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俺がポツリと零した言葉はただ、デカイ館の裏庭に木霊した。
考えても、考えても、これからどうすべきか全く検討もつかなかった。そんな時、兄貴の言葉を思い出した。
『どうしたら良いか独だけで分からなくなったら、日本国に居る初めのドールの愛華を探すんだ。大阪か、東京の方に居るはずだ』
『リーダーだからな。信頼できる。頼って頼りまくってしまえ』
そうだ、始めのドールにあってみれば良いんだ。
「思い立ったが吉!行くか、日本国へ!」
そうと決まれば急いで準備しないとだよな。出発は明日の朝、朝は寝坊する事があるからもう準備してても問題ないだろう。
そんな事を考えながら俺はツリーハウスに帰った。
ツリーハウスの中で、着替えやらタオルやら諸々をこの前拾ったデカ目の鞄に詰めた。勿論、兄貴から貰った万能薬も忘れずに。そうしてこの日、俺は、眠りに就いた。
次の日の朝、陽が昇るのと同時に目を覚ました。何時ものルーティンをして、昨日用意した鞄を持って、長年共にいた家に別れの挨拶をして日本国の方へ足を進める。
俺らドールは海ぐらい頑張って走っら、簡単に渡れる。
「パスポートは持ってるし、平気だろ。まぁ、ドールに不法入国も何も無いけどな。にしても、正装でここまで来たが、ホント男っぽいな。なんせ、このデッケー羽織が全身隠せるし、フードも付いてるからな」
走りながらそんな事をぼやく。
俺らドールの言う正装とは、この地球で生まれた時に着てる服の事を指す。他国のドールやお偉いサン達に会うときに着る服でもあるんだ。この服は本当に不思議でさ、ドールの性格だったり、これから辿る運命に合った服装になっている。
俺の正装は、動きやすくって、男っぼい。真っ黒の羽締の中に短剣を仕舞える位のポケットが付いてるっていう、正に今の俺にぴったりだ。
分身にブライは渡しちまったから、今の俺には兄貴から貰ったもう一つの短剣、“桜”しかない。桜は名前のとうり、桜色と言う日本の伝統色らしい。兄貴曰く、この短剣は、枢軸国のドールでお泊まり会をした時に初めのドールがくれた物らしい。これも、ブライと同様二つで一つの短剣だ。
なんてことを考えているとだいぶ進んだみたいだ。
「ちょっと速く走りすぎたか?」
中国の沿岸部まで俺は着いていた。後は、この海を渡って日本国に行くだけだ。
そのまま日本海を渡って東京の方まで行った。
東京に着いたのは、もう日が沈んで夜になった頃。
「此処が東京かぁ。ん〜、戦後って感じ」
まぁ、思ってたような光景が広がっていた。でも、俺の住んでた国の戦時中よりはマシそうだな。そりゃ、戦後だしな。なんて事を考えながら夜の東京をブラブラと歩く。
流石に深夜になると誰もいないなぁ〜。と、思っていたら、人が居た。