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『ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ』
「チッ」
「ほんと使えない」
「こいつ要らないだろ」
「要らないよな」
薄暗い部屋 小さな部屋 カランとなる鎖
『だめ、、それだけはっ』
「るせぇよ御前如きが口答えすんじゃねえまぞ?」
『ごめんなさい…』
あんた達の声は小さな部屋によく響いたよね
「着いてこい」
『い…ャ』
「口答えしていいんだっけ?」
『ごめんなさい、もうしません…だから、許してください、ここにいさせてください…』
「無理。いいから着いてこいよ」
「__くん♡こいつが迷子になるくらいとーくへ連れてってあげてね♡」
「もちろんだよ。__ちゃん♡最初からそのつもりだし!」
『…』
痛い 寒い 怖い 悔しい 悲しい 痛い痛い痛い…
捨てられた 本当の親に 12月4日 冬の中でも特に寒かった。 私の本当の名前も覚えてない
親の顔、名前、学校、家、誕生日なにも覚えてない
私ってなに?
「そこの嬢ちゃん!」
『ぇ、いや…来ないでっ!』
「大丈夫か!?」
『いやっ、やめて、ごめんなさい、ごめんなさい!!』
「大丈夫だぞ、おじさんが助けてやるからな!」
『いやっ、いやっいや…』
暖かい声 初めての感覚 誰かに抱きしめられているような
寒くて悴んだ指先は段々とホカホカ暖まっていく
嗚呼、この人は信頼できる人。尊敬できる人。
そんな気がした
『あったかい…』
「目ぇ、覚ましたか?」
『っ、だれ…?』
ビクビクしている私を大きな手で頭を撫でてくれた
「大丈夫だ。悪い奴じゃねぇ」
『…うん』
「なんか食べるか?」
『魚の骨…』
「はっ!?」
『ひっ、いつも魚の骨食べてたので…』
「んなもん食べてたら腹壊すぞ!」
『そう、だったんですね…』
「これ余りだけど」
『こんなの食べていいんですか!?』
「ったりめーだろ!たんと食え!」
『いただきますっ!!』
目を輝かせながらご飯を食べる私を笑ってくれた父さん
「嬢ちゃん、名前は?」
『…分からないんです』
「年は?」
『ううん、』
「誕生日」
『いいえ』
「…両親とかは?」
『両親には捨てられました』
「っ、そうか」
「ちなみに俺は黒梛猪里よろしくな」
『黒梛さん、よろしくお願いします』
「なぁ、嬢ちゃん。1つ提案があるんだが」
家族にならないか?
私びっくりしたよ。
いきなり父さんがそんなこと言うから
『え…?』
「流石にだめか笑」
『いや、嬉しいですっ!』
家族、なりたいです!
「そうかそうか笑今日から嬢ちゃんは黒梛〇〇だ!」
「そして誕生日は今日会った日でいいか!」
『〇〇…!誕生日…!ありがとうございます!』
父さん!
『っ、夢か… こんなことあったもんな』
…… ᴛᴏ ʙᴇ ᴄᴏɴᴛɪɴᴜᴇᴅ