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⚠️注意⚠️
この作品は、鬼滅の刃の【上弦の鬼】と【柱】の立場が入れ替わっています。
主人公組(炭治郎、善逸、伊之助等)、お館様、鬼舞辻無惨という一部キャラクターは変わっていません。
ストーリーっぽい流れを全く考えていないのでおかしい可能性があります。
口調を理解していないのでキャラ、口調崩壊する可能性があります。
中の人の想像により書かせていただきました。
了承した方はご覧下さい
「明日…か……もう半年…経つのか……。」
「____」は黒にムラなく塗りつぶされた空を見上げ、そう呟いた
彼は、一般人とは少し違う、見慣れない服を身に付けていた
夜に紛れる黒地の服の上に、黒と紫色の羽織纏っている
そして、一番特徴的だったのは────腰に刺さった、「刀」だった。
家が並ぶ中、刀をもつ彼は強引に作られた道を踏み締め、淡く道を照らす月光を凝視した
____今日は、平和な夜だ。
「誰も……死んでいない……半年以内、一度会った……。彼らは…容易く死なぬ……。」
彼は月から目線を下ろすと、暗い夜の町が、とても静かに思えた。
とても、静かに。
一瞬にも満たぬ間に、風が町を笑うように揺らぐ。
「───!」
急に振り返ったかと思うと、刀に手をかける。
スパッ。その刀が何かを斬った
ゴトン──────
それは、異様に舌の長い、化け物の首だった。
血がだらりと垂れ、地面に血痕を残しており、ある意味吐きそうな光景だった
彼が刀を収める間に、首は崩壊し、骨も残さず消えた。
同時に、彼の前にいた首が繋がっていたと思われる身体も、ハラハラと崩れ塵となった。
その様子は、一つの生き物の名前を彷彿とさせる
カチャンッ
刀が鞘に収められる音が響いた
ジャリ…ジャリ……
よく晴れた朝だった。
玉砂利を踏みつける音を鳴らして、一人の青年が歩いている
ここは……庭だろうか。
庭だとしたら、相当広く、お屋敷としか考えられない。
庭の中を少し歩き、真っ直ぐ正面を向きながら、彼は無言で左折した。
さらに広くなった庭には、暖かな日差しを受けて、光の鱗粉を散らしているようだった。
草木や花々が生き生きとそびえ立ち、庭を守るように敷き詰められている玉砂利の上には、枯葉一枚落ちていない。
庭から見て正面には大きなお屋敷が造られ、庭に面している部分の扉が大きく開かれていた。
ここから、建物内を覗くことが出来る
見惚れてしまいそうな庭には、鮮やかな羽織を着た人々が居座っていた
今来た彼を含め、合計八名。
彼らは揃いも揃って、羽織の下に同じ____黒地の服を着ていた。
青年は黒髪を僅かに揺らし、口を開いた
「俺が最後か、遅れて悪かった」
「あっ”狛治”殿!大丈夫!俺もさっき来たところだし!!」
「…………”童磨”……お前か………」
狛治と呼ばれた青年は目の前にいる青年……童磨を、汚物を見るような目で鋭く睨む。
敵意むき出しの狛治だが、童磨は気にする様子もなくニコニコと笑う。
彼らは「鬼殺隊」と言い、太古から鬼を倒す団体である。
そして、ここに集まっている八名は「柱」と言い、鬼殺隊の中で最も位の高い八名の剣士を指す。
今日、柱達は集められていたのだ。
───半年に一度の、柱合会議の為に。
「お館様は何時いらっしゃるのか?」
ツンツンつついて来る童磨を空気にして、狛治は他の柱に聞いた
「まだお見えではありませんが…もうそろそろいらっしゃるかと」
答えたのは”鳴女”という、いつも琵琶を持っている柱だった
「集まるのは…竈門炭治郎の件以来か…?」
「そうですなぁ”厳勝”殿、およそ三ヶ月前でしたかな?確か緊急柱合会議で……」
そう語るのは厳勝と”益魚儀”の二人。
「緊急柱合会議」とは、鬼を連れた隊員、「竈門炭治郎」について、半年経っていないのに緊急で行われた会議だ。
その会議で鬼を連れる事を認められたが……やはり快く思わない人もいるようだ。
現に、柱の数人はまだ納得していない様子だ。
はぁ、と少し離れた所にいる二人の柱は息を漏らした
「そのガキね…鬼殺隊公認になったと言っても、私はやっぱり納得がいかないわ」
「そうだよなぁ、俺も良くは思えねぇなぁ…本当に十二鬼月を倒せるのか?」
皮肉をこめて言葉を吐くのは”梅”、”妓夫太郎”の妹と兄の兄弟で鬼狩り、柱をやっている者達だ
その奥の松の木に、寄りかかって柱達の雑談を盗み聞きしているのは”半天狗”。
子供のような見た目だが、れっきとした青年だ。
幹に寄りかかる姿は、本人が声を出さない限り、ほぼ気付くのは不可能と言えるだろう。
半天狗は何かにピクリと反応した
「元に戻れ、お館様がいらっしゃる」
「「「「「「「……!!」」」」」」」
視線を屋敷に向けた瞬間、静かな子供二人の声と共に、大きく開けられた扉の奥、人影がゆっくりと姿を現す。
「「お館様の、お成りです」」
「皆お早う、とても良い朝だね。風が暖かく吹いているのかな?」
ザッ─────────
お館様の姿が表に出た途端、柱の全員が膝を付き、頭を下げた
お館様…産屋敷耀哉は暖かい、聞いていると心地よくなる様な声で話しかけた
「半年に一度の柱合会議を、顔ぶれを変えずに迎えられたこと、嬉しく思うよ。以前は炭治郎、禰豆子の件でいきなり呼んでしまい、すまなかったね」
一定のテンポで発される声音が、ジンと耳に染みる。
代表として厳勝が誰よりも先に挨拶をした。
「お館様におかれましても…ご創建で何よりです。益々のご多幸を切にお祈り申し上げます。…炭治郎、禰豆子の二人に関する事も、お館様のご意志を、受け止め、柱、鬼殺隊員は深く理解しております 」
「ありがとう、厳勝」
スラスラと綴られる挨拶の文章。
何も知らない人が聞いたら、「どうした!?」と思ってしまう程きちんとしている言語の数々
お館様に対して尊敬の志を持っていない鬼殺隊士は、ここにはいない。
「本日はどのような内容でしょうか、お館様」
月柱【つきばしら】
継国厳勝
隊服の上に紫と黒色の模様が入った羽織を着ている。
鬼殺隊最強と言われるその実力は、人間の限界まで鍛えていると言っても過言ではない。
無論、努力に対応する強さだ。
彼の日輪刀は美しく、ゾッとするような切れ味を持つ。
氷柱【こおりばしら】
童磨
隊服の上に、裾が虹色のグラデーション、全体が血のような赤黒い色をしている羽織を身に纏う。
彼の武器は他の隊士と違い、鋭い刃物のような、対の扇を使う。
その扇の先は、常時冷気で冷やされている。
頭脳戦が得意で、必ず鬼を滅する。
拳柱【けんばしら】
狛治
隊服だが、首元は開いていてボタンも閉じておらず、袖も無い。
実力は柱の中で上から二番目と呼んで良いだろう。
童磨と同じく武器が他の剣士と違い、現代で言うならメリケンサック、足に小刀が仕込まれている。
両腕に罪人の入れ墨のような三本線が入っている。
感柱【かんばしら】
半天狗
隊服の上に白い羽織を着ている。
だが、白の中に目立つ、赤、青、黄色、緑の一本線が特徴的だ。
彼の日輪刀には「悪鬼滅殺」の文字の他、裏面に「喜怒哀楽」の文字が入っている。
【感】の中で型が四種類に分かれている。
技を使う際、対応する文字が光るとか……?
魚柱【うおばしら】
益魚儀
狛治と同じく、袖が無い隊服を着ているが、首元とボタンは閉じている。
腰にさせない程大きな二刀流の刀を持ち、その刃先はまるで魚の尾びれのような、独特な形になっている。
刀は背中に取り付けるようにして持ち運んでいる。
水柱【みずばしら】
梅
隊服の上に、腰辺りにベースがピンク、中に蝶のような柄が入った帯を巻いている。
普通の日輪刀を使うが、通常の水の呼吸とは違い、彼女はよりうねるように動き、防御力がや動きが高くなっている。
彼女の水の呼吸は別、と例えるのが正しい。
鎌柱【かまばしら】
妓夫太郎
隊服の上に、不死川のような、上半身だけの上着を着ていて、背中には「殺」の文字が大きく書かれている。
彼が使うのは二本の鎌。
刀と同じ使い方の他、投げる使い方もよしと、実用性が高いが、投げる時は刃が回るのでめっちゃ危ない。
律柱【りつばしら】
鳴女
隊服の上に、上品な黄土色の羽織を身に纏う。
少し特殊で、短めの日輪刀を持っているが、それでは呼吸は使えない。
呼吸を使えるのは別で持つ琵琶である。
琵琶で呼吸を使い、日輪刀で完全にトドメを刺す、という戦いの戦法を使う。
彼女は日常的に琵琶を持っている。
「今回はね、私は少し危険だと感じているんだ」
「危険……とは?」
梅が質問を口にする
「それはね、強い鬼の出現率が上がった気がするんだよ。多くの剣士達【子供達】が戦っても、敗れてしまうような鬼が」
「それは…十二鬼月の可能性があるという事ですか?」
「そうだね、柱が動く事も多くなると思うよ」
聞いたのは狛治。
”多くの剣士達が戦っても敗れる”という事は、十二鬼月の可能性は高いのだろう。
狛治は自分が質問したのに関わらず、少し言葉が詰まるようだった
「鬼が強くなるなら、私達も強くなる、ならなくちゃいけない。それに加えて、今の柱は過去の年代から見ても、かなり上の実力だと思っているよ。
鬼がこれからどう動くかは分からないけれど、危険な香りがするね」
会議は続き──────三十分後、お開きとなった。
簡単にまとめると、”強い鬼の出現率が増えている為、注意を促す事、上弦の場合、柱も油断してはならない”
……つまりは鬼殺隊への”警戒”だ。
上弦だとしたら、柱の面子だって…対岸の火事と言う訳には行かない。
「にしても上弦…出るとなると私達も危ないって事?」
「ああ、上弦は柱三人分の強さを持つと言われておるが………儂らもそう簡単にはやられん」
「そうね」
太陽が高く登る昼間、八人は産屋敷邸の庭の帰り道を歩く
梅と半天狗が上弦について喋っているが、まだ柱の誰一人上弦に会ったことはなかった。
だから、予想に過ぎないけれど。
鬼からしても、上弦は隠し球なのだろう。
すると、静かだった鳴女が妙なことを言い出した
「以前、上弦の鬼が九体になったという噂を聞いた事があります」
「ええっ!?上弦って六体じゃないの!?それじゃあ下弦三体って事!?」
童磨が少々オーバーな驚きを見せる
他の人も____「え?」や「は?」と言いたげな雰囲気で眉をピクリと動かした
「小耳に挟んだ程度なので、詳しくは分かりませんが…下弦が壊され、上弦に上がっても問題ない鬼が上弦に格上げされたのではないかと私は考察しています。
他の鬼殺隊員が、目に『玖』と刻まれている鬼を見たような…と話していたのを聞きました」
「……それが真実なら…鬼側も確実に士気を上げているという事になるな……」
厳勝が冷静に悟る。
そのせいか静寂が駆け巡ったが……ふっ、と小さな声が打ち払う
声の主は…狛治。
彼はいたずらっ子のように目を細める。
薄群青の瞳がまるで大人びたようだった
「負けるものか、六だろうと九だろうと……鬼を滅する事に変わりない」
「まぁな……俺達に歯向かう奴は殺すだけだろ?鬼は必ず殺さなきゃいけないよなぁ…」
「狛治殿と妓夫太郎…流石この二人と言うべきか…」
怖がっているのか面白がっているのか、震えるように声を出す益魚儀。
つられて何人が笑い出していた
「今日も見回り行かなくちゃね〜、ねっ狛治殿!!」
「……………。」
「無視!?酷くない!?どさくさに紛れて普通に話せるかな〜と思ったのに……」
さっき彼が普通に話したのはレアだった。
柱の中であまり話さない人だが、童磨に対してはめっぽう当たりが強い。
……基本的に塩対応である。
ここまで来ると清々しく感じてしまうかもしれない。
…童磨はむう、と口をふくらませている様だが
「…強い鬼が出ているなら、やはり注意しなくては」
と半天狗。
その一言に、強く同情して揃って頷いた
「夜まで待つしかないわね」
梅は空を見上げる。
まるで吸い込まれてしまいそうな程、高く遠く____青い空
───夜は怪物のおぞましい息が犇めき合うとは考えられない。
けど……そうなのだ。
この世から鬼が消えぬ限り。
「注意を怠るのではない。わかりきっていると思うが、我らに明日の命の保証は無い……」
ジャリ……ジャリ………
複数人の玉砂利を踏む音が、重なり合ってそこら中に響いた
コメント
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うわぁぁぁぁぁ!面白すぎる!最高すぎる!4週はしたぞ!?リーブうますぎ!まるで本家様!!口調も設定も好きやし、皆の名前が当たり前だけど人間だった頃の名前になってるのがいい! 玉壺の昔の名前ってなんて読むん?教えて欲しいー! 私がノベルした時、リーブ私より上手いんじゃない?って言ってくれたけど、やっぱりリーブにはノベルでもそうじゃないやつでも絶対勝てねぇぇぇぇ!もう本当にファン!続き待ってる!
〜作成コソコソ噂話〜 一番「〇柱」にするか迷った人物は梅です。 『何で水?』と思われる方もいらっしゃると思いますが、いくつかの考察チャンネルを見て決めさせせ頂きました。 【梅の没案】 ▪️美柱 ▪️華柱 ▪️帯柱