テラーノベル
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葬儀は終わった。久々に綾葉の顔を見たが、はっきり言って直視出来なかった。
検死の後、頭を縫われたんだろう。
額に縫い後があった。
俺が戻ると学は他に来ていた人達と話をしてた。
そこには武の姿もあった。
今まで音信不通だったが、ニュースを見て駆けつけてくれたんだろう。
長髪の金髪で、今も変わらずのロックンローラーだ。
久々に俺も話をしようと思ったが、今はそんな気持ちになれそうにない。
葬儀が終わった後も俺はずっと喫煙所でタバコを吸っていた。
あいつが俺に対して抱いていた想いはなんだったんだ。
嘘か本当なのか。
「友和のこと好きだよ!」
その言葉を思い出して、よくわからなくなる。
俺はそのまま座り込んだ。
砂で喪服が汚れてもどうでもいい。
服は洗えば落ちる。
身体の汚れだって。
でも心の汚れは簡単に落とせない。
普通の家庭に生まれた俺よりもあいつのほうがそれをわかっていたはずなのに。
涙も出そうで出ない。
あの夜の後、1人で泣いてたら枯れてしまったようだ。
「おい。そんなところ座ってたらケツが汚れんぞ」
声が聞こえて見上げると学がいてその隣に武がいた。
「久しぶりだな、とも。あまり大丈夫そうにはみえねぇが……大丈夫か?」
「ははは……もう駄目みたい。」
学に腕を掴まれ、
「よし。とりあえず立とうぜ。飲みにでも行こう。いつもの店で,」
俺は立ち上がった。
千葉に戻ると学とよく行く店、酩酊亭だ。
あそこの店は雰囲気いいし、店員さんも気のいい人だ。
「行こうぜ。俺も学も話ぐらい聞くからよ」
武と学が俺の半歩前を歩く。
いつも先頭にいたのは武と学だったな。
その後ろに俺と綾葉だ。
今は……俺のとなり誰もいない。
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#ミステリー
鬼霧宗作
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みおん
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コメント
3件
ああ、このエピソード、重いけどすごく心に響きました。葬儀の場面で、友和が綾葉の縫い跡を直視できないところとか、タバコを吸いながら「あいつの言葉は嘘なのか」と反芻する感じ——喪失のリアルさが凄かったです。学と武が自然に「飲みに行こう」と誘う距離感も、長年の関係性が伝わってきて。最後の「となり誰もいない」が、静かに刺さりますね。