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天樹
298
過激派の男たちに攫われて、縛り上げられて犯されて指の骨を尽く圧し折られた茉白はしばらく意識を取り戻さなかった。
茉白と一緒に居て集団リンチに遭った1階の執事達は眠り続ける茉白を見てどうして守り切れなかったのだろうと涙を流した。自分たちがもっと早く危険に気づけていたら、もっとうまく立ち回っていたら、身代わりに自分が攫われれば、こんなことにはなっていなかったはずなのに。他の階の執事達も口に出さないだけで1階の執事達がもっとしっかりしていれば茉白があんな目に遭うことはなかったのではないかと思っている。しかし、誰が守っていても集団でかかってこられたら茉白を守れたわけではないことも、あの集団の狙いが茉白だったことも、ラトの聴力がなければ茉白を助けにも行けなかったことも、全て分かっていて皆が口を閉ざしていた。1階の執事達と茉白に運がなかっただけだ。それか危険があると分かっていながら分散することを提案した室長達にも責任がある。執事達は誰も責めたりせずにただ茉白が目を覚ますのを待った。手当てを終えて眠り続ける茉白にしてあげられることはそのくらいしかなかったからだ。
数日が経ち、茉白はぼんやりと意識を取り戻した。しかし、骨折したことによる熱と痛み止めの副作用で眠くなってしまってまたうとうとと眠りに就いた。それを何度か繰り返し、痛み止めを点滴で入れられているときにふっと目を覚ました。
『…ルカス、さん…?』
点滴を変えてくれていた特徴的な髪のルカスを見て茉白はようやく屋敷に戻ってきたのだと認識した。それまで自分がどこにいるのか、どんな状況なのか、そんなことを考える余裕もなく眠っていたことに気づく。
「!主様、お目覚めですか!よかった、このまま目を覚まされないかと思いましたよ?」
『ごめんなさい…えっと…何があったんでしたっけ…』
事件のショックで一部の記憶が抜けているらしい。でもこれなら好都合。茉白に嫌な記憶を植え付けることなく治療に専念させられる。
「主様、無理に思い出す必要はありません。どうかこのまま治療に専念しましょう」
『…わかりました…』
茉白は手足に巻かれた包帯を不思議に思ったが、鈍い痛みと鋭い痛みを繰り返す手先と足先に何かを思い出しそうになる。でもそれは思い出してはいけない気がして、ルカスの言う通りに治療に専念するべきだと思い直す。きっと執事達は茉白の悪いようにはしないだろう。そのくらい茉白は執事達のことを信頼していた。
「主様、せめて食事くらい美味いもの食ってください」
「その手では食べられないだろうから口まで運ぶ」
まだ包帯まみれで肌に痛々しい傷跡が残っているロノとバスティンが食事を運んできてくれた。2人ともまだ動くと痛いだろうに茉白のための食事の手は抜きたくないとルカスに無理を言って食事の支度をしてきてくれたのだと分かった。
『ロノさん、バスティンさん…その怪我って…』
「主様には関係ないことだ。俺達の不手際でこうなったんだ。主様が気にすることはない」
「そうですよ!主様が一番重症なんですから、しっかり食べて体力つけてください!」
誰もどうしてこんな怪我を茉白も執事達も負っているのか教えてくれない。茉白は欠けた記憶が一体どんなものだったのだろうかと考えながらアツアツのスープを冷まして食べさせてくれるバスティンと焼きたてのパンを千切って食べさせてくれるロノに差し出されるがまま口に入れていった。
「食欲が思ったよりあってよかったです!明日からは消化にいいけどカロリーが高めの料理にしますね!」
「主様、もし困ったことがあったり誰かと話がしたいと思ったりしたら遠慮なくベルを鳴らしてくれ。皆主様のことを心配して仕事が手につかないようだから必ず誰かが来るはずだ」
『ありがとうございます。この手じゃ飲み食いできないですし、足も…歩けるかわからないですし…ベルに頼ることになりそうです』
茉白が自嘲するようにそう言うと、バスティンとロノは苦虫を嚙み潰したような顔をして食器を下げに行った。
それにしてもどうして茉白は手足が不自由になるほどの怪我を負ったのだろうか?それにロノとバスティンをあそこまで痛めつけた連中がいることも怖い。しばらく外出はできないだろうが外出するときは気を付けないといけないな、と茉白は包帯でぐるぐるに巻かれた手足を見て思った。
茉白の手足の指の骨折も順調に治っているし、あの事件のことは思い出せないようだとルカスが嬉しそうに語った。それを聞いた執事達は喜んで茉白がこのまま回復してくれることを祈った。
しかし、そんなに現実は甘くなかった。茉白はそれから毎晩のように縛り上げられて抵抗もできないまま知らない男たちに犯される夢を見るようになった。男達は茉白の反応が薄くなると手足の爪を剝がしてきて茉白は悲鳴を上げる。それでも犯すのは止めてもらえず、爪が全て無くなると指の骨を圧し折ってきた。ぽきんと骨の折れる音が響いて茉白は激痛で泣きながら許しを請う。それでも男たちは入れ代わり立ち代わり茉白を犯して反応が薄くなるたびに一本ずつ手足の指を折っていった。
もうほとんどの指が圧し折られて最後の一本を折ったら次はどこを痛めつけようかと嗤う男たちに茉白は必死で謝り続けた。もう許してください、これ以上はもう無理です。そう言うのに男達はにやにやといやらしい笑みを浮かべてナイフを取り出す。
「じゃあ今度は指落としていくか。それでダメなら刺すしかないよなぁ?」
茉白は泣きながら必死でそれだけは止めてくれと訴える。何でもするからもう許してと泣き叫ぶ。しかし、男達は茉白が絶望すればするだけ楽しそうに嗤う。
『やだぁっ!!誰か助けてっ!!』
そう泣き叫ぶ茉白の指にナイフが当てられた瞬間、どこからか主様!と茉白を呼ぶ声が聞こえた。いつの間にか血が流れだし腫れあがった指の痛みも消えて体が自由に動くようになる。あぁ、夢を見ていたんだ。だんだん浮上していく意識の中で茉白は安心する。もうこれ以上酷いことされなくていいんだよね?必死で茉白に呼び掛けてくれる声を聞きながら閉じていた眼を開く。無意識に泣いていたらしく視界が滲んで起こしに来てくれたバスティンの顔がぼやけてしまう。
「主様…夢を見ていたんだな?怖かっただろう…もう怖いことはないからな」
バスティンはそう言って涙を流し続ける茉白を抱きしめた。これが現実。さっきのは夢。そう思ってしまえれば楽だったのかもしれない。でもこんなにリアルな夢なんて見たことがない。爪を剥がされて指を折られた感触が手足に残っている。治りかけでまだじくじくと痛む傷口が夢が夢でないことを物語るようだった。
茉白はバスティンに縋り付きながら震える声で問いかける。
『私…大人数の男の人たちに輪姦されて、爪を剥がされて、指の骨を折られたんですか?』
バスティンはしばらく悩んでいたが嘘をつくのは性に合わない。夢でフラッシュバックしてしまったとなればもう隠し通すのも難しいだろう。
「そうだ。俺たちが守れなかったせいで主様は汚らわしい男たちに体中犯されて、爪を剥がされて指も折られていた。守れなくてすまなかった。謝って済む話じゃないことは分かっている。でも少しでも主様が楽になれる方法を模索する。ルカスさんやミヤジさんにも協力してもらおう。だから何も心配することはないし、外に出るのが怖くなってしまったのなら無理に連れ出したりしない。ただ、主様が望むように事を進める。何かしてほしいことはあるか?今持っているのは木彫りの猫の置物しかないんだが…」
バスティンは一度茉白から離れて茉白の手の上に木彫りの猫を置いた。ムーをイメージして作られたのであろう丸っこさと毛の流れがとてもリアルで可愛らしかった。
誰とも分からない男達に犯されて汚れてしまった体には不釣り合いに感じて、茉白はすぐにベッドサイドのテーブルに置物を置いた。こんな素敵で可愛らしい木彫りの人形なんて暗くて汚い世界に生きている茉白には眩しすぎた。こんな汚れてしまった身体で主様を務めて良いのだろうか?もっと主様にふさわしい人は沢山居るだろうに、自分の身も自分で守れなくて男たちに汚されてしまった。こんな主で申し訳ない。茉白はまたじわりと滲んできた涙をぽたぽたとシーツに落とす。
『ごめんなさいっ…私がもっと頭がよくて可愛げもあって清らかな存在だったら良かったのに…私はもう汚れてしまいました。いえ、最初から汚れていました…私は主様に相応しくありません。もっと賢くて強くて愛される主様にこの指輪をお渡ししてください。私はもうここには来ませんから…』
そして指輪を外すために手の包帯を外し始めた茉白の手に一回り大きく剣ダコだらけの手が覆いかぶさった。
「主様。俺は主様が…茉白様だから守りたいと思ったんだ。他の主様なんて考えられない。だから俺達を見捨てないでくれ…」
バスティンは今にも泣きだしそうな表情で茉白の手を止める。見捨てるつもりなどなくて、逆に見捨てられると思っていた茉白は不思議そうにバスティンを見つめる。
『私のこと嫌じゃないんですか?自分の身も守れなくて、役立たずだし、頭もよくないし、可愛くもないし、汚いのに?』
バスティンは茉白の手を痛いほど握りしめて口を開いた。
「主様は役立たずじゃないし、抜けているところも可愛らしいと思う。容姿は好みの問題もあるだろうが俺は好きだ。主様が汚れてしまったのは俺たちのせいだ。だから責任は取るつもりだ。安心してこの屋敷に留まってほしい。…いや、留まらざるを得なくなるのほうが正しいか。もう夢も見ないくらいぐっすり眠ってもらうから夢のことは忘れてくれ」
いったいどうやって責任を取るというのだろうか?そして屋敷に留まらざるを得なくなるってどういうことなのだろう?茉白がそんな疑問を口に出す前にバスティンは茉白の口を自分の口で塞いだ。初めてのキスに驚いて口を開けると、バスティンの舌が茉白の口の中に入ってくる。茉白の舌より大きく分厚い舌は茉白の口内を隅々まで舐め上げて上顎を擽る。
「喉奥まで犯されたんだろう?全部上書きして綺麗にするから安心してほしい」
唾液を流し込みながらバスティンはそう言って茉白の寝間着の裾を捲る。太腿を撫で回されてバスティンが本気で上書きをしようとしていると悟って茉白はバスティンの胸をまだ痛い手で押して体から引き剝がす。
『だめです、そんなの…上書きしたからって消えるものじゃ…』
「そうなのか…でもそうか、完璧に上書きするなら準備が必要だな」
バスティンはそう呟いて茉白から離れて部屋を出て行った。
とりあえず無理矢理犯されることはないと安心して茉白は涙を拭ってベッドに寝転んだ。
ふかふかで温かいこのベッドとお別れして味方も居なくて誰からも愛されず居場所もない現実世界に帰らなくていいんだ。そう思うと茉白は幸せな気持ちになった。家にも帰れず学校にも行けないから現実世界に戻っても生きる方法など無いに等しかった。だから今まで通りこの屋敷に居ていいと言ってもらえるだけで茉白は安心した。
耳が痛くなるほどの静寂の中、また悪夢を見ないとは言えないがそれでも温かいベッドで眠れて、毎日温かくて美味しい食事を食べられて、もう危険な任務に行くことも無いだろう。茉白は今のままで十分幸せなんだからバスティンは気にしすぎだなぁとぼんやり考えていた。もちろん爪を剥がされて指を折られた痛みはまだ残っているが、それでも茉白はこの生活に満足していた。
ベッドのぬくもりにうとうとしていると、バスティンが桶とやかんとオリーブオイルの瓶を持って部屋に戻ってきた。この時点で逃げ出せばよかったのに、茉白の寝ぼけた頭では何に使うつもりで持ってきたのか分からずにバスティンが茉白の被っている布団を剥がして寝間着を脱がしていくのをぼんやりと見ていた。茉白の白くて温かい肌が夜中の空気に晒されて肌寒さを感じる。脱がされて寒気を覚えてからようやく茉白はバスティンが本気で茉白への上書きをしようとしていることに気づいて逃げようとした。
「主様、もう二度と悪夢を見ないくらい俺のことを刻み込みたい。夢の中でも俺が相手なら怖くないだろう?最悪な目に遭わせてしまった責任はきっちり取りたいんだ」
バスティンはそう言いながら茉白の足を開かせて体をねじ込んでくる。抵抗する茉白の手をネクタイで簡単に縛り上げてバスティンは茉白の耳元に囁く。
「主様にこれ以上傷ついてほしくないんだ。上書きするしか方法は無いだろう?そうしないと主様は毎日知らない男達に犯される夢を見るだろう。俺はそんなの耐えられない。俺達のせいで苦しむ主様を見たくないんだ。記憶は消せなくても毎日気絶するまで抱き続ければ夢も見ないだろう?」
責任を感じていることは分かったが、その償う方法が間違っていると言いたかった。
しかし、バスティンは本気でこの方法が最適解だと思っているから茉白の訴えなど聞いてはくれない。これでは無理矢理犯してきた男達や父親と同じなのに、それに気付かないほど茉白を守れなかったという現実に傷ついているのだろう。茉白は抵抗したところでバスティンを傷つけるだけだと思って抵抗を諦めた。大丈夫、数時間我慢すれば終わることだから。
茉白はそう自分に言い聞かせて秘部を弄り始めたバスティンに身を任せた。
バスティンは秘裂に指を入れてぐちぐちと弄る。日常的に父親から犯されていた身体は簡単に濡れて雄を迎え入れる準備を始めて、とろりと愛液を吐き出す。その滑りを借りてバスティンの指が膣内に入ってくる。碌に慣らされずに挿れられることばかりだったので愛撫された経験など無くて、茉白は指が気持ちいいところを探して動き回る感覚に違和感を覚えてしまう。
『あの…もう挿れて大丈夫ですよ?そんなに気を遣わなくても…』
茉白がそう言うとバスティンは何故か悲しそうな顔をして、空いている手で茉白の顎を掴むと乱暴に口づける。また舌と舌が絡み合うディープキスをされて、茉白は混乱する。今まで茉白を抱いてきた男達は己の快楽しか考えずに茉白の苦痛など知ったこっちゃないという様子だった。それなのにバスティンは茉白の快楽を引き出して苦痛を最低限に抑えようとしているようだった。自分なんかにそこまでしてもらう価値があるのかと茉白は考えてしまうが、それもバスティンがGスポットを抉ったことで思考が止まってしまう。ビクンと身体が跳ねて感じていることが丸分かりだ。茉白は恥ずかしそうにネクタイで縛られた手で口を押さえて声を必死で我慢した。
「ここがいいのか?…どうして声を我慢するんだ。主様の声を聞かせてほしい」
バスティンは茉白の気持ちいいところを責めながら茉白の手を擽る。茉白はビクビクと身体を跳ねさせながら震える声で答える。
『私…喘ぎ声が、うるさいって…気持ち悪いって…言われて…』
「誰に言われた?」
『お父さんに…』
バスティンはその瞬間目の色が変わるほど静かに怒りを爆発させた。
「主様、そんなクズのことは忘れてくれ。俺はどんな主様でも愛すし、声が気持ち悪いだなんて思わない。だから体を重ねている間だけでも現実を忘れてほしい。ただ気持ちよくなってゆっくり眠れるようになってくれ」
バスティンは膣から指を抜いて愛液が垂れてぬらぬらと光っている後ろの穴にも指を入れる。この間襲われたときに初めて犯されたのにもかかわらず、後ろの穴もまるで性器のように指を歓迎して締め付ける。それだけ長時間、何人もの男を受け入れさせられたという事実はバスティンの怒りと胸の痛みを増幅させた。せめてあの男達よりも気持ちよくして、もう乱暴に抱かれても仕方がないと凍らせた心を溶かしたい。そう願いながら茉白の腰の下に枕を入れて腰を上げさせ後ろの穴にオリーブオイルを流し込む。ひんやりとしたオイルが町内に入れられる感覚に茉白は震えながら、バスティンが本気で茉白の過去に犯された分全ての上書をするつもりなんだと悟って、これから一体何時間抱かれ続けるのだろうかとカーテンの隙間から見える星空を眺める。
「挿れるぞ」
その言葉とともに膣内に押し入ってきた熱に火傷をしそうだと思いながら目の前に散る星々をぼんやり眺めて早くこの地獄が終わることを願って目を閉じた。