チュンチュン・・・
鳥の声で目が覚める。すまない先生こと、アクアはふわぁと欠伸をこぼした。
(・・・不思議、違う世界なのに、“懐かしく”感じるんだよね・・・)
ぼんやりと外を眺めていた。ふと、近くに服が置かれていた為、恐らくこっちの世界のすまない先生が替えの服を置いてくれてたのだろう。
アクアはもそもそと着替え始める。すると、
「おはよーございまーすって、今日は早めに着いちゃったな・・・」
「あ」
「あ」
銀さんが笑顔でいつも通り教室のドアを開けた。
だが、教室にはまだ寝ているアートルム達と、上だけ脱いでいるアクアの姿が。
「すっ!!!すみません!!!!」
「あ、いいよいいよー気にしないで〜?」
アクアはケロッとしているが、銀さんは思わず目を隠した。
すまない先生と同じ顔なのだが、髪の毛がすまない先生よりも長く、美しいのも相まって、女性と勘違いしてしまうほどだった。(すまない先生自体もかなり顔が整ってるが)
「と、とりあえず!!服着てください!!」
「はーい」
と、アクアはもそもそ服を着替えた。
✵✵✵✵✵
アクアはすまない先生のお手伝い、ほかのみんなは、ほかの生徒達の手伝いなどをすることとなった。ふと、すまない先生がこぼした。
「そういえば、君のいる場所はどんなところ?」
すると、アクアはうーんと唸る。その際、三つ編みされた1部だけ水色の髪がゆらりと揺れた。
「・・・ビルが沢山あって、ビルの間から見える空はとても狭かった。・・・ここは、空がよく見えるなぁって思ったかな」
そうアクアはこぼす。何故か、アクアの瞳が深く、遠い視線を向いていることにすまない先生は首を傾げた。
「・・・僕、空を見るのが好きなんだよね。真っ青な空。どうしてか、凄く安心して、落ち着くの。・・・初めてレッドとブルー・・・じゃなくて、ルブルスとレウムと会った時に見たのが、空だったな」
「・・・初めてあった?」
すまない先生の疑問に、アクアは答えた。
「僕ね、ずっと地下に居たんだ。ずっとひとりで、ずっと白い部屋で、それで、ある日2人と出会って、外に連れ出してくれた時、“空”を見たんだ」
と、アクアは思い出した。
✵✵✵✵✵
レッドとブルーの手を借りながら、すまない先生は外へと出た。
──空は快晴で、雲ひとつない空だった。
『・・・すまない先生?』
ふと、ブルーの疑問そうな声にすまない先生は首を傾げたが、やがて、気がついた。
──自分は、泣いていたのだ。
どうしてか、空を見た途端、懐かしさが込み上げた。そして、
“この空を守れてよかった”
“この空を███と見れて良かった”
何故かその考えが頭から離れない。すると、レッドがハンカチを手渡した。すまない先生はそれを受け取り、涙を拭う。涙はボロボロとこぼれ続けていた。
✵✵✵✵✵✵
「・・・あの時は、本当に自分でも分からなかったんだ、今でも、空を見ると懐かしさが込み上げてくる。けど、それがなんなのか、僕には分からないんだ」
そう、アクアはこぼした。そんなアクアに、すまない先生はどうしてか、“目が離すことが出来なかった”
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