「すき」なんて簡単に言わないで
○○×田中樹
○○side
「○○ちゃん何してんの?」
「樹先輩、とくになにもしてませんよ」
「うそつけー今スマホでなんか見てた!」
「先輩、変態ですか?人のスマホ勝手に見るって」
「おい!違うよ?勝手に見えたの」
「そーですか、まぁ何もしてませんよ」
「えー教えてよ」
しつこいなぁ今日もこの人は
田中樹先輩
1個うえでとあるきっかけで話しかけられるようになった
友達と話しすぎて下校時間がギリギリになっていることに気づき急いで帰ろうとしているときだった
「もうなんなのよ!樹のばか!!泣」
その怒りと涙を含んだセリフが聞こえたと同時にバチンッと頬を叩かれる音がした
「いた、」
「私だけって言ったじゃん!」
「はぁ?騙されるお前が悪いんだろ」
「意味わかんないんだけど泣」
「どうでもいいわ、それだけ?」
「ほんと、さいてい、泣」
「うるさ、泣くなら外いけよ」
「うわぁぁぁん泣」
え、ちょっとまってビンタの音にびっくりして立ち止まっちゃってたけど修羅場?
そんな呑気なことを思っていると、ガラガラと空き教室が開く音がした
やばい、
「あれ聞かれてた?」
最悪だ
「まぁ、はい、」
「ふはっ笑だせぇ俺笑」
なんでよりによって
「えっと、大丈夫、ですか?」
「あーなに叩かれてるとこもばっちりってやつ?」
「すいません、」
「まじかー、まぁ大丈夫よ」
「なら、よかった、です」
「つか俺の事知ってんの?」
「はい、いちおう」
なんでよりによって1週間毎日隣にいる女の子が変わると有名な樹先輩の振られているところを見てしまったんだ
「マジ?俺有名人じゃん」
ある意味ですけどね
「ですね」
「ねーもうちょっと興味もとーよ」
「いや、もう、いいですか」
「えーなんでー?はなそ?」
「下校時間近いんで」
「今何時?」
「18時です」
「んーなら送らせてよ」
はい?なんと?
「いやいいです」
「えーいいじゃん」
なんなの?そーやってほかの女の子を沼らせてきたわけ?
「いいです迷惑です」
「うわ、ますます気になる」
はぁ?????
何の話?
「いいや、送るわ」
「いや、だから、」
「かばんとってくる待っててね」
いや、ちょ、
あぁ、見えなくなった
―ガラガラ
え?なんの音?
音のするほうを向くと、先程樹先輩をぶったであろう女の先輩が立っていた
「やだ、聞かれてた?」
「あの、すいません、聞くつもりは、」
「いや、ごめんね、あんなの見せちゃって」
「いえ、全然、先輩目赤いですよ、冷やしに行きませんか?」
「ふふ笑大丈夫よ」
「でもっ、」
「ねぇ、もしかして樹に話しかけられた?」
え、なんで
「樹ってさ、話し始めたら沼に落ちるから、あなたは私みたいにならないようにね」
じゃあね〜って細くて色白な手を振って先輩は笑顔で、いや、その裏には寂しさと悲しさを含んだ顔で帰って行った
「わりぃ帰ろ」
「はい」
え、なんで私、先輩のこと待ってたの?
なんではいって頷いたの___
コメント
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めっちゃ女の先輩いい人…🥲✨