ピュアなイギリス×グイグイ行く日帝
今日は日帝さんをお招きして、ちょっとしたパーティーを開催する事になりました。
日帝さんの好きなフリージアを飾り、日帝さんの好きなサンデー・ローストもこだわって料理人達に焼かせました。
彼はいっぱい食べるでしょうから、きっと3人前は食べるでしょう、多めに焼かせなければ。
そうして開催される時間になり、大勢の客人が入って来た
一番に入って来ると思っていた彼の姿は見えなかった
モノクルを拭いてもう一度会場を見渡しても、姿は無い
イギリス「…」
私はテラスに移動し、そこにあった椅子に座って頬ずえを着きながら懐中時計を見ていた。
アメリカ「あ、こんな所に居たのかよ」
アメリカ「主催者がこんなとこで何やってんだよ」
そこにアメリカがワインを2杯持ってやってきた
イギリス「いえ…少し酔ったので夜風に当たろうかと…」
アメリカ「ダウト、まだ始まったばっかりだし、まだ一滴も呑んでないだろ」
アメリカ「シケた面してよー、お偉いへの対応で疲れちまったのかよ?」
アメリカは私と対面の席に大胆に座ると、こちらにワインを差し出した。
アメリカ「嫌な事でもあったんなら呑んで忘れろよ」
アメリカ「別にそこまで重要なパーティーって訳でもねぇんだし」
この子なりに気を使ってくれているんでしょうかね…
イギリス「では頂きます…」
私はそのワインを一気に飲み干した。
アメリカ「おい!いつも比較的英国紳士してるお前が香りも楽しまずイッキすんなよ!」
イギリス「良いんですよ…どうせ浮かれてたのは私だけです…」
アメリカ「はぁ?」
アメリカ「このパーティーに好きな奴でも呼んでたのかよ?」
アメリカ「自分の親父の恋愛話聞きたくねぇけど…少しくらい聞いてやるから話してみろ」
私も自分の息子に恋愛話をするのは恥ずかしいのですが……今の私は酔っているので仕方が無いですよね。
イギリス「開催と同時に一番に姿を見せてくれると思っていたのに…彼は一向に姿を現してくれない…」
イギリス「飾り付けも料理も、彼の為に用意した物だったのに…」
アメリカ「ahh…可哀想に」
アメリカ「相手は……」
アメリカが「相手は誰だよ」と私に聞こうとした時、彼の声が聞こえた。
???「英国はどこに行ったんだ?」
???「さぁ?」
???「分かんないんね」
私は勢いよく立ち上がり、手袋をはめ直し、シルクハットを整え、ループタイをキツく締めて身だしなみを整えると、その声がする方に駆け足で向かった。
アメリカ「あ、おい!親父!?」
アメリカ「何処行くんだよ!?」
テラスを出てすぐ目に入った
洋風の服を身に付け、シルクハットを身に付けている彼の姿が
日帝「ん?」
日帝「英国じゃないか」
彼はこちらに気付くと一直線に私の元へ歩いて来て、私の頬にチークキスをした。
イギリス「what is this…?」
日帝「そちらの文化の挨拶だろう」
日帝「ハグもした方がいいか」
イギリス「い、いえ!結構です!」
私は柄にもなく照れてしまい、顔を見せまいとシルクハットを深く被った。
日帝「どうした?」
イギリス「お、お気になさらず…」
日帝「英国はこういうすきんしっぷは苦手だったか、すまん、今後は控える」
イギリス「苦手という訳ではなく!」
日帝「そうか」
日帝「なら次からはそちらからしてくれると助かるな」
日帝さんは小声でそう私に耳打ちをすると、枢軸の方々の方へと戻って行った
私はその言葉を聞いて、唖然として立ち尽くすことしか出来なかった。
アメリカ「案外近くに居たな…って親父?」
アメリカ「おーい?」
アメリカ「あー…例の人から熱いkissでも貰ったのかよ?」
変な時に図星をついてくる…
イギリス「黙りなさい…」
私はワインを手に取り、近くの椅子に腰を掛けると、料理を口いっぱいに詰め込み、ニコニコとして食べている彼を見て、ワインの香りを嗜んだ後、口に含んだ
The smile of a loved one goes well with alcohol.
狡猾で上から目線なイギリス×昭和人間日帝
仲悪め
イギリス「初めまして、私はグレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国と申します」
日帝「随分と長い名前だな」
目の前の小柄な男性はそう言って腕を組んだ
私がわざわざ来たというのに、この目も合わせようとしない。
私の足元にある花しか見ていない、目の前にいる私より、こんな雑草しか見ていないと思うと心底苛立った
イギリス「イギリスとお呼びください」
苛立つ気持ちを抑えて下手に出てみる。
日帝「了解した、私は大日本帝国、日帝でいい」
日帝「それと、我々は対等な関係だ、その取り繕ったような態度はやめろ、気味が悪い」
いちいち癪に障る…
イギリス「分かった、これからよろしく頼むよ日帝くん?」
日帝「くんは辞めろ、私は貴様より年上だぞ」
イギリス「あら、対等な関係と言ったのは貴方では?」
口元に手を持っていきくすくすと笑うと、彼は苛立ったようで、拳を握っているのが見える、今にも飛んできそうだ、実に面白い
イギリス「HAHA!ご不快だったかな?」
日帝「…もう挨拶は終わっただろう、帰れ」
イギリス「お互いの国の為にもっと親睦を深めるべきだ」
やっと彼の揚げ足を取れたのだ、まだ帰る訳にはいかない
日帝「お前とこうして話している間にも息子が私を待っているんだ」
イギリス「息子…か」
イギリス「なら会わせてもらおうか?」
イギリス「いずれ何処かで会うことにはなるんだ、挨拶くらいしておくべきだろう、それに……」
日帝「駄目だ」
日帝「息子には絶対に会わせない」
彼は細い指を刀へと滑らせ、刀の柄を握ると、こっちの様子を確認しながらこちらを屑を見るような目で見た
日帝「息子に何かをする気なら、同盟国だとしてもここで叩き切るぞ」
イギリス「おー、怖い怖い」
イギリス「…貴方が私に勝てるとでも?」
私はステッキを地面から持ち上げ、人差し指で持ち手を押し込んだ。 ステッキの細身の鞘が半分ほど落ちた瞬間、刃を視界に入れた相手の顔から血の気が引くのが見えた。
こちらが武器を持っているとは思わなかったのだろう、随分と頭の回転の悪い滑稽な男だ。
日帝「…本当にやる気か」
イギリス「やる気なのは君だろう?」
イギリス「私は同盟国である貴方の戯れに付き合ってあげるだけだ」
日帝「…」
すると彼は刀を抜き、足を少し開き、こちらに向かってその刀を向けて戦闘態勢をとった。
イギリス「そちらからどうぞ」
そう言うと、日帝くんから小さく「チッ」という舌打ちが聞こえた。
彼は私との距離を詰める為、素早く近ずいてきて、シュッという風を切る音と共に斬りかかってきた。
私は彼の渾身の攻撃を避け、少しよろけた彼の後ろに回ると、刀を彼の首の前に出すと、首を斬られないようにする為か、私の方に少し倒れてきた。それを見逃さず、片手で彼の腹に腕を回すと、とうとう彼は逃げられなくなってしまった。
日帝「くそ…」
イギリス「降参してくれるかな?」
日帝「……」
彼は無言で何も言おうとしない
私は彼の首に当てていた刀を捨て、もう片方の腕も彼の腹に添えた。
日帝「…何をする気だ……殺すぞ」
依然として態度を変えない彼の姿を見て、私は”うっかり”彼の腹を抑える腕に力を込めてしまった。
日帝「がっ!」
日帝「離…離せ!」
イギリス「ははっ!少しは愛嬌があるじゃないか」
日帝「苦し……い…かはっ」
彼の体から段々と力が入らなくなっていく
イギリス「もうギブアップかな?」
日帝「くそ…」
日本「父さん…?」
イギリス「おっと…」
小さなお客さんの登場に驚き、私は思わず腕を離した。
すると彼は力無く床に落ちると、その子供に這って近ずいた。
日帝「日本……」
日本「父さん…具合悪いんですか?」
その子供は彼に駆け寄り、彼の背をそっと撫でた
日帝「腹が痛いだけだ……気にするな」
日本「そうですか!」
日本「じゃあ今日は僕がご飯作りますね!」
私に向けた態度とは真逆の態度だ、彼はこの子供に愛情を持って接しているように見える。
日本「あっちの人は誰ですか?」
日帝「…同盟国になる国だ」
日本「そうなんですね!」
イギリス「初めまして、今回大日本帝国殿と同盟を結べる機会を頂いた、グレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国……イギリスです」
日本「同盟国…!」
日本「初めまして!大日本帝国の息子、日本です!」
イギリス「礼儀正しいお子さんですね?」
そう言って未だに立ち上がれない彼に視線を送ると、目を逸らされた。
日帝「……挨拶は既に終わっている、もう貴殿は帰るといい」
イギリス「いやいや、どうやら大日本帝国殿は立つこともままならないご様子、私が看病を致しますよ」
日帝「遠慮する」
イギリス「遠慮なんてなさらず!」
日本「父さん、イギリスさんがこう言ってくれてるんですから!」
日本「それに、立てないならお家に入れないですよ」
日帝「だが…」
イギリス「日本さん、今日は泊まらせて頂いても?」
私がそう言うと、日本さんは嬉しそうに目を輝かせて言った。
日本「はい!」
日帝「おい日本…!」
日本さんは「お茶用意してきます!」と言って先に家へと向かった
イギリス「さて、私達も行くとしよう」
私は日帝さんを姫抱きで抱き抱え、彼の家へと歩き出した。
日帝「貴様…どういうつもりだ」
そう言う彼を無視して歩いていると、服を掴まれた
イギリス「どうしました?」
日帝「日本に手を出したらその首跳ねてやる」
イギリス「ははっ本当に貴方は面白い」
イギリス「これからよろしく頼むよ」
日帝「はぁ…こちらこそ」
これからが楽しみだ
紳士なイギリス×日帝
今日は英国の茶会に招待された
「楽な服装で来て欲しいです」と、英国からの手紙には書いてあったが、何を着ていったら良いか思い付かない。
そこで、息子の日本に尋ねてみる事にした
日本「イギリスさんとお茶会を…?」
日帝「ああ」
日本「楽な服装って…うーん…」
日本「着物で行きましょう」
日帝「それは普段通りすぎると思うが…」
日帝「折角呼ばれたのだから、もう少し着飾って行った方が…」
日本「いえ、和服で行きましょう」
日本は強気にそう言い張っている
日帝「…分かった」
日本「選んでくるので待っていてください、大丈夫です、ちゃんと似合う物を持ってきますから」
そう言った日本画持ってきたのは、淡い黒色の着物と、黒の羽織だった
日帝「文句を付けるようで悪いが…地味ではないか?」
日本「良いんですよ地味で」
日本「それに、父さんには黒が似合います」
日本「緑色よりも」
何か含みのある言い方で日本がそう呟くと、私の服を掴んだ
日帝「…?」
日本「手伝いますよ」
日帝「要らん」
日本「要らんじゃないでしょう」
日本「帯の巻き方分かるんですか?」
日帝「…分からん」
私がそう言うと、日本は「ほらぁ…」と、呆れたように言った
言われるがままに私は今着ていた服を脱ぎ、日本から渡された着物に袖に腕を通した
日本「帯巻きますよ、キツかったら言ってくださいね」
日帝「分かった」
日本は慣れた手つきで私の帯を巻くと、羽織を私に軽く羽織らせた
日帝「羽織りには袖を通さなくて良いのか?」
日本「はい、それがオシャレですから」
日帝「日本」
日本「はい」
日帝「帽子は…」
日本「必要ですか?」
日帝「必要に決まっているだろう!」
帽子を被らなければ、私のこの耳が隠せない
英国にはまだこの耳を見せた事は無いし、きっと驚かれるに決まっている
日本「仕方ないですね…ではこれを」
日本は渋々といった様子で、私の頭にいつもの軍帽を被せた
日本「服の雰囲気的に無い方が良いんですけどね…」
日本「…あ、もう行く時間じゃないですか?」
日帝「ああ、行ってくる」
日本「行ってらっしゃい」
玄関を開けて外に1歩踏みだすと、門の前に誰かが立っているのが見えた。
ほんのり薔薇と紅茶の香りがする。
こいつは……
イギリス「おはようございます、日帝さん」
日帝「英国?」
日帝「何故此処に?」
イギリス「待ちきれなかったのでお迎えに来ました」
いつも通り、英国は紳士的な対応をしてくれる
その長い脚は常に揃っているし、話す時、手に動きを付けて話してくれる為親しみやすい。
笑顔を絶やさず、眉間に皺を寄せている所を見たことが無い。
イギリス「どうかなさいましたか?」
日帝「いや、なんでもない」
イギリス「そうですか、では行きましょう」
家の門をくぐると、家の前にレトロな車が止まっていた。
イギリス「お乗り下さい」
私は助手席に座りシートベルトを締めると車は走り出した
特に話すことも無く数分が経ち、その沈黙に耐えかねた私は英国に話しかけた。
日帝「迎えにこさせてしまった挙句、車まで用意させてしまってすまないな」
イギリス「お気になさらず、私がそうしたいと思ってした事ですから」
勇気を出して話しかけたが、その会話は一瞬で終わってしまった。
また数分の沈黙が過ぎていると、なんだか眠くなってきてしまった。
揺れも少ないし、暖かくて、安心する香りがする
私の瞼は次第に重くなり、そのまま眠りについた
日帝「…ん」
重い瞼を開けると、ふわふわとした感触と、硬い何かにしがみついている感じがした
イギリス「…」
私がしがみついていたのは英国の腕だった………肝心の本人は本に夢中で私が起きたことに気付いてないようだ。
英国の腕からそっと手を離すと
イギリス「あ、おはようございます日帝さん」
気づかれた
日帝「おはよう」
日帝「すまない、迷惑をかけたみたいだな」
イギリス「気にしないでください」
イギリス「まだ眠かったら寝ていても大丈夫ですよ」
英国は本を閉じ近くのテーブルに置くと、立ち上がって部屋から出ようとドアノブに手をかけていた。
日帝「ま、待ってくれ、私はもう寝ないぞ」
イギリス「なら目の覚める紅茶をご用意してきますね」
そう言ってこちらを見て微笑むと、英国は部屋の外に行ってしまった。
1人部屋に残された私は、ずっと此処に居る訳にもいかないと思い、廊下へと出た。
さて……イギリスは何処に行ったのだろうか
まぁ、とりあえず此処から1番遠い部屋に向かってみて、奥から探してみるとしよう。
私はその部屋に辿り着き、ドアノブを握り、下げながら押して扉を開けた。
アメリカ「おい親父!ノックくらいしろっての!!」
アメリカ「……日帝chan?」
……この部屋には絶対に居ないな
即刻退避せねば
日帝「…失礼した」
そう言って静かに扉を閉めようとしたその時、米国の手が伸びてきて、ドアを抑えられた。
アメリカ「来てたなら教えてくれよー」
アメリカ「来てるって分かってたら二人で遊ぼうと思ったのによ」
これは…殺られる…!!
部屋を見たのが不味かったか…!
特に変な部分は見られなかったが、何かを隠している最中だったのかもしれない…
早く逃げなければ!
日帝「ぜ、全力退避っ!!」
私は来た廊下を全速力で走り始めた。
アメリカ「おーい、待ってくれよー」
後ろからはドンドンとやけに重い足音がする。
歩いていた時も思ったが、何故この屋敷の廊下はこんなにも長いんだ!!
着物で走りにくい…
アメリカ「ちょ…マジで待てって!なんで逃げんだよー!」
ようやく廊下の終わりが見えた!!!
この角を曲がれば廊下は終わる筈だ!
私が走ってその廊下の角を曲がった瞬間、何かにぶつかってしまった。
日帝「い”っ!!」
イギリス「あッ……え!?」
丁度そこには英国が居たようで、彼に突進する形になってしまったらしい。
イギリス「すみませんっ!大丈夫ですか?」
英国の焦る顔は久々に見た、少し物珍しく思いながら、彼を見上げると、英国はギョッとした顔をして固まってしまった。
アメリカ「はぁ…っ……やっと…追いついたぞ」
日帝「執拗いぞ…!」
アメリカ「WOW…Are you OK?」
此奴は急に何を言うんだ、別に何処も怪我してはいないというのに。
アメリカ「鼻血出てる鼻血…」
日帝「はっ…」
アメリカ「親父とぶつかっちまったのか…?」
アメリカ「そりゃそうなるよなー…親父体幹強いから一緒に倒れてくんないし」
米国は、取り出したハンカチを私の鼻に押し当てた。
アメリカ「まぁ追っかけた俺も悪いか…悪ぃな」
日帝「…ふん」
此奴が私相手に下手に出ているのを見るのはなかなか良いかもしれないな…。
アメリカ「おーい、親父ー」
アメリカ「固まってんなよー」
イギリス「ハッ…」
イギリス「日帝さんごめんなさい!私のせいでお怪我を!」
日帝「いやいい…」
日帝「というか…突進してしまったが英国は大丈夫なのか?」
イギリス「私は問題ありません」
日帝「なら良かった」
イギリス「良くないですよ!私は貴方にお怪我をさせてしまったんです!」
日帝「そうだな…じゃあ贖罪として今日は泊めてくれ」
日帝「結構な勢いで突進してしまったからな…首やら鼻やら尻やら、痛くてしょうがない」
アメリカ「そんなに怪我してたのかよ…」
イギリス「分かりました、今日は泊まってください」
日帝「感謝する」
アメリカ「日帝chan泊まんの!?」
アメリカ「じゃあcake食おうぜ親父ー」
イギリス「そうですね、紅茶と一緒に飲みましょうか」
日帝「米国と一緒なのは癪だが、茶会、楽しみにしているぞ」
イギリス「はい」
今日は賑やかな茶会になりそうだ
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最初のお話の最後の最後イギリスさんが英語で言ってくださってる言葉まじで最高……ノックアウトされた