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2度目のお別れは唐突に来た。
『……今、なんて?』
金髪の男の子──源くんが告げた言葉が耳には入って来るのに脳内には入ってこなくて、そう掠れた声で問い返す。
嘘だと信じたかった。
昨日、あの時、三葉くんがつかさと名乗る怪異に消されてしまったこと。
人間として生きて死んだ“三葉助葉”はもうどこを探しても居らず、完全に消えてしまったということ。
─…もう、本当に会えなくなってしまったということ。
彼にあげるつもりだったプリンが手から滑り落ちて、ガチャンと固い衝撃音を立てた。
あの日と同じだ。
何か言いたいのに言葉が出ない。逃げ出してしまいたいのに体が動かない。
ただただ困惑と動揺だけが胸に広がり、言葉にならない悲しみがわたしの心を押しつぶしていくだけだった。
源くんはそんなわたしを酷く心配の滲んだ瞳で見つめ、優しく背中を摩ってくれた。
「……これ、三葉がずっと持ってた写真。」
そう言って一枚の写真が渡された。
「オレが持っているよりも、○○さんが持っていた方がアイツも喜ぶだろうから。」
震える手でそれを受け取り、写真を覗き込んだ瞬間、涙がポツリと頬を伝った。
写真に写っていたのは、わたしだった。
『…み…つば…くん。』
放り投げられたプリンの透明な容器が割れて、地面に落ち、ぐにゃりと形が崩れていた。
─…「もうちょっとこっち向いて」
─…『こっち?』
─…「そう、そのまま止まってて。」
カシャリ。と、あの時のシャッター音が耳に蘇って来る。
ずっとわたしの写真を持っていてくれたなんて。
…なんで消えちゃったあとに思わせぶりな態度をとってくるのよ。
ばか。
大嫌い、嫌い、世界で1番嫌い。