テラーノベル
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「……綺麗。」 あの日のことは、今でも鮮明に覚えている。 中学三年生の春。 たまたま通りかかった公園で、一人の女の子が歌っていた。 夕日に照らされながら、目を閉じて歌うその姿は、まるで物語の中から飛び出してきたみたいだった。 透き通るような歌声。 優しくて、力強くて。 その歌は、不思議なくらい真っ直ぐ僕の心に届いた。 不思議と涙が溢れる。 名前も知らない。 話したこともない。 それでも、その瞬間に思った。 ──この人に恋をした。 その日から僕はあの子ばっか考えていた。ある日僕はだるいなと考えながら塾に来ていた。その時あの子が僕の目の前にいる。僕は思わず聞き耳を立てる。 「星街さん、こっち!」 塾の先生がそう呼ぶ声が聞こえた。 あの子の名前は、星街すいせい。 それから僕は、すいせいのことを調べた。 好きなもの。 通っている中学校。 志望校。 ……そして、偶然にも。 「えっ、ここ受けるの?」 僕が目指していた高校と、すいせいの志望校が同じだった。 運命なんて信じていなかった。 でも、この時だけは違った。 絶対に同じ高校へ行く。 そう決めた。 それから僕は、すいせいさんに振り向いてもらえるくらいの人になるため、毎日欠かさず筋トレと勉強を頑張った。 そして、今日。 桜が舞う四月。 僕──けるりは、制服に袖を通し、高校の校門をくぐった。 「今日から高校生か……。」 胸が高鳴る。 理由は一つ。 すいせいに会えるからだ。 体育館では入学式が始まろうとしていた。 新入生が次々と席に座っていく。 僕も辺りを見渡す。 「……あ。」 見つけた。 少し離れた場所に、青い髪の女の子。 間違いない。 星街すいせいだ。 「やった……!」 思わず笑みがこぼれる。 でも次の瞬間。 すいせいは何事もないように立ち上がると、そのまま体育館の出口へ歩いていった。 「え?」 先生もまだ来ていない。 誰もすいせいさんが抜け出したことに気づいていない。 「どこ行くんだ?」 気になって仕方がない。 少し迷ったあと、僕は席を立った。 「……追いかけてみよう。」 静かに体育館を抜ける。 廊下の先には、ゆっくり階段を上っていくすいせいの姿。 見失わないように距離を保ちながら、僕も後を追う。途中、すいせいさんが何度か後ろを振り返るたびに、僕の心臓は飛び出しそうになった。 一階。 二階。 三階。 そして、さらに上へ。 「……屋上?」 最後の扉が、ギィッと音を立てて開く。 春風が吹き抜ける屋上。 フェンスの前で、すいせいは一人、空を見上げていた。 その横顔はどこか寂しそうで、入学式を抜け出したとは思えないほど静かだった。 「……あの。」 僕が勇気を出して声をかける。 すいせいはゆっくりと振り返り、初めて僕と目が合った。 その瞳は、どこか冷たく、何かを諦めたような色をしていた。のキャプションってどんな感じかな?
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鬼神半鬼
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しょうまる
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コメント
1件
うわあ、第一話からグッとくる出だしですね……! 公園での歌声に一目惚れするところ、運命を感じて同じ高校を目指す主人公の純粋さに胸が熱くなりました。入学式で彼女を見つけたときの「やった…!」の感情、すごく共感します。でも、屋上で見せたすいせいさんの冷たい瞳の伏線が気になる……。ただの恋愛ものじゃなくて、彼女の背景に何かありそうな予感がして、続きが気になります!