぴんだな、と思った。
うちの事務所はモデル業にも力を入れるって方針になったらしく、新しい子をスカウトした。
俺をスカウトしてくれたMさんから、そんな連絡を受けた。
佐野くん、絶対気にいると思うよ。
そう言われて興味はあったものの、ありがたいことに忙しくさせてもらっている身ではレッスンの見学なんて行く時間がなかった。
きっかけは、親からの連絡だった。
曰く、あんたの事務所にえらいべっぴんな子がいると。
ご丁寧に一緒に送られてきた写真を見て、しばらく目が離せなかった。
急いで事務所のホームページから調べて、名前を知った。
山中柔太朗。
中性的な顔にしては意外性のある名前のはずなのに、なぜかしっくりきた。
後日、Mさんから彼がこの前言ってた子だと聞いて、興味が湧いた。
数年経ってしまえば彼はすっかり売れっ子で、街中でも広告を目にする機会が増えた。
自分も俳優としての仕事が軌道に乗り、いつか仕事で会えるといいな、なんて考えていた。
あの日までは!
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ばたーこ