テラーノベル
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「――なあ、平次。あいつがさ、もし怪盗じゃなかったら、一生の相棒になれた気がするのにな」
帝丹高校2年B組の教室。放課後の夕日が差し込む窓際で、工藤新一は机に頬杖をつきながら、ぽつりと呟いた。
「またそれか、新一。お前、最近そればっかやな」
隣の席の椅子を後ろ前にして座る服部平次は、呆れたようにキャップの庇を後ろに回した。
大阪から東京の帝丹高校に転校してきて数ヶ月。平次は今や、新一のクラスメイトであり、一番の親友だ。
「だってよ……」
新一は手元でサッカーボールを転がしながら、遠い目をする。
「あいつの思考回路、事件の裏をかく時の導線、それからあのポーカーフェイスの裏にある負けず嫌いな性格。推理の時、あいつほど俺の意図を瞬時に察して動く奴、他にいないんだよ。だから、つい思っちまうんだ。あいつが怪盗じゃなかったら、本当に、一生の相棒になれた気がするのにってさ」
「耳にタコができるわ!」
平次は机を軽く叩いてツッコミを入れた。
「東の高校生探偵ともあろう男が、世紀の大泥棒に片思いみたいなこと言うてんやあらへんがな。あいつは怪盗キッドや。お前が捕まえなあかん対象やろ?」
「わかってるよ。わかってるけど……」
新一は急にボールを止め、真剣な目を平次に向けた。
「一回、あいつが怪盗じゃない時の姿を見たいんだ。普通の高校生として生きてる、あいつの姿をさ」
花梨
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千導 渉
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コメント
1件
おお、第1話からもう新一のキッドに対する複雑な感情がじわじわ滲んでますね。「怪盗じゃなかったら一生の相棒」っていう台詞、推理パートナーとしてのリスペクトと捕まえるべき対象としての立場の板挟みが切ない…。平次のツッコミも絶妙で、二人のやりとりがもう既に名コンビ感出てて素敵です!続きが楽しみです!