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3.夏休み(1)
夏休みから数日たった時、メッセージアプリの通知音が鳴った。
夏希からだ。
「今日って暇そう…?」
夏希から来たこのメッセージに私は考えることなく返した。
「暇だよ!!」
夏希からもすぐに返信が来た。
「今日晴れてるから海に行ってみない…?」
「どこで泳ぐの…?」
「踏切のところの海!」
「待ち合わせはどこでする…?」
「私の家のドアのところで!」
夏希から軽い返事が来た。
「わかった! いつごろ行けばいい?」
「今!」
そう言われ、私はすぐに支度をした。
私は家を出て夏希の家にまっすぐ向かった。
〈 ピ ン ポ ー ン 〉
インターホンを押すと、夏希が はーい と言い、ドアから出てきた。
「久しぶり!りー!!」
「ほんとだね!なっちゃん!」
りーとは、私の「絵里」という名前からついたあだ名だ。
同じくなっちゃんも「夏希」からとったあだ名だ。
「なっちゃんはもう準備できてるの…?」
「うん!!水着と浮き輪とゴーグルとあと…」
「そんなにいるかな…?」
「海だから当然でしょ!」
楽しそうに子供っぽい口調で夏希は答えた。
「じゃあもう行っちゃう…?」
夏希に訊かれ、私は答えた。
「うん!」
そして私たち二人は、海まで歩いて行った。