テラーノベル
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「……お母さんには関係ないよ」 そう言いながら、震える指先からスマホを奪い取る。
お風呂にも持って行くべきだった。
はぁーと溜息が出ると涙まで出てきそうになって、何も言えなくなった私はお母さんを部屋の外に追いやろうと背中を押し込む手に力が入る。
「また、そうゆう態度取ったの? お母さん、言ってたじゃない? 周りに合わせて、上手く立ち回らなくてはならないって!」
「……トロフィーを壊したのが、私じゃなくても?」
「誰も信じてくれなかったって言ってたじゃない! あのね、あんまりこうゆうこと言いたくないけど、文も高校生だからハッキリ言うわ! 時には、何も悪くなくても謝らないといけないことがあるの。違うと思っても、『そうだね』と言わないといけないこともあるの。嫌なことされても、笑って流さないといけないこともあるの。みんなそうやって割り切って大人になっていくの。それが出来ないと、生きていけないの!」
途中から声が変わっていって、お母さんが泣いてると気付いた私の手は力が抜けていく。
分かる、分かってる。
だから私は今まで我慢して、みんなに合わせてきたんだよ。趣味隠して、興味ないアイドルの推し活とかして、お小遣いをゼンゼン欲しくない物に使って……ホントのファンを悲しませて。
でもそうしないと友達だと認めてもらえないから、クラスでも浮いてしまうからずっと我慢してきたんだよ。
だけど……。
「メンドウな課題、サボるためにクラスの子、……イジメられてた子のせいになるように嵌めろと言われても、そんなこと言える?」
私の言葉にお母さんは、こっちに引き攣った表情を向けてくる。
「ううん、命令だった。『断ったらどうなるか分かってるよね?』って無言の圧力かけられて、仕方がなくその子呼び出したの。だけどその子、私が嵌める気だって気付いていたのに引っかかろうとしてくれた。私の居場所、守るために。だから、みんなにこんなことしちゃダメだって言ったの! そしたら、イジメられるようになって……。確かに空気読めない説教みたいなこと言ったのは、反省してる。バカだったと分かってる。だけど私、人として間違ったことしてる? 違うよね? それとも何? お母さんはイジメに加担した方が良かったって言うつもり?」
「そんなことは……」
言葉では否定しているけどお母さんはどこまでも歯切れが悪く、本心が漏れてくる。
みんなの前ではウソ吐いて合わせて、後でイジメられてる子にテキトーに謝って言い訳したら良かったんじゃないかっていう本心が。
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