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「大体さ、お母さんは友達出来て良かったね、とか。一緒に出かけられて良かったね、とかいうけど、私がどんな扱い受けてたか分かってる?」
握りしめていたスマホを開こうと顔認証しようとするけど、グチャグチャな顔では感知してくれないのか、私は怒りに任せて強くタップしてパスコードを打ち込む。
写真アプリを起動させたら、最後の写真が一ヶ月近く前の撮影日で止まっているのに情けなくて笑ってしまうけど、お母さんに写真を見せた。
「写真は、こうだよね?」
重い溜息を吐き、次はSNSアプリを開くと、やっぱりブロックされてなかったようで友達三人の投稿は今も見れた。
「あ、れ? 文……は?」
お母さんは不思議そうな顔をして、私のスマホを持ってスライドしていくと、どんどんと表情が曇っていく。
見覚えのある写真なのに私だけ写ってない。お母さん、ホントに気付いてなかったんだなぁ。
「トリミング機能って知ってる? こうやってやるとね、いらない被写体は消せるんだよ」
私が写っている元の写真を編集機能で削り、拡大する。これで冴えない私が消え、可愛い女子高生三人が並ぶ。
それは友達三人がSNSで上げてる写真と全く同じ物が出来上がっていた。
「私って、こうゆう扱いなんだ」
トリミングされる。つまり三人にとって、私は不要で削除される存在。
写真だけじゃない、全てに置いて省かれている存在。
推し活行くのは絶対で、私の話どころか意見すら全く聞いてもらえなくて、ただの人数合わせ。そんないつでも言うこと聞く都合の良い存在。
だってさ、三人グループって難しいもんね?
いつも誰か一人がハブられてしまうもんね。
体育とか、「二人一組になる」の代名詞かってぐらいにあるシチュエーションだし、グループじゃない子と組むのが嫌だっただけなんだよね?
私のこと、ボッチにならないための都合の良い存在としか思ってないよね? ……真希。
同じ中学校で元々仲が良かった三人。リーダーの莉乃に、それに合わせている紗枝と真希。
三人が仲良くなった過程とか知らないし、もしかしたら他に仲良くしていた別の子がいたのかもしれないけど、同じクラスになったのはこの三人だった。
クラスは学科の関係で三年間持ち上がりだと最初から分かっていたし、莉乃はより可愛くてノリの良い紗枝を横に置こうとする。そんな紗枝は二人だけだと理不尽な怒りもぶつけられるからと、その対象に真希を置き自分は宥める役に徹している。
真希からしたら自分は避雷針にされ、二人一組になる時はハブかれる存在。だから当てがうよね、自分の役割を変わってくれて、ボッチにならないための、都合の良い存在である私を。
……って私も同じか。中学生の時みたいに濡れ衣をかけられないため、いざという時に後ろ盾になってくれる存在が欲しかったから。ボッチは狙われるからその隠れみのが欲しかっただけじゃない。
なーんだ、私たちお似合いの関係だったんだ。
「くっだらない! 何が『友達は何に替えられない大切な存在』なんだか! 生きていくために利用するだけの存在って意味なんでしょ! 何か不利益あったらサッサと切るくせに、困ったことがあったら『私たち友達だよね』ってズルい言葉で縛り付けてきて、解決したら去って、私が困っても、濡れ衣かけられても『アイツ別に友達でもないし』って守ってくれなかったじゃない! こんなんだったら、一人の方がよっぽどマシ! 裏切られないからね!」
トゲトゲとした口調でお腹の中に溜まっていた怒りを、お母さんにぶつける。
完全に、ただの八つ当たり。だけど一度溢れたコップの水はもう戻らないのと同じで、私だってもう戻らないんだよ!
「お母さんはいつも、普通の考えならこう、普通の子はこうって言ってたけど、普通って何? 友達がいて、流行りに乗って、みんなで笑ってたらそれが普通なの? じゃあさ、利用し合う友情は普通? 好きでもない物、好きなフリするのが普通? 集団で一人を寄ってたかってイジメて、ゲラゲラ笑うのが普通なの? だったら私は一生変な子のままで良いし、そんなコミュニティに混ざるぐらいなら、イジメられてるほうがマシ! ……そう思う私はやっぱりおかしいの? お母さんが言う普通って何? 一体私に、何を求めてるの!」
ハアハアと息を切らし、喉が熱くて痛い。
どうせ私が普通じゃないと恥ずかしいとか、お母さんのくだらない理想とか、そんな大人の都合ってやつなんでしょ?
次はどんな身勝手な言葉かと、構える自分がいた。
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