TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

レオナードがクリムゾンボアの猛毒に打ち勝つことができるかの瀬戸際だ。

もうダメかと思われた瞬間、シンヤはレオナードが女性であることにようやく気づいた。

彼が女性特有の器官に手を伸ばす。

体の中心部に近く、中から魔力を浸透させることができる箇所。

それは、男にはないものであった。


ズプッ。

そんな音を立てて、レオナードの体がシンヤの指を飲み込む。


「うっ……。あっ……」


レオナードが小さく喘ぎ声を上げる。

そして、再び大量の液体が吹き出した。

魔力が全身を巡っている今、わずかな刺激でも過敏に反応する状態だ。


彼……いや、彼女のことを男だと勘違いしていた時には、できれば触れたくないと思っていた液体である。

しかし今は、どこか魅力的に感じるようになっていた。


「レオナードの中はキツイな……。まるで新品だ……。しかし……。よし、これでいける!」


シンヤは魔法を発動させる。


「【キュア・ポイズン】!」


ドクン。


「うっ……。おおぉぉぉ!!」


レオナードが大きく仰け反りながら叫ぶ。

そして、その体は激しく痙攣し始めた。


「レオナード様! しっかりして下さい! レオナード様ーっ!!」


男の叫び声を聞きつつ、シンヤは治療を続ける。


「いいぞっ! 効いてる効いてる!! あと一歩だ。全員、集中しろっ!!!」


シンヤの檄を受けて、パーティメンバーやミレアが気合を入れ直す。


「あひぃっ! んほおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」


そしてついに、レオナードの絶叫と共に体から全ての毒が抜け落ちた。

同時に彼女の体がビクビクと震え始める。


「うっ……。ああぁぁんっ!!!」


ブッシャァッ!

盛大に液体を吹き出すと同時に、レオナールの全身が光に包まれた。

治療魔法が全身の隅々まで行き渡った証拠だ。


「やった……のか……?」


光が収まるとともに、その場にいた全員が固唾を飲む。

しかし、すぐにシンヤ達の顔に笑みが浮かぶ。

そこには穏やかな寝息を立てるレオナードの姿があったからだ。

彼女にM字開脚の姿勢を保たせていた男も手を離し、彼女をそっと地面に横たえる。


「ふぅ~……。よかったぜ。なんとかなったみたいだな」


シンヤは大きく息を吐きだす。

そして、改めてレオナードの顔を覗き込んだ。


「こいつ……いや、彼女がまさか女だったとはな。今まで雑に扱いすぎていたかもしれん」


シンヤはそう呟くと、レオナードの頬に触れる。

柔らかく温かい肌だ。


「これからは、もう少し優しく扱おう。そうだ、今度、俺の屋敷に招待してやるか。美味い飯をごちそうしてやろう」


「ほほ。それは、レオナード様もお喜びになるでしょう」


男が満足げにそう微笑む。


「なあ。ところでさ、お前達とレオナードの関係って……」


シンヤがそう問い掛けた瞬間だった。

ブリブリブリ……。

レオナードのお尻から、先ほどよりもさらに強烈な音が聞こえてきた。


「うっ!? 臭いゾ……」


ミレアが鼻をつまんで言う。


「シ、シンヤ殿! これは……」


「心配するな。魔力を体内に通したことにより、内臓が刺激されてしまっただけだ」


「そ、そうですか。では、問題はないと?」


「ああ。むしろ、これで正真正銘、体内から毒物がなくなったと言えるだろう」


「おお、なんと素晴らしいことでしょう……」


男は感動したように呟く。

だが、すぐに表情を改めた。


「レオナード様が意識を取り戻される前に、身なりをきちんと整えておきましょう。意識を失っている間にこのようなことがあったと知れば、彼女も気に病まれることと思いますので……」


「ああ。確かにそうだな」


毒で死ぬことに比べれば遥かにマシだろうが、それでも年頃の少女だ。

恥ずかしさで死んでしまいそうになるかもしれない。

クリムゾンボアとの戦闘で意識を失った彼女は、まずは全裸のままシンヤに背負われ、みんなの元まで帰ってきた。

パーティメンバーの男達にその魅力的な裸体を見られた。

そこまでは百歩譲っていいだろう。

不慮の事故で裸体を見られてしまうことぐらい、誰にでも起こりうることだ。


しかしその後がマズイ。

彼女はM字開脚の姿勢を取らされた上、へそ、尻、耳、鼻の穴にまで、ありとあらゆる穴の中に指を突っ込まれた。

体内に魔力が巡ったことにより、無意識下とはいえ快楽の声を盛大に上げていた。

極めつけに、つい先ほどの脱糞。

レオナードにとっては、自分の知らないうちにパーティメンバーやシンヤ達に自分のありとあらゆる醜態を晒してしまったことになる。

これで落ち込まないわけがない。


「おい、シンヤ。あたしがしようカ?」


「お願いできるか? 男である俺や彼らがするよりはマシだろう。お前達もそれでいいな?」


「はっ。ではお言葉に甘えてさせていただきます。ただし、くれぐれも途中で目を覚まされないよう、細心の注意を払ってくださいね」


「ああ。分かってるヨ」


男からの念押しに、ミレアがそう答える。


「うむ。今回のことは、全員が墓場まで持っていくように。レオナードには、普通に治療魔法で治したと伝えることにしよう」


「そうしていただけると助かります。……では、我らは今度こそ周囲の警戒をしておきますので」


男達が周囲の警戒をしている間に、ミレアによってレオナードの身体が清められていく。

シンヤも魔法によりそれを手伝った。

こうして、クリムゾンボアとの思わぬ衝突は何とかなったのであった。

loading

この作品はいかがでしたか?

18

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚