テラーノベル
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芙月みひろ
#初めて
翌日。営業部の空気は、どこかピリついていた。けれど、私だけは、一人別世界にいた。
(……昨日の陽一さん、すごかった……)
指先がキーボードの上で止まったまま、脳内では昨夜の「上書き保存」の記憶がフルで再生されている。理性をかなぐり捨てた陽一さんが、私を押し倒した時の、あの野性的な眼差し。
(もう、めちゃくちゃ最高!!……。普段は草食なのに、あんな表情、ずるい。陽一さんの全部が推し(神)だけど、やっぱり我慢の限界を超えて本能のままに迫ってくるときの、あの掠れた声と必死な顔がたまんない……♡)
私は無意識に、第一ボタンまで留めたカーディガンの襟元を指でなぞった。その下にある生々しいキスマークが、まだ熱を持っているような錯覚に陥る。そんな幸せの余韻に浸りきっていた、その時だった。
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