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仕事が一段落して別件の個人で引き受けていた大きな取引も終わった初めての休日。矢野さんと深夜まで超えて仕事することがあっても明け方の矢野さんは見た事がない。矢野さんとお泊まり会をする。
矢野さんの全てが知りたい。
俺のことを一人前って言ったからもう恋人でいいんだよね。
沢山キスして、ハグして。
「矢野さん、晩御飯どうします。?」
夜の8時。
明日は休みだという幸福感が仕事終わりの夜道を歩く俺たちを包む。
休みはあっても返上して作業をしてたから本当の休みはいつぶりだろうか。
二人で食べるご飯。
何を作ろう、何を食べに行こう。
矢野さんはいつも俺ばっかりに気にするから
今日くらい矢野さんのわがままに付き合いたい。
「光希は何が食べたい?」
「俺じゃなくて矢野さんに聞いてるんです。
矢野さんの食べたいものが食べたいです。」
ほらまた、いつも俺。
軸は俺なのかってくらい俺。
「わかったわかった笑
そーだな、もうラストオーダーも近いしな…
喫茶店行くか?」
「喫茶店?俺あんま行ったことないです…なんか大人すぎる…なんか恥ず…」
「やめとく?喫茶店のマスター俺の同級生なんだよ、だからいつまでもいていいしそんな身構えなくても…」
「行きます。矢野さんのおすすめ教えてください。」
きっと今、俺の耳は真っ赤なんだろう。
恥ずかしいから真っ赤なんて言いたくないから夜風のせいにして、来た道に背中を向ける。
冷たい夜風のせい、耳が赤いのも鼻が赤いのも
手が恋しいから繋ぐのも。
「光希可愛いね、ちゃんと後輩って感じで」
「早く行きましょ…お腹すきました」
初めて、こんな真正面で可愛いって言われた。
矢野さんってほんとずるい
いつも俺ばっかドキドキさせて何がしたいんだよ。
心の中がざわついたまま喫茶店へ向かって歩く。
矢野さんのコートのポケットに俺の手を無意識に矢野さんが入れて歩く矢野さんはいつもより幸せそうな顔をしていた。
恋人らしい夜道の歩き方。
「いらっしゃ、、?あれ矢野?久しぶり。」
「久しぶり〜立花に後輩自慢したくて来た。
パスタを1つ」
「注文はえーよ笑、 後輩くんは?どうする?」
久しぶりの友人なんだろう。
懐かしいと言いつつ俺に気を使って
椅子を手前に引く。
メニュー表だって、喋りながら見せてくる。
矢野さんって一体何者なんだろうかという憧れと優しさに惚れてしまう。
なんだかんだ思いつかなくて、パスタを選びご飯を食べて、よしそろそろ出ようか。という時間に差し掛かる。
もう夜22時30分。
早く家に帰って二人でずっと居たい。
あわよくば、暮らしたいほど。
「お会計俺払います。いつもお世話になってるんで。」
「ん?お会計?もう終わったよ。」
「えなんでいつ!?」
「光希がうとうとしてるときに?笑
もうそろそろ限界かなって思って先払っといたよいつでも出れるようにね。」
矢野さんは俺の顔をよく見てる。
きっと職業柄癖で見てしまうのだろうけど
俺の知らない顔を矢野さんは知ってる。
「ほんとにごめんなさい…矢野さんと一緒にいれるのが幸せ過ぎて気づいたらこうなってました、」
「幸せすぎて寝落ちたの…?笑可愛いね光希」
薄暗い喫茶店の店内。
ステンドガラスはもう眠っている。
ジャズがかかって、マスターもグラスを拭きながら客の素行を見て見ぬふりをする。
まるでスパイのよう。
「矢野さんどこ触ってるんですか…お酒回ってますね…笑。」
パスタを頼んだあと、お酒を少しだけ2人で飲んだ。本当は家で飲んで、甘えたいのに外だと酔えないから少し酔った矢野さんが俺にちょっかいを出す。
「光希可愛い…なんで今日そんなに可愛いの
いつもムスッてしてるのに…」
「ムスッてしないです…お腹触るのやめてください矢野さん…見られちゃうから、」
「んじゃもう行こっか…今日光希の家だよね確か」
夜、大人な雰囲気を出す夜道は険しい。
コンビニで映画を観るためとポップコーンを買ったり缶チューハイを買ったり。アイス買ったり。
気持ちは大学生だ。
「光希、なんの映画見たいの?」
「去年の冬くらいにあってた恋愛映画です。
仕事で行けなかったので矢野さんとみたいなって思ってまだ俺も見てないんですよ配信されてから」
マンションのドアを開ける。
電気をつけて、コートを脱ぎ捨てて。
明日の自分に重荷を乗せるように
今は自分の欲に忠実に。
「あ、荷物とかこの辺置いといてください俺が明日洗濯とかしとくんで」
「真面目でいい子で可愛くて…ほんと自慢の後輩…
もういいよね…耐えらんないや。ごめん光希」
「…矢野さん?」
まだ廊下の電気しかつけてない深夜のマンションの一室。
出迎えてくれる茶色い暖かい光が夜に染まった心を照らす。
「ほんと可愛い…腰弱いの?もう崩れちゃいそう」
弱点を探すように上から舐めて服なんてとっくに はだけてる。
1日保った髪セットも崩れて
締めたネクタイはゆるんで
甘い吐息と酸素の空間。
「腰…やだっ、やのさん…立てないっ…、」
「いつになったら春馬って呼ぶの?
呼ぶまで座らせないから。」
買ったアイスも缶チューハイも全部温くなってしまう溶けたアイスみたいにどろどろした空間が、肺をつつみこむ。
まるで酸素は要らないと言ってるような。
「はる…まっ、、」
廊下なのにこんなことしてる。
夜のコンビニとかお仕事とかで誰かが通ったら聞こえてしまうんじゃないかとドキドキしてる。
矢野さんの理性が落ち着くのはいつだろうか
俺はされるがままに、押し倒されていた。
「何考えてドキドキしてんの?
俺だけに集中して、ほら。こっち見て」
「ぁっ…やばっ、みてるっ、みてるから…」
押し倒されて、全身愛でられて。
ほんと俺の事が大好きなんだなとわかるような
触り方。
まるでガラス破片を1個1個集めているように
丁寧で独占してるような視線。
「今は他の人のこと気にしないで。
寂しくなるから…」
「うんっ…やばぁっ…ん”っ…」
こんなに甘い夜。
あっていいのだろうか。
あなたのこの顔が大好きでもっとみてたいよ。
「気持ちよさそうな顔…」
「んっ…きもち、、はるま…」
人感センサーがついたり、消えたり。
点滅するワイファイのランプが鼓動を急かす。
愛に満ちていく体をお姫様抱っこをして持つあなたの息が荒くて、ベットだけを探している。
まるで獲物を見つけた猛獣のようだ。
「ベッド…あっち、」
「教えてくれる程気持ちよかったんだ…
かわいー。笑」
ベッドという名の魅惑の場所に
連れていかれる不思議。
俺を支える腕の血管がドクドク波打つのも
今俺しか知らないんだ。
本当に俺特別なんだ。
「まだするの…?」
「嫌だ?ちょっと休憩する?」
「別に嫌じゃないから…早くキスして」
なんでも夜風のせい。
きっと隙間風のせいで口が乾燥するんだ。
きっとそうだ。
不思議な風のせいで寂しいんだ。
物足りない、もっと見せてよ。