テラーノベル
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「……大変申し訳ございません、失礼いたしました」
「お分かりいただけたならよかったです、安西さん」
早川さんはスタッフのネームプレートを見てそう言うと、リュックを持たない方の手で私の背中をそっと押してロビーの真ん中に立つ。
そして、少しかがむと
「いいか?俺も経験があるが…金や名声に引き寄せられる人間は多い」
と私の耳元で囁く。
――そうだね
「言動には十分注意しろ。拉致監禁されて、痛い目にあって、金の在処を吐かされ、東京湾に沈められるのは嫌だろ?」
フフッ……
「真面目に言っている」
「ありがとう、ちょっと臨場感のある口調で…フフッ……嫌だね。気をつけます!」
しっかりと返事をした私を見る彼の目は、どこか不思議な生き物を見る目だ。
「私も真面目に返事した」
「……ああ、だな」
はっきりとしない返事の彼は、私にリュックを持たせると
「明日、査定に行く。午後、連絡を入れる」
そう言って帰って行った。
私は気になっていたホテルの売店へ行き、東京限定など書かれたお菓子をいくつか買う。
そして部屋に戻ると、真新しいモコモコの部屋着に着替えて、ポットでお湯を沸かした。
――寄付先
パソコン画面を見ながら、買ったばかりのカップ麵を食べる。
まだ片付けていないショッパーに囲まれて、広いスイートルームの一角で食べるカップ麵。
東京限定と書かれていたけれど、カップ麵の味がそう変わるものでもない。
でも
――美味しい
私は、どこか食べ慣れた味にホッとした。
コメント
3件

菊ちゃん、札束は危ないよ。安西みたいな変な虫が寄ってきちゃう。デビットカードとかにしたら?(妙にリアル)。ホテルも事前でネット予約したら取れるのかなあ。変なの。

親戚達の醜い発言の後の菊ちゃんに親身に心配する発言。厳しい中にも優しさを感じます🥹
カップ麺食べてホッとできたことがなによりよかった😌 ほんと希輔さんの言うとおりだからね😰 朝一で行ってくれるようだね。 どんな連絡が入るのか、色んな感情が交錯してるよ〜!!!