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ヴェルツィ高等魔法学校

第7普通生クラス


「はい、今日は転移魔法メタスタシスについての事をやろうと思います。」



転移魔法は無時間移動テレポートの下位互換、魔法陣から魔法陣に高速で移動する魔法で、通常魔法とはまた違う難しさがある。


無時間移動と違って、地面に転移魔法陣を2つ書いて、その間だけの移動しか出来ないので、実用性には欠ける。



授業では外の校庭で魔法陣を書くので、

その日は暑い中、校庭で授業を行う。


「えーっと?今日は9日だから…9…は休み、19は遅刻、39…は来てないし、49番の人は?」

今日は3分の1が居ない


49…49は…


「アイトラー…じゃなくてヒューシス、やってみてくれ」

アイトラーは杖を持つことなく、生徒の中から3歩ゆっくり前に出る

生徒の中からは「あの子だれ?」「すっげー美人」「可愛っ」「胸デカ」だの、いかにも思春期のような事を言っていた。


「…魔法陣の書き方は分かるか?転移魔法陣は意外と細かくて難し…」

「大丈夫です。」

アイトラーは黄色い目を合わせる事も無く、素早く答える。


風が吹き弱る中、芝生は少々揺れ、アイトラーは地面に指をそっと当て、ゆっくりと線を引いていく。


2つの魔法陣が作られると、鼻で小さめの溜息をして、その内の一つに立つ。


俺が魔法の杖を渡そうとすると、アイトラーは「要りません」と言わんばかりに杖を優しく押し返す。その手は威厳とも、優しさとも受け取れた。




アイトラーが深呼吸をして目を閉じると、魔法陣は紫色に光り始め、アイトラーは宙に浮く。


風は強くなり、芝生と校庭の樹木は揺れて音を立てる。



アイトラーはゆっくりと目を開き、口を開き、唱える。

転移メタスタシス



すると、体はたくさんの光の小さい玉のようになり、魔法陣に吸い込まれると、もう1つの魔法陣が光り、そこからたくさんの光の玉が出て、再び普通の体となる。


生徒たちは「うお〜!」と歓声を上げ、アイトラーに拍手を送る。

「スゲー!一発で!」

「しかも魔法の杖無しだぜ!?」


そっか、この子達はアイトラーのレベルが500越えだと知らないんだ。


「にしても魔法の杖無しとは凄いな」

生徒たちの列に戻ろうとするアイトラーと通りすがり際に呟くと、アイトラーは立ち止まって振り向かずに返す

「先生の足元にも及びません。」


列に戻ると生徒たちの歓声を受け、女子生徒からハグもされていた。


校舎の影からサレイア先生が見ているのを見つける。

俺は「悪い、少し休んでいてくれ!」と言い残し、サレイア先生に近づく。


「なんですかサレイア先生…」

サレイア先生は腕組みをして、魔法の杖を「ん、」と渡す。

なんだコレって思うのも束の間

「良いか?あの子は君の力が知れ渡らずにバカにされてんのが気に食わないのよ、レベル至上主義のこの国では特にね。


というか何?あの態度、乙女の心を分かってない、あんた初級魔法学校のときアイトラーちゃんのことベタベタ触ってんでしょ?フレンドリーに。」

そんな感じで謎の説教を続けられ俺が

「要は!?」と聞くと、サレイア先生は杖を指さして言う

「魔法、見せなさい。

なんでもいいから、今日は暑いから水魔法ハイドロ・マギアでもやんなさい、生徒たちに知られたくないんならそれ使いなさい。ちょっと派手に。」

俺が言い返す間もなく、サレイア先生はどんっと押して、校庭に戻した。



サレイア先生は大声で言う「クラウス先生!猛暑なので水魔法で生徒たちを冷やしてください!」


声デケェよ、こええよ、やりたかねぇよ


生徒たちはサレイア先生をじっと見たあと、俺の方を一斉に見る。


「えw?先生がw?」

「まあ水魔法くらいは出来るでしょw」

ボロボロに言われながら、アイトラーの目は少しだけ光が生まれた気がした。


魔法の杖を使って、魔法陣を描く

少し大きめに描き、生徒に円を囲うように並べと言う。


クラスは全員で70人近く

全員が円になる、生徒たちはあまり期待はしていなさそうだ。


それにも関係なく

咳払いをして、魔法を唱える


水噴射ハイドロ・インジェクション




魔法陣から、まるで水道基地の本パイプを吹き飛ばしたように大量の水が飛び出す。


それだけじゃない、水の魚やクラゲが空中を泳いだりもする。



生徒たちはまあまあ水を被るが、キノコ状に伸びたの膜の中に入り、ずっと被る訳では無かった。水のテントは涼しく、水を通しての日光も暖かかった。


「やば!」

「びっしょびしょだ!」

「ハハハ!お前…髪が潰れてんぞ!」

 

そんな声が聞こえた。

俺はテントの外だったので、中の様子はあまり良く見えなかった。




サレイア先生に杖を投げ返して、水噴射を止める。


予想外だったのだろう、全員ポカンとした顔をしていた。



時計塔の鐘がなると、全員笑いながら校舎に帰っていく。


それに混じらずに、アイトラーはこちらに向かってくる。



「…やっぱり、先生なんですね…?」



何言ってんだと思ううと同時に、突然

アイトラーはハグをしてきた。




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