テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「……ふぅ…うっ…あぁぁ………」
唇から漏れる甘ったるいあえぎ声が耳を犯し、脳内を侵食していく。
首、胸、脇腹、脚へと愛撫が移るにつれ着実に体温は上がり、焦ったい程の緩慢な動きが、私を追いつめる。
「もぅぅ…いやぁぁ……」
「いや、じゃないでしょ。どこもかしこも、紅く染まって誘っている」
「ひっ! やぁぁ……」
意地悪な言葉と共に、双丘の頂きで自己主張を続ける突起を弾かれれば、頭からつま先まで強烈な痺れが全身を駆け抜ける。
「鈴香、逝っちゃったの? 本当、可愛い」
「も、も……いじわる、しないで」
「意地悪なんてしてないでしょ。鈴香に気持ち良くなってもらいたいだけだよ」
「はぁぁっ、うぅん………」
耳を喰まれ、直接脳へと響く淫靡な音にも感じてしまい、唇から叫声が止まらない。
鏡の中の自分が涎を垂らし、橘を誘う。上気した頬、焦点が合わない潤みきった瞳。しかも、両脚は糸が切れたように開ききっている。
決して美しいとは言えない、はしたない格好をしているのに、何故か鏡の中の自分の姿を美しいと感じた。
欲望のままに、鏡に写る真紘を誘う。
脱力した脚を持ち上げ、自らの意思でM字型へと開く。震える指先を、愛液を垂れ流す蜜壺の入り口、二つの花弁へと添えると、グイッと開いた。
耳元でゴクリっと喉を鳴らす音が聞こえた。
橘もまた、求めてくれていると言う自信が、私を更に大胆にさせていく。
花弁に添えた指先はそのままに、残っている指を蜜壺の中へと埋めていく。グチュっと淫靡な音を響かせ、一本、二本と指が埋まっていく光景は、視覚的にも橘を誘う。ゆっくりと埋めた指を抜き差しすれば、指の動きに合わせて溢れる愛液も増えていった。
――奥が疼いてしかたがない。
快楽の波を追うことに必死だった私は、背後から伸ばされた橘の手に気づいていなかった。
「ひっ! やぁぁ…あぁぁぁぁ……」
甘く、甲高い叫声が部屋に響国。
出たり入ったりを繰り返していた指の上、剥き出しになった蜜芽に橘の指先が添えられ弾かれた。
「クリも一緒に弄ってあげる」
「ひっ‼︎ いやっ、あはぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
摘まれ、潰され、捏ねくり回され、次々に襲い来る強い刺激に、唇から叫声が放たれる。強すぎる快感に、停止した指も、手首も、一緒くたに橘の手に掴まれ容赦なく動かされ蜜壺が泡立った。
蜜壺内のシコリを己の指先が掠める度に強烈な快感に襲われ声を抑えることが出来ない。そんな私の変化を橘が見逃すはずもなく、ピンポイントにシコリを擦るように指を動かされれば、我慢など出来ようもなく、簡単に潮を噴き上げた。
永遠に続くかと思われたイキ地獄は、耳元で囁かれた言葉で終わりをむかえる。
「今夜は優しくしようと思ったけど無理。鈴香、煽り過ぎだ」
「へっ!? あっ……」
鏡の中に見えた橘の瞳は、獲物を前に舌舐めずりする獣を思わせるような色を湛えていた。
その瞳の中に自分の姿を見つけた刹那、欲望が弾けて溢れ出した。
――あぁぁ、真紘が欲しい。
お互いに限界が近いとわかっていた。
性急な手つきで押し倒された私の両脚が持ち上げられる。
欲望を滲ませた視線が絡み合う。
燃えるような欲望を宿した瞳を綺麗だと思った瞬間、最奥に打ち込まれた楔に、私の唇から悲鳴があがった。
蜜道をみっちりと埋める楔は、痛いくらいに熱く太い。突然与えられた衝撃に、蜜壺は悲鳴をあげ、痛みを訴える。けれども、涙の滲んだ瞳で見上げれば、橘もまた苦しげに顔を歪めていた。
私の呼吸が整うまで、待ってくれている橘の優しさに胸がキュっと痛む。温かな思いで心が満たされれば、痛みで強張った身体も解けていく。
「もう……だ、だいじょ…ぶ……」
「鈴香、ごめん。無理させる……」
ゆっくりと動き出した楔は、蜜壺の中を丁寧に擦っていく。少しずつ角度を変え抜き差しを繰り返すたびに、蜜道内はわずかな快感を拾い緩んでいく。そして、快楽の芽を探し当てた楔が一点を擦る度に湧き上がる快感が、身体を快楽の底へと沈めていった。
羞恥も理性もかなぐり捨てて、欲望のままにお互いを貪り続ける。
「あぁぁ…いぃ…気持ち…いいからぁ……」
徐々に速くなる律動。そして、さらに体積を増していく楔に容赦なく内壁を突かれ、限界が近いことを悟った。
「鈴香……愛、愛している。一緒に……」
「あぁぁぁぁ…真紘……」
耳元で響いた熱い吐息。そして最奥に叩きつけられた飛沫を愛しいと感じながら、私は気怠い幸福感に包まれ、意識を手放した。
※
心地よい揺れに、深淵へと沈んでいた意識が浮上してくる。
気持ちいい……
全身を包む温かな感触に目を開ければ、靄の中に、真っ白な天井が見えた。
「鈴香、目が覚めた?」
耳元で聴こえた愛しい人の声に、首を動かせばバシャっという音がたつ。
「……真紘…ここ、お風呂?」
「あぁ。鈴香、気絶しちゃったんだよ。そんなに気持ち良かったの」
「ひっ…あぁぁ……」
腰に回されていた手が悪戯に動き、敏感な部分をなぞり離れていく。そんな些細な指の動きでさえ、彼の愛撫に慣らされた身体は敏感に反応してしまう。
「ま、待って。これ以上は、無理……」
「今夜は、もうしないよ。声も枯れているし、一人じゃ動けないでしょ?」
橘の言葉に、浴槽の縁に手をかけ力を入れようとしたが無理だった。この分だと立つ事も難しそうだ。
「それにしても、今夜の鈴香はエロかったなぁ。あんな誘われ方したら、どんな男だって落ちる。鏡の前で自慰……」
「あぁぁぁぁ、やめてぇぇ」
恋人から聞かされる自身の痴態ほど恥ずかしいものはない。
最後の力を振り絞り、暴れてみるが水がチャプチャプと揺れるだけで、大した抵抗にはならない。
――沈んでしまいたい。
そんなことを本気で考えていた私の耳に真剣みを帯びた橘の声が聞こえた。
「鈴香は、忘れ去りたいのかもしれないけど、俺は忘れないよ。初めて、ありのままの鈴香を俺に見せてくれたんだろう?」
確かに――
あの鏡に映っていた私は欲望に忠実な、ただの女だった。何の鎧も、仮面もつけていなかった。
そんな私に橘は欲情してくれた。
欲望にまみれた私を綺麗だと言い、愛していると言ってくれた。
「えぇ……、真紘はあんな私でも愛してくれる?」
「もちろん。どんな鈴香も愛している」
橘の言葉で心が満たされていく。
これからも、ありのままの自分を曝け出すのが怖くなる時が来るだろう。その時は、橘が偽りの仮面を打ち壊してくれる。
けれども、少しずつ自分も変わっていきたい。
――ありのままの自分を愛せるように。
【完】
103
30
瑠璃マリコ
62,300
苡 咒 。
100
コメント
1件
えぇ〜最終回!?エモすぎて泣いた😭💕 鈴香ちゃんがついに“ありのままの自分”を曝け出せたのが本当に尊すぎる…!鏡の前のシーンとか、橘くんが「どんな鈴香も愛してる」って言ったところで心臓がギュッてなったよ…こんなに信頼し合える関係、憧れるなぁ〜💞 お互いに求めて、受け入れて、愛して…まじで理想のカップルすぎてニヤニヤが止まらんかった🥺完結おめでとうございます!2人のこれからもずっと見ていたいです!!(次の日常編とか、もし書かれたら絶対読みに行くからね!!) 美月ゆめか🌸でした〜✨