テラーノベル
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夜の高速道路。
一定のスピードで走る車。
運転席には
阿部亮平。
助手席には
向井康二。
カーナビは入れているけれど、音声はオフ。
道は把握している。
距離も、時間も、全部。
💚「今日は静かだね」
阿部が穏やかに言う。
康二は窓の外を見たまま。
🧡「……うん」
車内は、やけに落ち着いている。
💚「また喧嘩?」
問い方は柔らかい。
責める響きは一切ない。
🧡「まぁ…ちょっとな」
康二は笑うけれど、元気はない。
💚「…康二と彼には幸せになってほしいな」
感情を表に出さない。
整理して、言葉を選ぶ。
💚「彼のこと、好きなんだよね?」
確認するように。
康二は小さく頷く。
その仕草に、胸がきしむ。
――幸せになってほしいなんて、嘘だよ。
💚「話ならいくらでも聞くから」
阿部は視線を前に向けたまま言う。
🧡「重い話ばっか聞かされて疲れへん?」
康二が少し冗談めかして言う。
💚「康二のためなら全然」
本音だ。
どんな話でも。
どんな惚気でも。
どんな愚痴でも。
全部受け止める。
そしてーー
感情は、内側にしまう。
康二はぽつりぽつりと話す。
帰りが遅いこと。
連絡が減ったこと。
自分はやっぱ重いのかもしれないこと。
阿部は的確に答える。
💚「寂しいときは寂しいって言っていい」
💚「不安は共有しないと伝わらない」
💚「康二は重くない」
感情に溺れない言葉を並べる。
でも心の中では、全然冷静じゃない。
相変わらず車内の中の君はすごく静かだ。
ただ、窓の外を見ている。
その横顔に、阿部は気づく。
本当は。
この静かな時間が、いちばん苦しい。
💚「……もうすぐ着くから」
🧡「なんか…あっという間やな」
小さな笑い。
マンション前に着く。
🧡「ありがとう、阿部ちゃん」
康二が車から降りようとする。
その瞬間…
阿部は、そっと手首を掴んだ。
🧡「……阿部ちゃん?」
💚「……」
さっきまであんなにアドバイスしたのに…
言葉が出てこない…
反対の手で康二の頭を優しく撫でた。
💚「なんでもない…おやすみ」
いつもの笑顔で。
🧡「うん!おやすみ」
そっと手が離れる。
歩いていく背中を、冷静に見送る。
見えなくなってから、深く息を吐く。
💚「……早く別れなよ」
小さく呟く。
俺と幸せになってほしいなんて。
言えない。
君の未来に、自分がいないのが辛い。
でも。
それでも今日も、彼の話を聞く。
知っている。
一番近い“理解者”でいることが、
一番遠いポジションだと。
夜は静かに流れていく。
感情は、きれいに折り畳まれたまま。
つづく。Next🧡💙
コメント
2件
くッッ…こうじぃッッッッッ😭 ぐあ゛〜ッ…これは、ある意味しぬ😭 こ〜じぃ〜😭😭 次も楽しみに待ってます😢 こぉ〜じぃぃッッ、…😤