テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ズドォォォォン!!!
巨大魔獣が壁へ吹き飛んだ。
講堂が揺れる。
「…………」
新入生達は言葉を失っていた。
たった一撃。
しかも、
刀を軽く振っただけ。
孤月は面倒そうにため息をつく。
「……終わりか?」
「まだいるよお兄ちゃん!」
満が笑顔で指差す。
天井。
そこから小型魔獣が次々落ちてきた。
「うわぁぁぁ!?」
「また増えた!?」
パニックになる新入生達。
だが——
満は前へ出た。
「じゃ、今度は私!」
双剣を抜く。
次の瞬間。
バチィッ!!
雷が弾けた。
「えっ」
新入生達が目を見開く。
満の周囲に、
複数属性の魔法陣が同時展開されていた。
炎。
風。
氷。
「嘘だろ……」
「多属性……!?」
普通ならありえない。
だが満は気にした様子もなく笑う。
「まとめていくよー!!」
ドォォォォン!!
魔法が一斉炸裂。
小型魔獣がまとめて吹き飛んだ。
静寂。
そして——
「…………」
会場全員が固まった。
満は首を傾げる。
「……あれ?」
孤月がぼそっと言う。
「目立ったな」
「お兄ちゃんもでしょ!?」
壇上では。
学園長・天城時雨が楽しそうに笑っていた。
「いやー、今年の新入生面白いねぇ」
零牙は頭を押さえる。
「笑ってる場合ですか……」
澪はニコニコ。
「総合科決定かな〜」
数十分後。
魔獣騒動は教師陣によって片付けられ、
入学式は何事もなかったかのように再開された。
時雨が咳払いする。
「はい、というわけでクラス分け発表いきまーす」
「流した!?」
新入生達が総ツッコミした。
巨大モニターに、
次々と名前が映し出されていく。
『一般科』
『魔法科』
『支援科』
『錬成科』
歓声が上がる中。
満はワクワクしながら画面を見る。
「どこかな〜!」
孤月は眠そう。
「どこでもいい」
「よくないよ!?」
そして——
最後。
画面に大きく文字が映った。
『総合科』
その下に。
神谷孤月
神谷満
香城恵里
祓守蓮
雷轟桜
舞鶴碧衣
名前が並ぶ。
少し遅れて、
炎由香里
花宮翔琉
前河明
粘道宣光
も表示された。
会場がざわつく。
「うわ、総合科……」
「問題児クラスじゃん」
「やべぇ奴らの集まりだろ?」
満がキョロキョロする。
「問題児クラスなの?」
孤月。
即答。
「そうだろ」
「否定して!?」
その時。
後ろから声がした。
「ふーん、お前らも総合科か」
振り向くと、
銀髪の男子生徒が立っていた。
鋭い目。
どこか偉そうな雰囲気。
「俺は花宮翔琉。よろしく」
「満です!」
「……孤月」
翔琉は孤月を見て少し眉をひそめた。
「お前、強いな」
「……普通」
「絶対普通じゃねぇだろ」
そこへ——
「おい!!」
元気な声。
炎色の髪の少女が近づいてくる。
炎由香里だった。
彼女は満をビシッと指差す。
「お前!!」
「え、私!?」
「次は負けないからな!!」
「まだ戦ってないよね!?」
由香里は満足そうに頷いた。
「じゃあまたな!」
去っていく。
満は困惑。
「なんだったの……?」
孤月。
「面倒なのに絡まれたな」
「お兄ちゃんも人のこと言えないよ!?」
さらに。
「お嬢さん達〜!」
「俺達が案内してやるぜ!!」
金髪ナルシストと、
小柄な男子が登場した。
前河明と粘道宣光。
宣光がキメ顔する。
「総合科の未来を担う男、粘道宣光とは俺のこと!」
「そして俺が前河明!」
満。
「誰?」
二人が固まった。
講堂の端。
蓮と桜はその様子を見ていた。
蓮がため息。
「……カオスだな」
桜は苦笑する。
「でも、楽しそうです」
その時。
教室案内の鐘が鳴った。
『各クラス、教室へ移動してください』
満が笑顔になる。
「よーし! 学園生活スタートだー!!」
孤月は窓の外を見ながら呟く。
「……平穏に過ごしたい」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
#勇者