テラーノベル
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俺は潜入した先のところで謎の組織に捕まった。
どうやら特異体質の人たちで作られた組織らしいが。
ヴィランとか、なんとか、そんな単語が聞こえた。
「(結構ピンチな感じ?)」
自分の他にも捕まってる人が何人かいるみたいで、中には怯えて泣いてる人もいる。
「(困ったな…)」
捕まった俺はなんかよくか分からないロープで縛られていた。
引き千切ろうかと試みたが全くダメで。
聞く耳を立てたところ、その組織の1人の能力らしい。
「(…巻き込まれは面倒だぞ)」
見たところ敵?の人数は多くはないみたいだが如何せん、その能力というものが厄介だ。
俺らの持つスキルとはまた違ったものだろうし。
「……はぁ」
一般人のフリをして助けを待つしかない。
ここで下手を打つと、俺らのことがバレる。
さてどうしたものかと目を閉じて考えていたら、轟音と共にヴィラン?が焦った声を始めた。
「雄英高校の奴らだ!」
「ヒーローが…ぎゃぁあ!!」
ヒーロー?
そんなアメコミ漫画みたいな、と思っていたらホントにアメコミみたいな衣装を纏った子供たちが現れた。
喧嘩しながら。
「テメェこの半分野郎!!いきなり穴開けてんじゃねぇぞ!!」
「こっちの方が手っ取り早いし直通できる」
「捕まった一般人に当たったらどうすんだって言ってんだよオレは!!」
大きな穴が開けられた場所からは氷の柱というか道ができている。
よく見れば、その半分野郎とか言われた子の足元が同じように凍っていた。
手元には火?炎が燃えている。
「(…能力か?)」
「いやいや!どのみちかっちゃんが別のとこに大穴開けようとしてたから一緒だよ!」
「コイツと一緒にすんじゃねぇ!クソナード!!」
「こいつと一緒にすんな、緑谷」
「ほぼおんなじこと言ってる!!ホントのことなのにひどい!」
そんな3人の背後でのされてる奴らの仲間の1人がふっと姿を消した。
「あ」
かと思ったら瞬間移動しかたのように俺の背後に回り、強盗のように首元へ刃物を突きつけたのだ。
「(えぇ…マジか…)」
「テメェ!」
「動けばこいつの首が飛ぶぜ?」
「っ、」
「2人が喧嘩なんかするから…っ!」
「「あぁ⁈」」
仮にも人質の前で言い争いする3人を見て、落ち着いてんだなぁと感心してた。
こういった危険な状況の場数を踏んだからこそできるんだろう。
なんて、自分も他人事のように考えていた。
「…あんた、俺を舐めてかかんない方がいいぜ?」
「あ?あがっ⁈」
「「「!!」」」
気を逸らした相手から体勢を低くし、甘い腕の拘束から逃れる。
その低い体勢のまま足を薙ぎ払い、うつ伏せにして地面にはっ倒した。
「よい、しょっと」
「ぁぐっ!!」
動かないように上に乗っかり両肩を両膝で押さえつける。
まぁ、顔を膝で挟むような体勢だ。
「自分の力を過信しすぎだわ。あんま大人舐めてんじゃねーぞ」
ぐっと力を入れたら相手は動けないまま気絶した。
その瞬間、俺を拘束していたものが解け消えた。
「…ったく、…」
「(またクロノアさんに怒られんだろうが…巻き込まれるばっかして!って)」
はぁと小さく溜息をつくと、背後から視線が刺さる。
振り返れば、緑目の子が目を輝かせていた。
「す…すごい!!ヴィランの個性をものともせず倒しちゃった!!この人すごいよかっちゃん!轟くん!」
個性…?
能力的なものの名称か?と首を傾げる。
「フツーにのしやがった」
「すげー身体能力…」
口の悪そうな子と髪色が半々な子がそう言った。
「……え?ぁ、俺のこと⁇」
俺の方に駆け寄ってきたその子が手を握った。
「僕の名前は緑谷出久です!デクって呼ばれてます!!さっきのあなたヒーローみたいでした!!」
キラキラと目を輝かせて握ってきた手を振るその子が俺を見上げた。
「そう?ただの護身術みたいなもんだよ?えっと、デクくん?」
「ヴィランに物怖じせずそれができるのがすげぇって緑谷は言ってんですよ。俺は轟焦凍って言います」
「物怖じって…自分の身くらいは自分で守れるよ、大人だし。轟くん?」
「その護身術教えやがれや」
ガン飛ばすように言ってこられ、腹は立ちはしないけど大人として物の言い方を正す必要があると思って目線を合わせる。
「こら。その言い方は人に物を頼む態度じゃないでしょ。年上にはちゃんとした言葉を使おうか?…かっちゃん?」
「!!、かっちゃんって呼ぶんじゃねぇえ!!爆豪勝己だ!!」
ね?と首を傾げたら少し距離を取られた。
初対面の子供に対して、ちょっと詰めすぎたか?
「はい、爆豪くんね。護身術は教えてあげるけど、頼み事は上から言うもんじゃないよ」
「〜〜!…クソがッ」
「うわ、かっちゃんが言いくるめられてる」
「こいつが素直だと槍でも降んじゃねーの?」
「おいテメェら聞こえてんぞ!!」
やいやい言い合う3人の頭を順に拳骨入れたのは、おそらく彼らの先生と言われる存在の人だろう。
先生、と言葉が聞こえた。
「お前らはまた……。一般人を置いてけぼりにして、気絶してるからいいもののコイツらか逃げたらどうするんだ」
「相澤先生!」
「ウチの生徒がすみませんね。ご迷惑とお手数かけたようで」
全体的に黒い?暗い?雰囲気の長髪の人。
社交辞令のような挨拶を交わして会釈した。
「いえいえ、助かりました。どうしようかと思っていたんで」
目立つ行動は伏せないといけない。
ましてやヒーロー?相手に盗賊だなんて知られたら。
「それにしても見事な護身術でしたね。心得があるんです?」
「え?えぇまぁ、身内にそういうのに長けてる者がいまして。 その人に自分の身を守る為にと叩き込まれました」
「ほう」
目の隈というか、充血すごいな。
「……お前らはヒーローとしての自覚をしろ。一般人に助けてもらうようならまだまだだぞ」
「はい!すみません!」
「気をつけます」
「……チッ」
爆豪くんだけがまた拳骨喰らっていた。
のされたそのヴィランの組織は彼らの仲間に連行されていったようで、この場の騒動は鎮圧された。
─────────────────
雄英高校へと何故か保護された俺は高校生たちに囲まれていた。
「(いやなんで連れて来られてんの俺)」
その場で解放されるかと思ったのに、護身術のこと教えてくれんだろうがと爆豪くんに半ば強引に連れて来られた。
君たち別に護身術なんて覚えんでも大丈夫そうじゃない?と思ったのに、デクくんにも轟くんにも押されてその眼差しに負けた。
「へぇー!ヴィランの1人を倒しちゃったの⁈すげぇじゃん!」
なんだっけ、切島くん?
「いや本当にすごい!すごいことです!!」
えーっと、飯田くんだったか。
「すごいわねぇ、一般人でしょう?」
この子は蛙吹さん?
「一瞬の隙をついて倒してしまったのでしょう?凄いことですわ」
八百万さん?
「いやマジ凄すぎでしょ?できんてフツー」
芦戸さん?
「デクくんたちがびっくりするくらいの早技だったらしいよ!私も見たかったなぁ…」
麗日さん?
「あははは…」
……いや多い多い。
1クラスの人数としては普通だけど個性強すぎて逆に覚えれんて。
見てはないけど、それぞれここでいうその”個性”というものを持った子たち。
わちゃわちゃと話をしてる、そんな他の子たちも俺のことを純粋な眼差しで見てくる。
「ぅ…」
いっつも小汚い大人の目しか見てなかったから心が痛むというか、浄化されるというか。
「お前らいい加減にしろ。トラゾーさんが困ってるだろう」
「い、いや…あはは…」
相澤先生とやらが俺を囲うみんなに言って席に座らせた。
素直か。
ぺいんとたちもこの素直さを見習ってほしい。
「爆豪の強い希望で、彼に護身術を教えてもらうことになった」
「いや俺一言もいいって言ってないんですが…?」
怒られる。
ブチ切れたクロノアさん、ホントに怖いんだからな。
…彼らに言っても知らないし分からんだろうけど。
断ってさっさとここからおさらばしようと思っていたのに、 あからさまに残念そうな空気を出す子たち。
「ゔっ…」
良心の呵責に苛まれる。
こんな残念そうな顔をされると、絶対無理だと拒否できないじゃないか。
「……きょ、今日1日だけ、なら……俺にもやるべきことが、あるんで…」
『やったあぁあああ!!』
教室内に響く大きな声。
ここまで喜ばれるとは思っていなかったから、ほんの少しだけ嬉しくなって微笑んだ。
先生の気持ちってこんな感じなのかなぁとしみじみ思っていたら、相澤先生が俺の肩に手を置いた。
「…人タラシの個性ですな、あなたは」
「はい?」
「いや…初恋キラー?」
「初恋?」
なんのことやらさっぱりで肩を竦めた。
「わたしの授業はこいつらめちゃくちゃ嫌がるのに……こんな表情は初めて見ましたよ…」
悲しそうな相澤先生に同情した。
苦労してるんだろうな。
ここまで個性あふれる子達をまとめるのは大変だろうけど、それをしていることも事実だ。
「それだけあなたのことを先生として信頼してるのではないですか?ホントに嫌ならここにいないでしょうし。俺は相澤先生のこと何も分かりませんけど、生徒思いな人だってのは目を見れば分かります。自信持ってください、ね?」
「っ、…」
「あセンセー照れてるぅ⁇」
「や、やかましい!!」
芦戸さんにそう言われた相澤先生はカッと目を見開いて叫んでいた。
──────────────
「うーん、体幹がちょっと弱いね。別の何かに頼りすぎかな?」
「…オレの体は漆黒の翼で守ら「フミカゲヒョロイダケ!」……そんなことはない…」
常闇くんは厨二っぽいな…。
「護身術覚えなくても、君なら捕まんなさそうだけど…」
かなり小さい背に合わせて座り込み後ろから教えてあげていた。
「!!おっぱいだ!!」
「……胸筋ね?次変なこと言ったら肩パンするよ」
「ひでぇ!」
峰田くんは元気?だな。
てか、俺はただの一般人であって人にこういうのを教えれる力量は持ってねぇんだけど。
そうは思っていても、次々と聞きにくる子たちを一人一人丁寧に相手していくしかなかった。
そのうち、コツを覚えたのか自然と組み手みたいなのをし始めたのを見てひと休憩する。
「高校生ってやっぱ若いなぁ…」
あと普通に覚えも早い。
楽しそうにする子達や言い合いながらする子。
アドバイスをし合いながらする子と様々だ。
それをぼーっと眺めていた。
「トラゾーさん」
「うん?どうしたのデクくん」
「隣触ってもいいですか?」
「?いいよ」
俺の座る隣に座るデクくん。
「爆豪くんと組み手しなくていいの?」
「かっちゃんは今、轟くんとしてるんで僕は見学です!」
指差された方を見れば、およそただの組み手には見えないような、寧ろ取っ組み合いレベルのことをする2人がいた。
大丈夫そ?
あっこだけ災害起きてない?
「…仲、いいんだね」
「みんな仲良しです!」
わぁキラキラな笑顔。
こんな笑顔とっくの昔に置いてきちゃったよ。
「デクくんにとって、みんなは大切な仲間で友達?」
「はい、かけがえのない」
真剣な表情と声。
彼らのことがホントに大切で好きだから出せるものだ。
「トラゾーさんにはいるんですか?」
「俺?」
3人のことを思い浮かべる。
誰1人欠けてはならない、とても大事な存在。
「うん、いるよ。俺にとって、とっても大事な奴らが」
「その人たちが好きですか?」
「…そうだね。大好き、かな」
照れ臭くなって頬を掻く。
それでもホントのことだから。
「……」
着ていたワイシャツを脱いでノースリーブだけになって立ち上がる。
照れた顔を誤魔化す為。
「デクくん俺と組み手しようか?」
「、はい!よろしくお願いします!」
─────────────
「は?迎えになんか来なくていいって!俺子供じゃねーから…ってはい⁈もうそこまで来てる⁈」
通信機に連絡が入って、断りを入れて外に出る。
何事かと思えばぺいんとの怒号と共にそう言われた。
「おっまえ、また俺のにGPSつけたな⁈…はぁ⁈フラフラもしてないしちゃんと自分のすることしてるし!ちょ、…おい!!」
とにかく行くからそっから出てろ!!と怒られた。
なんでだよ。
てか、まさかと思うけど小型カメラまで仕掛けられてんのか。
「過保護か…!」
ただぺいんとがあんだけキレてるということは、クロノアさんがブチ切れてるのは確定した。
説教どころじゃなくなる…。
「トラゾーさん?」
「轟くん、どうかした?」
「いえ、なんか言い争ってるのかと思って」
「?…あー、…うん、まぁ。俺の仲間が迎えにくるって言うこと聞かなくて」
「迎えに……じゃあもう帰るってことなのか」
焦茶と青緑の目が俺を見上げる。
「うん、俺にもしなきゃいけないことあるから。少しの間だったけどみんなと過ごせて楽しかったよ」
「ずっといたらいいのに。帰っちまうのかよ」
「うーん、」
捨てられた子犬みたいな顔で見られても仕方のないことだ。
俺には俺のすべきことがあるから。
「…ならせめて見送りしてもいいですか?」
「え?してくれるの?」
「…ちょっとの間でも世話になったから」
「…ふふっ、ありがとう。轟くん」
半々の綺麗な色をした髪をぐしゃぐしゃにするように頭を撫でる。
照れてるのか俯く轟くんに最近の高校生はこういうのされるの嫌かと手をすぐ離した。
「ごめん、やだった?」
「………嫌じゃねーです」
撫でられ慣れてないだけなのかもしれない。
だいぶストイックな性格をしてるし、自分のこと追い詰めすぎるのかもしれないな。
「君にも大切な友達がいるんだから、ちゃんと頼りなよ?頼もしい仲間たちを大事にしなきゃね」
「………はい」
照れ臭そうに笑う顔は年相応で可愛いなと思ってまた頭を撫でた。
そんな和やかな雰囲気を爆音と共に消し去ったのは爆豪くんだった。
「勝手にどっか行ってんじゃねぇぞトラゾー」
「えぇ…呼び捨て…?……もういいけど…」
「トラゾーさんここにいたんですね!」
「うん、仲間から連絡入ってね」
その言葉に眉を下げたデクくん。
「…お迎え、ってことですか?」
「そうだね」
「帰んのかよ」
「うん。…どうしたの?爆豪くん寂しくなっちゃった?」
冗談で言ったら、ふい、と顔を逸らされた。
図星のようだ。
「あの!僕、今日トラゾーさんに教えてもらったことちゃんと活かして頑張ります!!」
「オレも。あんたに教えてもらったこと絶対忘れねぇ」
「……ちーたぁ役に立ったわ」
「かっちゃんちゃんとお礼言いなよ!」
「礼儀のなってねぇ野郎だ」
「っっるせぇな!!」
このやりとりはきっといつものことなんだろうなと微笑ましく見ていたら、今度は頭をどつかれた。
「いっって!」
「てめぇトラゾーお前は!上着をちゃんと着てろ!!」
「呼び方統一してくんね?」
「ほんっとですよ!あなたは全くもう!自分の身体分かってなさすぎです!!」
肩で息をするぺいんとと腰に手を当てて頬を膨らませて怒ってるしにがみさん。
「いや、なんのこと…」
「トラゾー」
「!、ひゃい!!」
「あとで、お説教ね?」
ブチ切れてます。
めちゃくちゃ笑顔だもんクロノアさん。
強引にクロノアさんの上着を頭から被せられ、俺終わったと震えた。
「?この人たちがトラゾーさんの大好きなひ「うわぁーーーーー!!」え?」
「「「……」」」
爆弾投下したデクくんの口を塞ぐ。
振り返れば2人はニヤニヤしてるし、猫1人は更に笑顔増してるし。
「!!」
だから知られたくなくて言わなかったのに。
「へぇ〜?トラゾー俺らのこと大好きだったんかぁ〜⁇」
「知りませんでした。ふ〜ん⁇」
「そっか、俺たちもトラゾーのこと大好きだから両想いだね?」
嬉しそうな顔というかムカつく顔。
「そ、その話は終わり!!ナシナシナシ!!黙っててください!!」
ぺいんとたちの方に向き直り慌てて訂正する。
もう無理だけど。
「いやまぁでもまずはクロノアさんの説教だけどな」
「そうですよ?トラゾーさん無茶ばっかするんですからお灸を据えてもらわないと」
「何回言っても守らないからね。今日は厳しくさせてもらうから」
「ヒェ…」
どうしよう。
帰りたくなくなってしまった。
「ほら、トラゾー」
「はい、トラゾーさん」
「トラゾー、ほら」
「ぺいんと、しにがみさん、クロノアさん…」
伸ばされた手はやっぱり嬉しくて。
俺の戻るべき場所はこの3人の元なんだって思った。
デクくんたちの方を振り返れば複雑な顔をしてたけど、安心したような表情もしてくれてた。
「みんなに挨拶できなかったけど、楽しかったよって伝えといてくれる?」
「勿論です!」
「少しだったけど、ありがとう。今日のことは忘れないよ。それじゃあね?」
にこりと笑って踵を返す。
「あ!トラゾーさん!!」
一歩足を踏み出したら大きな声で呼び止められた。
「⁇、デクくん、どうかしt」
大人顔負けの強い力で腕を引かれた。
俺と同じ緑色の目が眼前で強く光る。
「「あ」」
爆豪くんと轟くんの声。
ちゅ、と頬に触れた柔らかい感触。
「「あ゛ーーーーー!!」」
ぺいんととしにがみさんが叫ぶ。
「オイてめぇデクゴラァア!!」
「いたっ!痛いよかっちゃん!!」
「抜け駆けしてんじゃねぇぞクソナードが!!」
「またその呼び方してひどいよ!」
え。
俺、今、高校生にキスされた?
いや、頬にだけど。
「トラゾーさん」
「え?あ、轟くんもどうs」
あれデジャブ。
なんかまた。
「だぁからぁ!!半分野郎テメェも抜け駆けしてんじゃねぇぞ!!」
「あ?ちんたらしてるてめぇが悪ぃんだろうが」
「あ゛⁈やんのかコラァ⁈」
「ちょちょ、喧嘩しない!!君たちがここで喧嘩したら大変なことになr」
ちょっと待て。
俺はさっきから頬だけどキスをされてんだ。
「ちんたらしてんのはコイツだろうがよ」
「…爆豪てめぇ」
「やんのか、あん⁇」
「かっちゃんも轟くんも落ち着いてよ!トラゾーさん困ってるってば!」
困らせてんの君たちだよー?
てか諸悪の根源的なの君だよーデクくん?
「あのっ!!」
「ぅえ⁈」
いいお別れの仕方しようとしてたのに雰囲気グダグダで困惑していたら、デクくんが真剣な眼差しで俺を見上げる。
「もし、またトラゾーさんがヴィラン達に捕まっても僕たちが絶対に助けます!ね!かっちゃん!轟くん!」
「ったりめぇだろ。一般人助けんのがオレらヒーローだろうが」
「あぁ、必ず助けに行きます」
一回りちょいくらい離れた子供らにそう言われてめっちゃ困ってる。
若いからグイグイくるし、これ頷くまで言ってくるやつじゃんか。
後ろの視線も痛いし、板挟みってこういうことを言うんだろうな。
「う、ん…その時はよろしくね…?」
押しに押されて頷く。
そしたら後ろからどつかれた。
「おっっ前はいい加減人を誑かすことばっかすんなって言ってんだろ!!何回言やぁ分かんだよ!!」
「ホントですよ!僕らは気が気じゃないです!!」
「トラゾー、ホント、いい加減にしようね?」
「ヒェ…!」
怖っ。
クロノアさんのこの笑顔が1番怖い。
てかまだこんなに怖い笑顔できたの?
「おいおっさん」
「あ゛ぁ゛?誰がおっさんだクソガキ!」
「中学生より小さいって大変そうですね?」
「はぁ⁇クソガキが何言ってんだしばくぞ?」
「そのクソガキに負けてんぜ?あんたら」
「あ?そっかクソガキには真似できないかな?ただ、慎重って言って欲しいね」
クロノアさんの珍しい暴言聞けてびっくりだけど、急に言い争いし始めたぞこの人ら。
大人が子供に情けないと思うけど、子供側も口悪すぎる。
「あ、あ…!」
なんかぎゃいぎゃい喧嘩始まっちゃった。
収集つかないしどうしよう。
「あ、ぅう…誰か助けてくれ…っ」
そう小さく言ったら体に何が触れ、ふわりと風船のように浮いた。
「「あ゛!!」」
「「あー!!」」
「「は⁈」」
おいお前らホントは仲良いじゃんか。
きれいにハモってるし。
「トラゾーさん大丈夫⁈」
「麗日さん…!」
「助けに来ました!」
この子の力で体が浮いてるのか。
そして、その女の子に俺はお姫様抱っこされてるのは何故だ。
「…あの?この格好はめちゃくちゃ恥ずかしいんだが…?」
「トラゾーさんは可愛いから大丈夫です!」
いや、こんなゴツいの抱えて可愛い女の子が何を言ってるんだ。
「えー…」
「デクくんたちもあんな顔できるんやね」
下の方で叫んでる6人を見て麗日さんが自信満々に空に向かって叫んだ。
「ふふふ!そういえばこういう時に私、言ってみたかったセリフがあるんです!!」
コメント
5件
むっっっっちゃすき、やっぱトラゾーさんはどの世界でも愛される運命なんだなあ( ◜‿◝ )♡
あれ?なんか既視感あるセリフだな?と思ったらまさかのヒロアカの世界で横転した(?)
冬奈様リクエスト