この作品はいかがでしたか?
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???side
「お前なにおろおろしとんねん」
「いや…妹が心配なんや…」
「あのゾムさんに妹?!」
「チーノお前俺のことどう思ってるんや」
「人見知りえr小僧」
「殺.すぞ」
あまり使われていない第3倉庫では十二人ほどの男子グループが何やら雑談を繰り返していた。
「いやでも心配やなぁ…女子寮に顔出してみるか」
「キャー、えr小僧よー」
「殺.すぞお前」
「でもホンマに女子寮行くのやめぇや」
「もっとJKの気持ちわかれめぅ」
下品な言葉や暴言罵声(ぼうげんばせい)が飛び交う第3倉庫。
「それより今日も認知されなかったゾ。生徒会長は丸め込めそうやけど風紀委員が邪魔だゾ」
「そりゃこんな革命委員会なんて認めれるわけないやろがボケ」
「そろそろ校長に抹消(まっしょう)されるぞ」
「いやこちらには兄さん先生がついているからな!多分兄さん先生がなんとかしてくれるんダゾ!」
「兄さん過労死するわ」
この十二人の男子グループは革命委員会と名乗り、風紀を正す風紀委員と敵対している。活動内容は至ってシンプル、内ゲバ、つまり身内同士で戯れ合いと言うなの殺し合いを楽しむ委員会。最近では学校にも被害が及び、風紀委員から指摘されている。ちなみに、この委員会は非委員会で生徒会長からは委員会として認められていない。
故に活動場所なんて与えてもらっていない。
なのでこんな倉庫で活動をしている。
「ちらっと見に行くだけやから大丈夫やろ」
「マジで捕まるで、風紀委員とかに」
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菜乃葉side
夜。
燃える太陽が湖に沈み、火は消え、黄金の溶けそうな欠けた月が湖にボヤケて映る。
自作のミルクティーを飲んで体をぽかぽかと芯から温め、瞼(まぶた)が次第に重くなってきた。寝ようかと部屋の外にあるベランダに用意した簡単なイスを片付け、ベランダからでようとすると、一人の女の子がこちらを見ていることに気づいた。
同じ部屋の子で、伏せ目気味のブルーグリーンの瞳はこちら…ではなく黒く濁った夜空を照らすザラメの星を見つめていて、ときどきこちらをチラッと見る。
その時、目があった。
すぐにサッ、と目をそらしてしまったが、銀や金の光を放つ星への視線は途切れていない。
菜乃葉
「……ね、君」
声をかけるとわかりやすくビクッと肩が揺れる。
遠慮(えんりょ)がちに開いたその瞳は星ではなく、私をブルーグリーンのキャンバスに映していた。
菜乃葉
「星、好き?見る?そこ、見にくそうだし」
簡単に要件を伝えると、おずおずとベランダと部屋を繋ぐ窓をスライドして開け、こちらにやってくる。
水色のさらさらな髪が風に煽られ、揺れた。
菜乃葉
「私、菜乃葉。君は」
「………み、みず…な」
菜乃葉
「…そ」
また無言の時間がやってきて、聞こえるのは髪が風に煽られ、肩と擦り合う音。
菜乃葉はそもそも喋るのをあまり得意としてないので、この無言の時間が苦ではなかったし、瑞夏(みずな)と名乗った少女も、人との交友を苦手としていたので、この無言の時間は二人にとっては休息をもらったような時だった。
何十分も時が経ち、時が進むにつれ、赤や青の光を放つ星が点々と浮き出て、黒い染め上がった空を明るくした。
菜乃葉
「…そろそろ寝よう。明日入学式」
目の前の少女はコクリと頷いて、私がベランダからマグカップをもってでた後に着いてきた。
マグカップをキッチンに行って洗おうとしたときも背中に一定の距離を保って着いてきた。
こう見ると親を失った雛鳥(ひなどり)みたいで可愛いな、と思う。
部屋にまた戻り、二段ベッドの上のベッドで横になる。
二段ベッドの下の瑞夏はさっきチラッと見たけど、持ってきたと思われる灰色の瑞夏並に大きいサメのぬいぐるみを抱きしめて寝ていた。
幼女みたいな行動をする瑞夏がなんか可愛い。
明日は入学式、遅れたら除籍処分(じょせきしょぶん)もありえる。そのためにはしっかり寝て、体力を備えなければ。
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瑞夏(みずな)
女の子
人見知りで静かな女の子
猫とサメと甘い物、星や月が好き
辛味と苦味、虫やお化けが嫌い
所持魔法…水魔法、氷魔法(水魔法の詳細は前のページに追加しておきます)
コメント
9件
最近キャラちゃんの作品がめっっっっちゃ人気出てきて 自分のことのように嬉しいんだが⁉︎(*^o^*)
僕が出たぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあ! 可愛いってwまじかよw 最高じゃないですか!!! 神ですねはい、