某月某日、東京――快晴。
渋谷にある都市銀行前に停められた、
黒のSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)。
その助手席の窓の向こうには、
本来は防寒保温目的で着用するフェイスマスクを握り締め、
銀行襲撃に備える累の姿があった。
(ついに本番か…)
「準備はいいか?熊孩子(シォンハイズゥ)」
「…もちろん、バッチリだ」
ハンドルにもたれかかる燕姿(イェンツー)が尋ねると、
累は羽織っていたグレーのジャケットを両手で広げた。
そこには、特製のホルスターに装着された手製の爆弾が、
自分の出番を今か今かと待ち構えるようにズラリと顔を並べていた。
「んじゃ、計画のおさらいだ。もちろん、頭に入ってるよな?」
「ああ、この銀行の人員は…警備員2人に行員は31人。
内、男が15人で女が16人いるけど…。
まず、狙うのは…警備員じゃなくて行員全員だ」
「その理由は?」****************************
*****************************
******
*****************************
**********************
*****************
************
*******************
コメント
1件