「ふむふむ……(真相が分かってきた…)」
ネットで検索していると、夏猫はあまり良くないと言われている理由、その真相が分かってきた。
まず一つ目に、体調を崩しやすいという点があった。
夏猫は、冬などの寒い季節になると、夏との温度差に体調を崩しやすいのだと言う。
確かに、夏と冬では温度差がとても激しい。
――でも、夏に産まれたから って、冬になると体調を崩すのかな…?
それはおかしい気がする。
「ん…?(あれ?さっきの記事と内容が違う…)」
私は、今見ていた記事だけでは無くて、別の記事も見てみることにした。
するとなんと!さっきの記事と書かれている内容が違うではないか。
この記事には、さっきの記事と違い「それは個体によるもの。獣医学で聞いたことが無い。」と記載されていた。
たぶん、こっちの記事が正しいんじゃ無いかな。
実際、たまたまじゃないかと書かれてるし…
――だとしたら、夏猫 という理由で捨てられたのでは無さそうだ。
夏猫は夏猫でも、ただただ体が弱い猫だった というだけかも知れない。
それなら… いや夏猫だとしても、飼い主がきちんと面倒を見れば良いだけの話。
それが出来ずに、もう飼えない!と言われて捨てられた猫なのかな……
―――そうなら、お母さんは間違った判断をしていたんだ。
お母さんに伝えなきゃ…!
「お母さんっ!夏猫は体が弱い って説、嘘みたいだよっ!」
「え?」
お母さんは少し驚いた顔をして、私の問いかけてきた。
「なんで?」
「獣医学ではそんな事聞いたこともないし、それはたぶん個体によるものだ って書かれてたもん!」
「へぇ…… じゃあ、この猫は単に体が弱い猫 ってことなのかしらね?」
「そうじゃないかなぁ… 捨てられた理由も、看病しきれなかったっていう事かもよ?」
「それは辛いわね…」
猫を飼うなら、飼い主がもっと責任を持つべきだ。
やむを得ない理由でもあったんだろうか? それでも、捨てられる猫の気持ちを考えて欲しいものだ。
そして、周りに迷惑がかかることも……
「まぁ、理由が分かったんだしさ!これから私達が大切に育んでいけば良いじゃん!」
「!」
「その通りね!猫たちのためにも、精一杯育てていきましょう。」
「うん……!」
確かに亜梨沙の言う通りだ。
前の飼い主のためにも、猫たちのためにも!幸せな環境を作るために、私達が努力すれば良い。
私達が『猫を拾った』という事は、これから飼っていく責任があるという事。
その義務を果たすために、これから最高な思い出を作っていきたいな…!
何も会話を交わしていないけど、みんな同じことを思っているはず。
私達は、猫たちを幸せにする!! と深く心に決めたのだった。
――夕食時
「ご飯出来たわよー!」
「……すぐ行くーー!」
お母さんのその声で、私は作業をストップした。
猫に関する本を読んでいたんだ。
少しでも夏猫について知っておきたくて、かたっぱしから猫の本を読みまくっていた。
いっとき猫にハマった時があって、その時に買った本が残っていたんだ。
それは結構最近の本で、夏猫についての記載もあった。
暑さが肌を包み込む中、ひたすら文字を追っていた。
そこには、夏猫の育て方やするべき事が詳しく書かれていて、これからの猫の成長のために必要な内容が溢れていた。
それに没頭していると、1時間が15分に感じる程だった。
――そろそろリビングに行こうと動き始めた時、妹が私を呼び止めてきた。
「ねー、お姉ちゃん何してたの?さっきからすごい静かだけど…」
「あぁ、猫の本読んでた。」
「え、猫の本!?私も読んでたんだけど!!」
「えぇ!?亜梨沙も!?」
そう、二人して猫の本を読んでいたんだ。
私も妹も、猫に対する思いは人一倍なのだ。
――妹の机をチラッと見てみると、読み応えのありそうなサイズ感の本が3冊積み重なっていた。
そんな本があったなんて知らなかった。
その本にはシオリがはさまれていて、半分以上読んでいることが分かった。
「亜梨沙、めっちゃ本読んでるじゃん!」
「へへ、ハマっちゃってさ〜。」
「凄いねーー!!」
「爽ともく のためなら何でもするもんっ!」
「!」
爽ともく のためなら………!!
私も、出来ることをやっていかなきゃ!
「私だって負けないぞ〜〜!」
「勝負じゃないんだからw でも、楽しませられるように頑張ろう!」
「うんっ!!」
また そんな子供っぽい会話をしていると、1階から声が聞こえてきた。
「あんた達、何してるのよ?早く来なさい!ご飯が冷めるじゃないの!!」
「ごめんなさーい!今行くから!」
「本っ当に……」
猫の事を考えてると、日常のことも忘れちゃう。
猫の力は半端ないと感じた。
――ご飯が食べ終わって
「あ、爽ともく!ご飯食べ終わった??」
「にゃお〜ん!」
「食べ終わったみたい!」
最近、私や亜梨沙が話しかけると、愛らしい声で答えを返してくれるようになっていた。
もはや会話みたいだ。
「まぁ、賢いのね!」
お母さんは その様子を、目をまん丸にして見つめていた。
「もうそんな仲になったなんて…… 風鈴、凄いわね。」
「いや、爽ともくが凄いんだよ!!」
「確かにそうね〜。」
だけど、私はまだ満足していなかった。
これでも十分凄いし、猫なのに賢いな とは思うけど、もっと経験をしてほしいと思っていた。
例えば、森とか林とかに行って、壮大な自然を生で感じて欲しい。
自然とは比べようのない、小さな家で飼われている猫なんだから、自然を体験したことなんて無いだろう。
だから、その凄さを経験してほしかったんだ。
少しでも特別な瞬間を味わって欲しい! そう感じ始めていた。
いつか、絶対『楽しい!』と思える事をさせてあげたい。
いつの日か……!!
私は二匹を撫でてから、また部屋に戻り、本の続きを読むことにした。