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( 1噺のコピペ失礼 )
此方の作品を開いて頂き、ありがとうございます。此方の作品は 最近俳優・アイドル界で人気を誇る🍼【 み!るく 】様の 🩷 × 💛 の カップリング小説となっております 。苦手意識や地雷がある方は無理にご覧にならず、🔙する事をお勧めします 。尚、コメント・♡等はモチベーションに繋がるので、沢山して貰えると嬉しいです🙂↕️🙂↕️ ※ ❤️ × 💛 , 🤍 × 🩷 要素ありますが 、最終的に 🩷 × 💛 になります 。
side 仁人
最初は気まずくて死ぬかと思った。けれど、佐野先輩は驚くほど優しかった。
🩷「吉田、この本面白いよ。お前、こういう静かな話好きだろ」
💛『あ、はい……詳しいんですね』
🩷「まあな。図書委員、二年目だし」
窓から差し込む西日が、佐野先輩の茶色い髪を透かして、銀色に縁取る。仕事の合間に交わす、たわいもない会話。
🩷「ね、吉田の下の名前、仁人だよね。仁人ッて呼んでもいい?暑苦しいの嫌いでさ、笑」
と言われた時は正直とても嬉しかった。先輩の穏やかな声と、時折見せる年上らしい余裕に、僕の緊張は少しずつ溶かされていった。(この人は、僕と同じ側の人間なのかもしれない)静かな図書室を愛する、静かな人。勝手にそう思い込んで、僕は少しだけ、彼に心を開き始めていた。その思い込みは、ある日の昼休みに脆くも崩れ去った。委員会からのお知らせを各クラスに届ける係になった僕は、佐野先輩のいる二年生の教室へと向かった。
💛「……え?」
教室の入り口で、足が止まった。そこには、僕の知らない佐野先輩がいた。クラスの中心で、数人の男女に囲まれて爆笑している彼。
🗣「マジで? 勇斗、それ最高だな!」
🩷「やめろよ、そこまで言ってねーし」
冗談を言い合い、肩を叩き合う。その中心にいる先輩は、図書室で見せる穏やかな表情とは違う、弾けるようなエネルギーを放っていた。彼は、こちら側の人間じゃない。教室の一番陽の当たる場所に座る、いわゆる「陽」の人。僕のような、隅っこで本を読んでいるだけの人間とは、住む世界が違いすぎる。🩷「……あ、仁人?」
こちらに気づいた先輩が、椅子をガタつかせて立ち上がろうとする。
💛『あ、これ、お便りです。……失礼します!』
僕は、彼に声をかけられる前に、逃げるようにその場を去った。心臓が痛い。あんなに眩しい場所にいる人に、あんなに親しげに話しかけていた自分が、急に恥ずかしくてたまらなくなった。それから、僕は意識的に先輩を避けるようになった。委員会では必要最低限の事務連絡しかしない。先輩が隣に座ろうとすれば、
💛『整理しなきゃいけない本があるので』
と離れた。先輩は、僕たちの間に引かれた透明な境界線に、気づいていないはずがない。
🩷『仁人。ちょっと待って』
ある日の放課後、返却本を台車に乗せて運ぼうとした僕の腕を、先輩が掴んだ。
💛『……あ、佐野先輩。すみません、急いでて』
🩷「嘘つけ。ここ数週間、ずっとこうだろ」
先輩の顔は、いつになく真剣だった。いつもの余裕はどこにもなくて、少しだけ、傷ついているようにも見えた。
💛『……僕、先輩のクラスに行ったんです。あの日』
僕は、掴まれた腕を視線で促して、小さな声で言った。
💛『先輩が、すごく楽しそうに笑ってて。友達もたくさんいて。……ああ、僕とは違うんだなって。図書室の先輩は、ただの【おまけ】だったんだなって思ったら……なんだか、怖くなったんです』
🩷「……おまけ?」
💛『僕みたいな人間が、先輩の時間を奪っちゃいけない気がして。……だから、もういいんです。元の場所に戻るだけですから』
沈黙が図書室を支配する。ページをめくる音すら聞こえない、窒息しそうな静寂。不意に、腕を掴む力が強まった。
🩷「ふざけんなよ」
絞り出すような声だった。
🩷「なんで勝手に決めるんだよ。俺にとって、お前との時間がどれだけ大事か、お前は何も分かってない」
💛『え……?』
🩷「最近、なんで話してくれないの。……寂しいんだけど。めちゃくちゃ、寂しいんだけど、俺」
一歩、先輩が踏み込んでくる。図書室の埃の混じった紙の匂いの中に、先輩の清潔な石鹸の香りが混じった。自分の手に、先輩の体温が掠められ、手を握られていると分かる。
🩷「陽キャだかなんだか知らないけどさ。あんなの、ただの処世術だよ。俺が、一番自分らしくいられるのは、ここでお前と本の話をしてる時だけなんだよ」
💛『佐野、先輩……』
🩷「……お前、鈍い。入学式の時、跨りやがった時から、俺はずっとお前のこと……」
そこまで言って、佐野先輩は顔を真っ赤にして口をつぐんだ。
🩷「……とにかく。距離置くなんて、許さないからな。俺がこれだけグイグイ行ってんのに、少しは気づけ、ばか」
side 勇斗
正直、計算外だった。入学式のあの日、俺に「跨りやがった」――文字通りぶつかって転びそうになった、あのひょろっとした一年生。吉田仁人。あいつの、吸い込まれそうなほど真っ直ぐな瞳を見た瞬間から、俺の平穏な日常はどこかへ飛んでいった。仲良くなりたくて、二度目の図書委員になった。最初は死ぬほど気まずそうにしていた仁人も、俺が本の話を振れば、少しずつ柔らかい顔を見せてくれるようになった。西日に透けるあいつの横顔を眺めながら、図書室の静寂に二人で浸る時間は、俺にとって何物にも代えがたい救いだった。
🩷「ね、仁人って呼んでもいい?」
勇気を出してそう言った時、あいつが嬉しそうに笑ったから、俺は「勝った」と確信した。俺たちは、同じ世界の住人だ。この静かな場所が、俺たちの居場所なんだって、そう思ってた。なのに、あの日。昼休みの教室で、騒がしい連中に囲まれて馬鹿笑いをしている時。入り口で、幽霊でも見たような顔をして立ち尽くす仁人と目が合った。(あ、ヤベ……)慌てて立ち上がろうとしたけれど、あいつは
💛「お便りです!」
と叫ぶなり、脱兎のごとく逃げてしまった。それからだ。図書室に来ても、仁人は俺と目を合わせようともしない。隣に座ろうとすれば避けられ、必要最低限のことしか喋ってくれない。透明な壁を、あいつが俺の目の前でガチャンと閉めたような、そんな拒絶。一週間、二週間。……限界だった。廊下を歩いていても、授業を受けていても、考えてしまうのはあいつのことばかり。
🩷「仁人。ちょっと待て」
放課後の図書室。台車を運ぶあいつの腕を、我慢できずに掴んだ。必死に言い訳をして逃げようとする仁人を、逃がしたくなかった。あいつの口から出た言葉は、予想もしないものだった。
💛「先輩が、すごく楽しそうに笑ってて……僕とは違うんだなって。図書室の先輩は、ただの【おまけ】だったんだなって……」
おまけ?ふざけんな。あんな教室での立ち振る舞いなんて、波風立てずに生きるための、ただの化けの皮だ。俺の本当の居場所を、俺が一番大事にしている時間を、「おまけ」なんて言葉で片付けられてたまるか。
🩷「ふざけんなよ」
声が震えた。気づけば、あいつの腕を掴む手に力がこもっていた。
🩷「なんで勝手に決めるんだよ。……寂しいんだよ、俺」
情けない声が出た。でも、もう格好つける余裕なんて一ミリもなかった。一歩踏み込む。鼻先をかすめる、図書室の古い紙の匂い。その奥にある、仁人の体温。そんな体温に縋るように、俺はその愛らしい手を握る。
🩷「陽キャだかなんだか知らないけど、あんなのただの処世術だよ。俺が一番自分らしくいられるのは、ここでお前と話してるときだけなんだ」
心臓がうるさい。あの日、入学式で俺の腕の中に飛び込んできた時から、俺の視線はずっと、この鈍感で不器用な後輩を追いかけていた。
🩷「……お前、鈍い。入学式の時、跨りやがった時から、俺はずっとお前のこと……」
言いかけて、口をつぐむ。顔が熱くて爆発しそうだ。これ以上は、まだ、言うべき時じゃない。でも、これだけは譲れない。
🩷「とにかく。距離置くなんて、許さないからな。……少しは気づけよ、ばか」
真っ赤な顔をしてそっぽを向いた俺に、あいつがどんな顔をしているか。今はまだ、怖くて確認できなかった。
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ねくすと
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ruruha