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もう一週間以上、歩くんを見かけていない。
心配で潤に聞いてみたら、風邪を引いているって言っていたけれど……。あんまり口出ししちゃいけないような雰囲気だった。
メッセージを送っても返事が来ないし、相当辛いのかもしれない。最後に歩くんと会った日も元気なかったし……。
それともう一つ。
「あ、先輩! 今帰りですか?」
教室を出たところでののみちゃんに声をかけられた。
最近ののみちゃんは私のクラスにもよく遊びに来てくれて、話をすることが多い。
「ううん、ちょっと家庭科室に」
ののみちゃんはきょとんとした様子で首を傾げた。
「家庭科室ですか?」
「……うん。潤たちがいるんだ」
少し言うか迷ったけれど、特に内緒にしてるわけじゃないから言ってもいいかと思い、よく集まっていることを伝える。
「それって私もお邪魔しちゃダメですか?」
「へ?」
「もっと先輩とお話ししたくて……」
頬を赤らめながら不安そうな瞳で見上げてくるののみちゃんはとっても可愛らしい。どうして私にこんなに懐いてくれているんだろう。
「ダメ、ですか?」
「えっと、いいよ。一緒に行こう」
「ありがとうございます!」
わずかに心に引っかかりを感じながら、嬉しそうに微笑むののみちゃんと一緒に私は家庭科室へと向かった。
#ファンタジー
#ざまあ
設楽理沙