銀次「ここが俺の家だ。入れ。」
 外観はドラマに出てくるような古民家だった。
 栞「お邪魔します…。」
 銀次「お前珍しい草履履いてんな」
 栞「草履?ローファーのことですか?」
 銀次「ローファー?なんだそりゃ?」
 (ローファーを知らないのか?この人の服装も住んでる家も全部昔話に出てくる様なものばかりだ。そういうのが好きなのかな?変わった人だ)
 銀次「ゆっくりしてけ。俺は飯作ってるから何かあったら声掛けてくれ。」
 栞「そんな?!泊まらせて貰って置いて何もしない訳には。私も何か手伝わせてください!家事は得意です! 」
 銀次「そうか?じゃあ飯作ってくれねぇかな。俺はその間薪を割ってくる」
 栞「任せてください!!」
栞「ふぅー、 一通り終わった。道具がどれもこれもうちにあるのとは全然違うから大変だったなー。」
 銀太「美味そうな匂いがするから来てみたらすげーなお前、得意なのか?」
 栞「はい!母が教えてくれて人並みには出来るようになりました。」
 銀次「お前のおっかさんもすげーんだな」
 褒めてくれてるのにどこか悲しそうな顔をしていた。
 栞「銀次さん?」
 銀次「よし、食べよう!腹減りすぎて倒れそうだ」
 栞「そうですね!」
 栞・銀次「いただきます」
 銀次「美味い!!こんなに上手い飯食べたの久しぶりだ!」
 栞「良かったです。」
 銀次「そういや聞いてなかったな、お前歳は?」
 栞「17です。」
 銀次「17か、てことは俺のひとつ下か」
 栞「ひとつ下…!銀次さん18歳で一人暮らししてるんですか?!よく親御さんに許可貰いましたね」
 銀次「親御…?両親とも俺が11の時に流行病で死んだよ」
 栞「そう…なんですか…。すみません。一人暮らしだと思ってつい」
 銀次「いや、構わない。俺もこんな事人に話したのは何年ぶりかな」
 (さっき悲しそうな顔してたのはこういう事情があったからなのか)
 栞「実は私も父を幼い頃に亡くして居て。今は母と二人で暮らしてるんです」
 銀次「そうか、俺たちちょっと似てるな」
 栞「そうですね」
 お互い似ている所が多くその後も話が続いていく。
栞・銀次「ご馳走様でした。 」
 銀次「腹も満されたし湯屋へ行くぞ!」
 (湯屋?お風呂屋さんのこと?)
 銀次「あっ。でもその格好だと他の連中に怪しまれるしなぁ、そうだ!」
 そういうと銀次さんは奥へ行き何かを持ってきた。
 銀次「おっかさんの着物だ。これ着て行くぞ」
 栞「でも、これ亡くなったお母さんの大事な着物じゃ… 」
 銀次「おっかさんもきっと捨てられるより栞に使って貰う方が喜ぶよ」
 栞「それじゃあ有難く着させていただきます」
銀次「準備出来たかー?」
 栞「はい!着物着たの中2ぶりで着付けの仕方これで合ってますかね?」
 銀次「良く似合ってるぞ。ちょっと丈が長いけど気にするな」
 (似合ってるって言われるとなんか照れるな)
 銀次「それじゃあ、行こう」
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