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朝起きてまずやったのは、持っていく荷物の確認だ。
元々俺は、家具と什器以外の一切を魔法収納に入れている。
だから持っていくものを選んで詰めるなんて必要はない。
それでも一応、魔法収納の中を確認する。
まずは装備類。俺のものとミーニャさんの予備装備が、問題なく魔法収納に入っていること。
次は、食事の際に出すおまけのおかず類。
これはミーニャさんがいる2泊3日に耐えられるくらいの質と量を用意したつもりだ。
刺身、煮付け、フライ、焼いた一夜干し等、1泊目の昼食から3泊目の昼食までの7食分。
おにぎり、サンドイッチ等の間食5回分。
少なくとも俺の常識では、これがすべて無くなる事はありえないと思う量だ。
ただしミーニャさんの食欲と胃袋容量は毎回、俺の常識の斜め上。
だから余ったら我が家の常備菜に、なんて甘い期待はしていない。
他に必要なものは、冒険者ギルドで積み込む予定だ。
という事で、身支度を整えて、冒険者ギルドへ向かう。
途中、ミーニャさんの家の方を見てみたが、魔力の反応はない。
どうやら先に出ているようだ。
冒険者ギルド職員だから、向こうで荷物の準備をしているのかもしれない。
朝6時55分に冒険者ギルドの前に到着。
中には既にミーニャさんとジョンの魔力反応がある。
クリスタさんは魔力を隠蔽可能だ。
だから魔力反応がなくても、いないとは判断できない。
いつものように受付を通り、ジョンやミーニャさんの反応がある面談室へ。
7号室の扉へ向かおうとした時点で、扉が開いた。
「おはようございます。それではまず、装備の積み込みをお願いします。こちらです」
「おはようございます。わかりました」
3人とも既に冒険者スタイルだ。
ミーニャさんとジョンは、それぞれの鎧を着装している。
クリスタさんは今日はエルフで、フードを着用した状態だ。
なお俺は普段着のままだ。
どうせ高速移動魔法を使うのだから、到着するまでは身軽な方がいい。
そのまま4人で、冒険者ギルド裏側の倉庫へ。
倉庫内に、木製の箱のような構造物が置かれていた。
間口1.8m、高さも1.8m、奥行きは6mくらいで、こちら側と反対側に扉がある。
「これは重野営セットです。本来持ち出す際は折り畳んだ状態にするのですが、エイダンさんなら魔法収納でそのまま持っていけるでしょうから、組み立てておきました。重野営セットについてはご存じでしょうか」
これについては答えても問題ないだろう。
「ええ、ミーニャさんに聞きました」
「なら大丈夫ですね。今回は4人パーティという事で、内装も4人用にしてあります。また食材や魔物・魔獣を防ぐ結界柱、さらにジョンさんの装備もこの中に入れておきました。ですから、これを収納すれば準備は完了です」
それは楽でいい。
「わかりました。準備ありがとうございます」
収納した方が中の確認がしやすい。
なのでそのまま魔法収納へ。
箱の中は、二段ベッド2つがある寝室スペースと、テーブルと椅子があるリビングスペースに分かれている。
ベッドにはカーテンがついており、ある程度のプライバシーは守れるようになっている。
寝室部分とリビングスペースも、カーテンで仕切れるようだ。
さらにベッドルーム同士もカーテンで仕切れるようになっている。
男性と女性で分かれて着替える、なんて事も問題ないだろう。
これを使えば野営は、天幕と寝袋という装備よりずっと楽だろう。
いずれ釣り用に、個人用を作りたいところだ。
結界柱は長さ30cm、縦横5cmくらいの銀の直方体に、木製の足をつけたもの。
4本あるのは、野営セットを取り囲めるようにだろう。
これだけの銀を購入すると、結構かかりそうだ。
銀以外の金属では駄目なのか、少量の銀では駄目なのか、実際に作って確かめてみよう。
もちろん依頼の後で、だけれども。
食料はパンと出来合いの惣菜が7食分と、間食用らしいサンドイッチ等の軽食が6食分。
すべて調理済みなのは、俺の魔法収納が時間停止タイプだとわかっているからだろう。
そして食事には、不測の事態が起きた際の予備日程分が含まれていない。
これはクリスタさんの、実力に裏付けられた自信なのだろうか。
さらに食事の分量を確認すると、1食あたり通常の6人分程度。
4人ではなく6人分というところは、冒険者だからそれなりに食べるという事を意識した結果だろう。
しかしミーニャさんがいるなら、これでは足りない気がする。
なおかつ用意されているのは肉と野菜中心の普通のメニューだ。
初心者講習生用と比べるとずっと上の内容だが、ミーニャさんの魚欲は満たせない。
クリスタさんとミーニャさんは、最低でも3回は同一パーティで行動したと聞いている。
それでもきっとこれで足りる――クリスタさんはそう判断したようだ。
なるほど、確かにこれならミーニャさんは追加のおかずが欲しくなるだろうな、と思う。
まあ俺が十分に用意したから問題はないだろうけれど。
ジョンの槍と弓もある事を確認した。
現地でどちらかを装備するつもりなのだろう。
なおミーニャさんは、既に籠手をはめている。
彼女にとっては、それでも不自由は感じないという事か。
「収納した装備を確認しました。結界柱を含めた重野営セット、食料が朝昼晩を7食分と補食6食分、ジョンの槍と弓。
そして俺が矢を合計300本、ミーニャさんと俺、それぞれの個人装備、予備の食事を持ってきています。これでいいでしょうか」
クリスタさんは頷いた。
「ええ。依頼書やそれ以外の共同装備は私が持っています。またマッピングは、私が専用機器と魔法を併用して行う予定です。
それでは行きましょうか。ミーニャとジョンさんについては、ドーソン南門を出たところで収納をお願いします。そこからは高速移動で現場に向かいますから」
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