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白風清涼学園――この日、日本で唯一卒業式が行われた学校だった。この学校は、神風、朱音、そして亡き神楽坂と蓮の母校でもある。世界が呪術師ゲームに飲み込まれる中、学園はその伝統を守り続け、卒業式を決行していた。
講堂には、わずかに残った生徒とその家族たちが集まり、静かに式を見守っていた。外界の混乱から隔離されたかのような平穏が漂っていたが、その空気には緊張感も漂っている。
壇上では、卒業者代表の鮫島良一がスピーチをしている。彼はこの異常な世界で、呪術師としての覚悟を決めた。
鮫島良一:
「この学園で学んだことは、私たちにとって何よりの武器です。世界は混沌とし、いつ崩壊するか分かりません。しかし、私たちはその混乱を終わらせる力を持っています…。」
式の間、神風と朱音は静かに座っている。彼らもこの学園を卒業した者として、鮫島の言葉に耳を傾けながら、かつての自分たちの卒業式を思い出していた。
神風:「懐かしいな…俺たちもこんな風に誓ったっけ。だけど、今じゃ世界はこんな有様だ。」
朱音:「あの頃は、こんなになるなんて思ってもいなかった。蓮も、神楽坂も…。彼らがいない今、私たちがその誓いを守らなきゃいけない。」
その時、突然外から強い衝撃音が響き渡る。会場にいた人々がざわつき始め、緊張が一気に高まる。
卒業者代表・鮫島良一:「な、何だ!?外で何かが…!」
神風と朱音は瞬時に立ち上がり、外の状況を確認するために動き出す。
神風:「嫌な予感がする。朱音、行くぞ。」