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アストレア魔導学園・総合科校舎。
他学科から少し離れた場所に建つ、
古びた三階建ての校舎だった。
満は目を輝かせる。
「秘密基地みたい!!」
「ボロいだけだろ」
孤月が即答する。
その横では、
恵里が壁をコンコン叩いていた。
「お、魔力耐性高い素材使ってる」
「なんで分かるの!?」
「ロマンだから!」
意味不明だった。
ガラッ。
教室の扉を開ける。
すると——
「遅いぞ新入生共」
教卓に座った大男が低い声を出した。
黒髪短髪。
鋭い目。
傷だらけ。
威圧感がすごい。
満が小声で聞く。
「お兄ちゃん、怖い人いる」
「……熊みたいだな」
「聞こえてるぞ」
低音が飛んできた。
満がビクッとする。
だがその直後。
「はいはーい、怖がらない怖がらない♪」
ひょこっと銀髪の女性が現れた。
眠そうな目。
白衣。
口にはキャンディ。
「今日から総合科担任の月城澪でーす」
ゆるい。
さっきとの温度差がひどい。
「で、こっちが副担任」
「黒峰零牙だ。よろしく」
誰も逆らえない空気。
澪は教卓に座りながら笑った。
「ま、適当に座って〜」
その瞬間。
明が高速で窓側最後列へダッシュした。
「主人公席いただき!!」
宣光も走る。
「なら俺はその隣だァ!!」
次の瞬間。
ゴンッ!!
二人まとめて零牙に回収された。
「騒ぐな」
「「はい……」」
圧。
生徒達が席につく。
孤月は一番後ろの端。
満はその隣。
「お兄ちゃん隣ね!」
「……ん」
自然だった。
澪がパンパンと手を叩く。
「じゃ、自己紹介しよっか!」
#バトル
#死に戻り
満が元気よく手を上げる。
「はーい!」
「元気だねぇ」
最初に立ち上がったのは桜だった。
「雷轟桜です。よろしくお願いします」
綺麗なお辞儀。
教室が静かになる。
「うわ上品……」
「お嬢様だ……」
満が感心している横で、
明がボソッと言った。
「モテるタイプだ……」
零牙。
無言の拳骨。
ゴッ。
「痛ぁ!?」
次。
「祓守蓮だ」
短い。
「以上」
「短っ」
碧衣が笑う。
蓮はため息。
「長く話す必要あるか?」
「真面目〜」
「次! 私!」
碧衣が勢いよく立ち上がった。
「舞鶴碧衣です!! 趣味は食べること!! よろしくね!!」
元気。
教室の空気が少し和む。
由香里は真っ直ぐ満を見る。
「炎由香里! 強い奴と戦うのが好きだ!」
満。
「なんでこっち見てるの!?」
翔琉は静かに立つ。
「花宮翔琉。……以上だ」
女子達が少しざわつく。
「イケメン……」
「クール系……」
本人は気づいてない。
そして問題児二人。
明がバッと立ち上がる。
「前河明!! 好きなタイプは美人!!」
「聞いてない」
蓮が即ツッコむ。
宣光も立ち上がった。
「粘道宣光!! 将来はモテ王になる男だ!!」
零牙。
「座れ」
「はい」
秒だった。
恵里は元気よく笑う。
「香城恵里! 発明大好き! 爆発は事故!!」
零牙が即反応。
「事故で済ませるな」
「えへ」
反省ゼロ。
そして。
「次、神谷兄妹〜」
澪がニヤニヤしながら言った。
満が立ち上がる。
「神谷満です! よろしくお願いします!」
笑顔。
一瞬で空気が柔らかくなる。
「趣味はお兄ちゃんと食べ歩き!」
孤月が少しだけ眉を動かす。
「それ言う必要あったか?」
「ある!」
教室が少しざわつく。
「仲良いな」
「お兄ちゃん呼びだ」
孤月は面倒そうに立ち上がった。
「……神谷孤月」
終わり。
「短っ!?」
満がツッコむ。
孤月は座った。
やる気ゼロ。
その時。
澪が笑いながら言った。
「じゃあ最後に一つ」
嫌な予感がした。
「総合科恒例行事やりまーす」
生徒達。
「?」
零牙が壁にもたれて腕を組む。
「今年は校庭だな」
満が首を傾げる。
「何するんですか?」
澪はニッコリ笑った。
「実力テスト♪」
静寂。
数秒後。
「「「えぇぇぇぇぇ!?」」」
孤月が机に伏せながら
「最悪だ…」