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※宮城県大会が終わった所からです

(多少原作と違う部分があります↓

・日向は恐らく県の合宿忍び込んだ初日の”翌日”、学校で武田先生に怒られれのだが、ここでは”初日中”に怒られる設定

・県の合宿は全日本ユースのように朝集合して始まったものだと設定

ご了承ください。注意と自衛を大切に。)



夢主side

影山が全日本ユース強化合宿、月島くんが県の1年生選抜合宿に選抜されて、2人がいない初日。いつも通り体育館で準備を進める。

─少し、ほんの少しの違和感を感じながら。

「おー西川!早いなぁ。」

『縁下さん!おはようございます!』

「ん?今は昼だろ〜?」

『えへへすみません!今日朝の自主練してないから体内時計がおかしくて!』

「そういや今日はしてなかったな。」

靴を履き替えてネットを持ってくる縁下さんが、”なんでだ?”と首を傾げる。

『いつも一緒に朝練してる影山も日向もいないですし今日は早起きして鍛えたので!』

「あー・・・、・・・日向も?」

「日向って選抜されてなかったよな。」

『今日日向お休みなんです!』

私がそう言った瞬間、少し固まって青ざめた顔に片手を添える縁下さん。

そう。私も全く同じ不安があるのだ。

─日向、もしや選抜に忍び込んだのでは?

ありえない。普通はありえないが、日向はありえてしまう。そんな不安が消えない。

「Heyゆりちゃん縁下ー!」

『菅原さん澤村さん東峰さん!Heyおはようございます!!』

「おはよう〜」  「もう昼だけどな。」

「澤村さん、日向の休み知ってます?」

「・・・あれ、知らないのか。」

縁下さんの質問に、目を見開いてからため息をつく澤村さんと呆れたように笑うお二人。

どうやら私の不安は的中してしまった。

「─日向、合宿に飛び込んだんだって〜」

「はあ・・・、やっぱりですか・・・」

『合宿って1年生選抜合宿ですよね!』

「おう。やりそうだなーとは思ってたが・・・」

「まさか本当にやるとはな・・・」

『月島くん驚いてるでしょうね!』

「そうだな。とりあえず帰ったらクソ叱る。」

光の無い目で言う澤村さん。恐怖。

「コラ大地!クソとか言わないの!」

「女の子は綺麗な言葉を使わなくちゃ!」

「俺は男だ。」

相変わらずテンションが高めな菅原さんを横目に見ていると、あることを思いつく。

─楽しそうだし面白そう!やりますか!

1人脳内でそう覚悟を決め、縁下さんとネットの準備を再開した。

✳✳✳

数時間後、幸運な事にいつもより少し早く部活が終わって、荷物をまとめる。携帯で白鳥沢高校の場所を調べ済み。

私は今から、1年生選抜合宿に行く!!!

・・・とは言っても、忍び込むのではなく日向のお迎え。ついでに推しを見るため。

(えーっと、ここを右!)

(次は左に行って・・・あとは真っ直ぐ!!)

携帯のマップを頼りに道を進んでいく。

しばらく歩いていると、眩しい夕日と共に大きくて綺麗で立派な校舎が現れた。

(こ、ここが我が推しの高校・・・!)

なんだか聖地巡礼みたいで、楽しさに頬を緩ませながら体育館へ向かう。次第に期待もボールが弾む音も大きくなっていく。

少し覗こうと体育館の入口前で立ち止まった瞬間、横から聞き覚えのない声がした。

「──どなたですか?」

少し機嫌悪そうに私を見るその男の人。

濃い紫色のぱっつん髪で、まゆが短く背がかなり大きい。─あ、白鳥沢のバレー部だ!

試合の録画で何度か見た、上手な人。

『こんにちは!1年生選抜合宿の日向翔陽という人に用があるのですが!』

「・・・・・・はあ。」

なるべく端的に済ませたが、それすらどうでもいいかのように体育館へ入るその人。

機嫌を損ねてしまったのかなぁと少し後悔したが、頭を切り替えて日向を呼ぼうと体育館に目を向けた。

「おいお前!そのちっこい・・・日向翔陽!」

そこにはさっきの人が日向を呼んでいる後ろ姿が。呼んでくれるんかい!

面白い人だな、と頬を緩ませていると、日向と目が合う。その瞬間日向は可愛く目をキラキラさせ物凄い速度で飛び出してきた。

「にしかわ!!!✨」

『えへへ日向!お迎えにあがりました!』

「お迎え!!・・・お迎え、??」

先程までとは打って変わり怯え始める日向。

「エッ、アノッ、お迎えって・・・」

『お説教の、お迎え^^』  「ヒィィ・・・😱」

完全に怯えきった日向が犬みたいだと笑っていると、体育館から新たな人が出てきた。

「ねえ、なんで君も来てるわけ?」

『月島くん!こんにちは!!』

「はいはいコンニチハ。質問に答えて。」

『日向のお説教のお迎えにあがりました!』

「あーなるほど。笑  頑張ってね〜」

「ムキーッ!!!」

煽ったように口角を上げる月島くん。

しばらく会えないので寂しいが、いつも通りの月島くんになんだか安心した。

するとまた体育館から新たに人が出てくる。

「ゆりちゃん。」 「コンニチハ。」

『わ!国見くんと金田一少年!!』

「その呼び方やめろって・・・」

『2人とも選抜されてたんだ!凄いね!』

「うん。でもまさかゆりちゃんと会えるなんて。やっぱり運命だね俺たち。」

無の顔で淡々と言う国見くん。いつも通り。

「付き合うべきだよね?うんそうだね。」

『国見くん元気そうでよかった!』

「ありがとう優しいね。俺のこと好きなの?俺も好き。相思相愛だね結婚しよう。」

「西川逃げた方がいいぞーー」

慣れた様子の金田一少年もいつも通り。

いつの間にか沢山人が集まってきたなぁと微笑んでいると、後ろから肩が叩かれる。

『?   わ!黄金くん!!』

後ろを向くとそこには大きく両腕をY時に開いて眩しく笑っている黄金くん。夏の練習試合以来、かなり久しぶりだ。

「西川久しぶりーー!!!元気!!?」

『元気元気!黄金くんは!』

「西川に会えたから元気ー!!!」

一番久しぶりだけど、一番変わっていない。

「西川なんでここいるのー!?!」

『日向のお迎え!』

「へえ!!オムカエ!!明日も来る!?✨」

『えっ、いや明日は・・・』

まるで”来て欲しい”と言うように目を輝かせる黄金くんの視線から逃げるために横を見ると、同じように目を輝かせる日向。

(うっ・・・、このワンコたちめ・・・!)

その輝きに負けて黄金くんを見上げる。

『じゃ、じゃあ明日も来るね!』

「うん!!!楽しみにしてるー!!!」

常に直射日光みたいな笑顔をしながら体育館に帰っていく黄金くん。今思えば一度も落ち着いた黄金くんを見たことがない。

そんな事を考えていると、国見くんが小さく手を振りながら口を開いた。

「・・・じゃ、俺らも戻るね。ばいばい。」

『うん!二人ともまた明日!』

「あ、あとゆりちゃんいつでも婚姻届が出せるようにしとくからね。よろしくね。」

「早く戻るぞー。」

金田一少年に引っ張られ国見くんとお別れ。

「・・・君、明日も来るんでしょ。」

『来ます来ます!月島くんと会えるね!!』

「ん・・・・・・・・・、はあ・・・」

「君ってほんとお人好しというか・・・」

『なんですか!!急な侮辱!!』

月島くんとも今日で最後の会話をしていると、見知った人が体育館から出てきた。

さっきの紫髪ぱっつんさん。何用だろうか。

「お・・・、おいお前・・・っ、!」

『はい!烏野1年西川ゆりと申します!』

「・・・俺は、白鳥沢1年、五色・・・工・・・」

さっきの不満そうな表情とは違い、なんだか目も座っておらず顔が赤い五色さん。

顔を逸らしつつ無言で携帯を差し出された。

(え・・・?新手のカツアゲ・・・?)

『えっと、ん?』

「・・・・れ、連絡、先、交換して、ホシインダケド、」

『連絡先・・・、あ、ああ!いいですよ!』

一瞬聞き間違えかと思ったが、合っていた。

不機嫌そうなのに日向を呼んでくれたし、連絡先なんて本当に不思議で面白い人だ。

『・・・はい!気軽に送ってください!』

「ん・・・、ありがと、・・・じゃあ、」

『じゃっ、じゃあまた明日ー・・・、!』

結局よく分からなかったが、良い人な気がする。ぱっつんだし。携帯綺麗だし。

月島くんを見上げると、怖い目をしていた。

「・・・・・・また増えた。」

何かボソッと月島くんが言った気がしたが、よく聞き取れなくて気のせいだと流す。

─そろそろ日向を連れていかなくちゃ!

そう携帯の時計を見た瞬間、また真横から、でも今度は絶対に忘れるわけもない大好きな声が私に降りかかった。

「──ア!予選の時の女のコ!」 「む。」

バッと横を見れば天童さんと牛島さん。

1人でも心臓が止まりそうなほど好きなのに、2人ペア。しかも何故か認知済み。

『ヒュッ・・・・・・』 「ジャパン!!!」

「ネーネー覚えてる?天童覚サンだヨ〜?」

「あの時は道案内助かった。」

「やっぱまだ俺のコト好きなの〜?」

屈んで体をくねくねしている天童さん。

もう本当に無理カッコイイ死ぬ死んでしまう

『す・・・っ、す、す・・・っ、!』

牛島さんもカッコイイ──よし。逃げよう。

『好きですぅうう!!!!』

「ちょっ、え!?!」

私は日向の手を掴み、全速力で逃げる。たまたま日向が帰る準備完了済みで良かった。

─また明日また明日は絶対喋る喋る喋る!!!

そう脳内で覚悟を決めて、全速力のまま推し2人&白鳥沢高校を後にした。

✳✳✳

数時間後。あの後日向を無事・・・いやかなり無理やりだったが学校に送り届け、今は家に帰っている途中である。

我が家は山を一つと半分ほど超えた先にあって、本当に良い筋トレ場所。

(月島くんはいつも通りだったなー!)

(影山はどうしてるかな!)

何回も何回も行き方を教えた影山。

ふと携帯を出して影山とのメールを開いた。

(─あ!新しいメール来てる!)

10分前に届いていた影山からの新しいメールを見た瞬間、強い衝撃を受ける。

そのメールの内容とは・・・

【西川が言ってたさくはやさんって人とふるもりさんって人居たぞ。凄かった。】

間違いない。それは私の大大大好きな推し。

佐久早聖臣と古森元也の二人だ。

〖ありがとうありがとう”さくさ”さんと”こもり”さんって言うんだよありがとう〗

〖良ければ、出来れば写真を・・・!!〗

〖もう服が1mm映ってるだけでもいいから、〗

〖どうかお願いします・・・!!!〗

私はコケそうなほど震える足を抑えて、今までで一番早くメールを打ち込み送信した。

(今日はやけに推しと関われる・・・!)

(記念日に登録しよう・・・)

耳まで裂けてしまいそうなほど口角が上がっているし、影山の返答が楽しみで仕方ない。

私はいつもより軽やかに山を下った。

✳✳✳

影山からの返答を待ち続けて夜10時半。

そろそろ寝ようと浴衣を整えていると、枕元に置いていた携帯が振動した。

『!!!』

すぐさま開いて確認する。影山からだ。

【ブレたけど気にすんな。(写真)】

メールの下に載っていたのは多少ブレていても見間違えるわけもないあの二人。

私は興奮でベットに飛び込む。

〖ありがとうありがとうなんでもします。〗

そう返答を送り何度も写真を見返す。

(佐久早さんだ・・・実在するんだ・・・、髪の毛くるくるだ背も高い・・・目大きい・・・!)

(古森さんも映ってる・・・尊い・・・、まろ眉だ髪の毛サラサラ・・・ピースしてる・・・!!)

どんどん顔が熱くなる。

かっこよすぎて可愛すぎて、悶え苦しむ。

(推し活・・・最高・・・!今日が命日・・・!!)

今日はいつもより何倍もよく眠れそうだと頬を抑えて、部屋の電気を消した。


続く.




(今回は色々とアップデートして挑戦の回でした・・・見づらかったらすみません。)

(PS.ハイキューって最高だと最近噛み締めています。)

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