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7.本番星願side
ダンスの選抜発表の日。
人生の中で1番緊張している気がした。
でもそれよりも堀山くんが足を少し痛めたっていう話が耳から離れなくて、、いつも常備してる痛みが引く塗り薬を貸してあげようと思った。
でも、他の子は断られてて、実際受け取ってもらえるかも分からない。
なんでこんなに緊張してるんだ、こんなことに。
深呼吸をし、話しかける。
『痛み止めの塗り薬塗る?』
そしたら堀山くんは少し驚いた表情を見せたが
『欲しい。』
と言ってくれた。うれしかった。
そこで堀山くんは私の待合室に来た。
塗りずらいいちだからって、私が塗ることになった。
『触るよ。』
堀山くんは、落ち着いた表情で、なんも気にして無いみたいだ。
なんでドキドキしてんだろ。
『終わったよ。』
『ありがと。』
微妙な距離。
周りの子より遠い。
やっぱ特別どころか避けられてるのかな。
まぁ特別になる必要は……ない、はず。
そこからある程度の時間2人で部屋ですごした。
堀山くんが私の座ってるすぐ近くに座るから、肩はふれあいゼロ距離だった。
『ねぇコレ見て』
そうやって見せてきたスマホ。
いつもより仲良くなれた感じがして嬉しかった。
2人で同じスマホを見る。
一緒に笑って、一緒に顔を合わせた。
“ガチャ
ドアの音と共に入ってきたのは、未来だった。
居ないはずなのに。
『なんで。』未来の声はいつもより泣きそうで、私のことを強く睨んでいた。
『みらい。これは、』
『なに?わるい?』私の声をさえぎったのは堀山くんだった。
『2人ってそんな仲良かったっけ。』
未来の声はさらに冷たくなる。
『近づいた。俺からね。こいつはずっと俺のことさけてたよ。』
私の前に堂々と立つ堀山くんは、すごくかっこよく見えた。
『でも今は、星願も近かったじゃん。どこが逃げてんの。』
『俺が無理やり押さえつけてただけだけど。ていうかお前何?仲良くしてもらってた身分で彼女気取り?ふざけんじゃねぇよ。出てけ。』
堀山くんの声は想像を超えるくらい怖かった。
でもそれよりも未来の目線が怖い。
未来は私に近づいてきて、『許さないからね』
と低くそして小声で言ってきた。
その声に震えた体と涙をこらえて、俯いた。
“ガチャ
居なくなるドアの音と共に
私の膝の力が抜けた。
しゃがみこんだ私を抱き抱えるように堀山くんが助けてくれた。
『大丈夫じゃないよな。ほんとにごめんな。』
いつもチャラそうな堀山くんの本当の気持ちが見えたようだった。
『私こそ。ごめん。』
堀山くんが驚きの表情をし
『なんでお前が謝るんだよ。』
といい頭を撫でてれた。
本番が近くなりますます緊張が強まってきた。
『お前ならできる。』そう言って私の背中を軽く叩いてくれた。
そうして私はその手に押されながら舞台に立った。
結果は大成功。
歓声が嬉しかった。