実はイオ、今好きな国が居るんね!
まぁでも、もうその国は居ないんだけど
ろくに空も見えない戦果の煙の中、地雷を踏んで体がバラバラになって死んじゃったんね…
でも、これで良かったのかなとも思ってるよ
だって日帝はアメリカに殺されたから
日帝はアメリカに後悔を植え付けて、永遠に癒えない傷をつけられて喜んでると思う
だってアメリカはこう言ってたから
アメリカ「あの時…日帝の最後の抵抗を避けていなかったら…」
アメリカ「俺は彼奴と同じ場所に行けたのに…」
彼奴は周りに助けてくれる国がいっぱい居る
日帝にはあんまり居なかったのに
本当はイオが助けてあげれば良かった
でもしなかった、イオは死ぬ事が何より怖かったから
正直、好きな国の命より、自分の命の方が大事だと思ったから
今は後悔してる
とてつもなくね
日帝が死んだ後に自覚した、自分なんかより日帝に生きてて欲しかったって
そう思っても遅かったよ
遅すぎたよ
だってもう居ないんだから
…困ったな
ナチス「……」
日帝「……」
私と先輩は図体のでかいこいつを見下ろしながら悩んでいた
日帝「…どうしますか先輩」
ナチス「どうすると言われてもな…」
ナチス「会議中に倒れたと思ったら寝ているし……こんなに苦しそうに唸っていたら無理矢理起こしずらいぞ」
日帝「苦しそうなら起こすべきでは…?」
ナチス「うーん……」
日帝「はぁ……私が起こしますよ」
ナチス「頼んだ」
私はイタ王の体を優しく揺すって声をかけた
イタ王「うぅ…」
日帝「イタ王起きてくれ、会議中だぞ」
日帝「体調が悪いのなら退室しても構わないから」
……起きない
ナチス「…」
日帝「…」
ナチス「医療室に運ぶか…?」
日帝「いえ、荒くすれば起きますよ」
ナチス「な、何をする気だ?」
日帝「ビンタでも食らわせてやれば飛び起きるかと」
ナチス「それは死ぬんじゃないか…?」
日帝「大丈夫です、加減はするので」
ナチス「…元はと言えば会議中に寝るこいつが悪い、よしやれ」
日帝「はい」
私はイタ王の腹の上に乗り、手のひらに息を吹きかけて準備を整えた
ナチス「殺すなよ…?」
日帝「やりませんって」
先輩は何故そこまで心配するのだろうか、ビンタじゃ人は殺せないぞ
日帝「ふぅ…よし、イタ王、失礼するぞ」
そう言って手を振りあげ、イタ王の頬に思い切り叩き付けようとした時
突然イタ王が目を開け、振り下ろした私の腕を掴んだ
日帝「なっ」
そしてそのまま腕を引かれ、イタ王に倒れ込んだ
日帝「おい!起きていたのなら言え!」
イタ王「…」
イタ王は私の腕を離して私を抱き締めてきた
日帝「…」
ナチス「……ふむ」
口に手を当てて観察しないで欲しい
日帝「イタ王、起きているんだろう、離してくれ」
イタ王「日帝…」
日帝「なんだ」
イタ王「死んじゃやだよ…」
日帝「…???」
ナチス「…なるほど」
何が「なるほど」なんだ、私は何も分かってないぞ
日帝「おい…勝手に殺すな」
イタ王「あれ…ここは?」
日帝「…会議室だが」
イタ王「日帝は生きてるんね…?」
日帝「だから勝手に殺すな」
イタ王「えっ……死んでない…死んでないの?」
日帝「はぁ…どんな夢を見たのか知らないが、私は死んでいないし、死ぬつもりもないぞ」
そう答えると、イタ王は安心した顔をして私を抱きしめる力を強くした
イタ王「そっか……そうだよね」
イタ王「そうだよ…日帝はあんな死に方しないよね」
そう言いながら涙目で私を見てきた
…こいつのせいで服が濡れたな……まったく
はぁ……どんな夢を見たんだか分からんな
私が死ぬ……か
まぁ死ぬなら必ず米国も地獄へ連れていく
こいつはこう見えて弱いからな、私が死んででも守ってやらねばなるまい
日帝「…大丈夫だ、私が死ぬ時は、戦争が終わる時だ」
無論、筆頭を殺し勝つ、という意味だ
私が死んでも、筆頭の米国さえ居なければ戦争は終わるだろう
イタ王「……そんな事言わないでほしいんね」
イタ王「イオ…今度こそ日帝を死なせたくない」
イタ王「日帝はイオが死んででも守るから」
日帝「…!」
こいつにしては意志が強い
芯のある言葉だ
日帝「…ああ、頼む」
ナチス「やっとイタ王がやる気を出したか…」
ナチス「悪夢のおかげだな」
日帝「先輩…冷静に言ってないで助けてください」
日帝「背骨が変形します…」
頑張ったけど、変わらなかったよ
連合軍の勝利
でも、良かった
今度は日帝に置いていかれなかったよ
イオ頑張ったよね
今度は裏切らなかったよ
2人とも同じ場所に来れた
こんな場所だけど、一緒に居れるから
一緒に
コメント
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続き楽しみ(((o(*゚▽゚*)o)))