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#バディ
井川奎
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芙月みひろ
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#普通
野々さくら
631
冬茉
二台の|定音鼓《ティンパニ》は、争うように高音を叩きだし、|颶風《ぐふう》のように激しく鳴り渡るシンバルの金属音は、サロメの気分を高揚させるに十分だった。
「七つのヴェールの踊り」は、クライマックスを迎えている。
サロメが、一気に体を反らし、足を蹴りあげると、ヴェールは瞬時に花開いた。
勢い、サロメの足は、太ももまで露になり、そして、身に付けている、ビーズに、コインに、腕輪が、シャラシャラと音を立てる。
|揉立《もみた》てるように鳴り響く演奏と相まって、それは、男達の欲望を駆り立てる。サロメを見る双眸には、色情が浮かんでいた。
そんな、自身に寄せられる視線など、お構い無しで、サロメは、更に、身をくゆらせ、ヴェールをたなびかせた。
この中に、犯人は、いる。
仲間を手にかけた者が、いる。
舞いながらも、サロメは、集まっている男達の顔を目に焼き付けようとしていた。
と、ひときわ輝く、エメラルド色の瞳を見つけた。
(ああ、ヨカナーン、来てたのね。)
パトロンの共として、やって来たのだろうか、その男──、貴族に|従事《じゅうじ》る、|竪琴《キタラ》奏者は、小さく口を動かした。
あ と で
男は、サロメにそう伝えて来た。
彼にも、積もる話があるのだろう。
そして、サロメも、館で起こっている事について、知っている事はないか問いたかった。
ゴーンと、銅鑼が鳴る。
これを合図に、最後の仕上げに取りかかる。
|定音鼓《ティンパニ》と、シンバルが奏でるリズムは、段段と速度を増して、サロメの動きも、激しくなっていく。
大きく踏み出し、飛び上がる。動きに沿って、ヴェールがなびく。
シャラシャラと、装飾品が、音を立て、サロメの動きを際立てる。
両手は、宙を掻き、足先が、小鳩の様に飛び跳ねる。
重ねたヴェールは、夜気と共に広がって、一瞬、サロメの姿を隠してしまう。
そして、再び銅鑼の音──。
床に広がるヴェールと、共に、ひれ伏すサロメの姿がある。
舞は、終わった。
一瞬の間の後、広間には、割れんばかりの拍手が沸き起こった。
コメント
1件
第4話、めっちゃエモかった…!舞踏シーンの臨場感がすごくて、まるで音楽と動きが一体になってるみたいだった😭🌸 サロメの内面(犯人を探す緊張)と華やかな舞のギャップがたまらない…!ヨカナーンとの「あとで」のやり取りも気になるし、続きが早く読みたいです🔥 井川奎さんの描写力、やばいです…!✨