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私。
「…………」
「…………」
沈黙の中、彼は静かに目を閉じて息をつく。
「……そろそろ行くよ」
「……え?」
不意にかけられた声に驚いて顔を上げる。
「また来るね」
「あ、うん!待ってる!」
慌てて答える。すると彼は少し笑って踵を返した。
遠ざかる背中を見つめながら考える。
(名前くらい聞いておけば良かったかな)
だけどそんなところが、かわいいんだよね~♪ と、友人が言った。
えっと……それはつまり、どういうことなんでしょう?
「だって、好きな人にわがまま言われたらうれしいじゃない?」
うーん。わたしはあんまりそういう気持ちになったことないのですが……。
「あ! じゃあさ、逆にどんなことがイヤなのか聞いてみたらいいんじゃない!?」
なるほど! それもそうですね。では早速試してみましょう!! えっと……それじゃまずは『好きな人』について質問しちゃいますね。あの……あなたの好きな人は、どのような方が好みですか?
「理想の男性像? そうだなぁ、やっぱり背が高くて優しくて誠実で真面目で正義感のある人がいいかな」
わ、わかりました! えっと……じゃあ、お先にどうぞっ!! い、いえっ! そっちの方が先ですしっ!! ど、どちらとも譲らず、一歩も引きません。
えへへ♪ こういうの初めてなので、嬉しいかも/// はいっ! よろしくお願いしますねっ!! はい! もちろんですよー! 先輩のこと、大好きですもんっ☆ ひゃうぅ!? せ、せんぱいったら~、そんなこと急に言わないでくださいよぉ~。びっくりするじゃないですかぁ。もうっ。
ほぇっ!? えっ!? あっ! ごめんなさいっ!! ついクセで……って違うんですっ! あのっ、そのっ、好きっていうのはそのっ――。
うきゃあああああっ!!! ち、違います違くてですねっ!! あのっ!ほらっ!あれですよっ!? いやぁ~っ、そのぉ……っ! えぇっと……、はい……。
ごめんなさいっ!!!
―――この世界のどこかにあるといわれる国『アヴァロン』
そこは魔法があり妖精族がいる不思議な世界 そんな世界に一人の女の子が生まれました 彼女は妖精族の王の娘、ティターニアといいます 彼女のお父さんはとても偉い王様なのですが、お母さんは普通の人間です ティターニアが生まれたとき、お城の中では大変な騒ぎになりました 何故なら、人間の血が入った子が生まれるなんてとても珍しい事だからです しかし、お母さんのお腹の中に居た時から魔力が強くて、生まれてからもどんどん強くなっていました お母さんはその事で悩んでしまい、とうとう一人で旅に出てしまいました 残されたお父さんは娘を育てる為に必死で働き、立派な王になるべく頑張り続けていました しかし、いくら頑張ってもお父さんには王の器が無かったのか、家臣達は皆逃げ出してしまいます やがて一人ぼっちになってしまった王様は、娘の事を思って泣いてばかりいます ある日の事、泣き続ける王様の前に突然大きな扉が現れました その扉からは眩しい光が溢れ出していて、王様は思わず目を閉じてしまいます 次に王様が目を開けた時には目の前に大きな木があるだけで、そこには誰も居ませんでした
「これは一体……?」
不思議に思った王様は木に触れようとします しかしその瞬間、王様は気を失って倒れてしまったのです 目が覚めると王様は自分の部屋で寝ており、側には心配そうな顔をしている妻と、可愛らしい赤ん坊がいました それがティターニアとの初めての出会いとなりました それから月日が流れ、娘はすくすく成長していきました ティターニアは明るく元気な性格で、誰よりも優しい子に育ちました そんなある日のこと、いつものように二人で遊んでいると急に強い風が吹き荒れてきました あまりの強い風に二人は飛ばされてしまいそうになるけれど、なんとかお互いを支えあって堪えます しかし風の勢いはさらに増してきて、とうとう耐えきれなくなった二人はバラバラになってしまいました 一方その頃、妖精の森では妖精達が慌ただしい様子を見せていました
「大変よ!人間の王が攻めてくるわ!」
「どうしてこんな時に!?」
森を守る為に立ち上がった妖精達は急いで人間達を追い払います そのおかげで人間達は無事に逃げ帰る事が出来たのでした それから数日後、王様の元に一人の王子様が現れました なんでも王子様は妖精達の住む場所を探していると言うのです 王子様に話を聞いた王様はとても驚きます なぜなら妖精達はもうこの国にはいないと言われたからです 王子様はその言葉を聞くなり走り去っていきました