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恐怖の館からの脱出

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恐怖の館からの脱出

13 - 第13話 怪物の恐怖

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2022年12月18日

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竜一は夢の世界へ落ちていく。

竜一の5回目の夢が始まる。

「もうこれ以上…だれも死なせない…」


竜一は怪物のでる家のいつもの部屋のベッドの上で目が覚める。

起き上がり机を見てみるとノートが置いてある。中身を読んでみると、死んだ仲間の名前にバツ印がついている。

「ライキや近藤にもついてる…」

相変わらず誰がばつを付けているのわからないが、とりあえずベッドから降り部屋を出る。

ちょうど同じタイミングで今まで閉まっていた右前の扉が開き、中から白井拓馬がでてきた。

「竜一!?…まさか本当に夢の世界へこれるなんて…」

白井はとても驚いている。これは怪物がでてもおかしくはないと言っているが、竜一は白井の

分析力や観察力には1年の頃からいつも驚いていた。

白井は自分の部屋に戻り、何か漁り出した。

すると部屋の中から3つの監視カメラと改造スマートフォンとイヤホンを取り出した。

「こ…これは」

竜一は白井の発明に驚き戸惑っている。

白井は凄い自身満々な顔でそれぞれの物の役割を説明した。

まずお互いに改造スマートフォンを手に持ち、イヤホンを耳に付け、どこにいても会話ができようにした。

白井は運動は苦手で体を動かすのは嫌なので、

自分の部屋で改造スマートフォンを使い連携を取りながら、竜一に、3つの監視カメラを、玄関ホール、牢屋、そしてまだ未探索のその先の部屋への設置を頼んだ。

竜一は牢屋の部屋まで行き、その先の部屋の扉を開ける。

牢屋の次の部屋は謎の実験室だった。

とても大きい実験台が6つもあり、結構広い部屋だった。この部屋の角にも監視カメラをセットし、これで白井は自分の部屋からPCで3つの部屋を監視することができた。

「さぁーここからだぞ!竜一!」

イヤホン越しに白井が竜一に気合いを入れる。

「おう!」

竜一も自分に気合を入れ、怪物が来ないか注意しながら探索を始める。

この謎の実験台の上は血だらけになって乾いてとても臭いがきついし、見たこともない血のついた実験道具も置いてあるが、気分は大丈夫だ。

今まで死んだ仲間のことを思い出すとこの程度は耐えれるようになった。

だが部屋はここで終わっていて、他に続く部屋はなかった。

すると、いきなり白井からイヤホン越しに叫び出した。

「竜一!!人の姿をした2人が寝室からその実験室へ向かってるぞ!!隠れろ!」

白井の言葉を信じ、竜一は1番奥の左の実験台の下に身を隠す。

すると、まったく気配を感じさせずにこの部屋に、

ライキと藍沢叶の姿をした何かが部屋に入ってきた。足音などの音がなく、まったくの無音で部屋中を歩き回っている。

今までいつの間にか後ろにいたり、部屋に突然出現したのは、まったくの無音で気づかなかったのか確信した。

そして怪物はなんと竜一の前で立ち止まった。

竜一は息を殺し、怪物がどこかへ居なくなるのを待つ。

30秒ぐらいたつと、怪物達は部屋からでていった。

「はぁ、はぁ、はぁ…息が…」

ただでさえ空気が悪くて酸素も薄いこの部屋で30秒も息を止めるのはキツかった。

白井が話しかけてきた。

「竜一!大丈夫か?怪物達は玄関ホールの方へ行ったみたいだ。」

竜一は安心し、座り込む。それにしてもなぜ怪物達は

竜一の居場所が分かったのか不思議だった。

ただ怪物は近くにいる人間の心が読めることはできないとわかった。

前回の夢の時は、図書室で奥の方で隠れていたのに、

数十分たって出てきても出待ちされていた。

だが今回は場所は30秒ほどで出ていった。この違いはなんなのだろうかと考えた。

白井にもこのことを報告する。きっと何かわかるかもしれない。すると白井は少し考えながら話しだした。

「推測なんだが、もしかすると息をすることによって、その部屋の温度や湿度が変わり、その出処がわかるからバレたのかもしれない…」

白井は非科学的な科学的の考えをした。

「だから怪物達の目が3つあるのかもしれないな」

これがもし本当だったら白井は相当な天才なのではないかと竜一は思った。

普通の人ならばそこまでの考えはおそらくできないだろう。

竜一は起き上がりこの部屋の探索を続けた。

すると1つの実験台の横に小さいスイッチがあるのを見つけたので押してみる。すると、全ての実験台が床に埋まりどこかで物凄い音がした。

「竜一!玄関ホールの1階の扉が左側だけ開いたぞ!」

やっぱりこの家の作りはあまりにおかしい。

玄関ホールの1階には2つの扉があったのを思い出す。

「そこに行けってことか…」

竜一はおそらくこの部屋にはもうこないと思い、

実験室と、牢屋の部屋の監視カメラを2つ回収し、

玄関ホールへ戻る。

左側の扉の先には、長い廊下が続き奥には赤い扉が見えていた。今日はこれで脱出できると思い、ひとまず白井の部屋へと戻ることにした。

白井の部屋に入ると、たくさんの機械が置かれている。

「す、すげぇな…」

竜一は驚いた。ひとまず監視カメラを2台、白井の部屋に置き、白井と共に玄関ホールへと向かう。

玄関ホールへ着くと、5体の怪物が待っていたかのようにこちらを見ている。

「くっ…今回も簡単には脱出させてくれないのか…」

怪物達は一気に飛び上がり、階段を登らずに襲ってきた。

竜一は白井を死なせる訳にはいかないと思い、怪物の攻撃をギリギリで庇った。

「ぐっ…」

怪物の少し長い爪は竜一の頬に傷を付けた。

「白井!行け!赤い扉へ!走れ!!」

もう一体の怪物の太い腕で竜一は反対側の階段まで吹き飛ばされた。

「ぐぁあぁあ」

壁に叩きつけられもう体はズタボロで動かない

その間に階段を降りた白井。

「絶対に生き延びろ!!立て!立つんだ!!竜一!」

白井の声が聞こえる。赤い扉の前で立ち止まっている。

「ぐっ….だっしゅつ….し…ろ….」

竜一の声はかすれて白井には聞こえなかった。

すると1体の怪物が長い髪を伸ばし、白井の体を一気に

巻きついた。そして怪物の方へ一気に引きずり込まれる。

「うぁぁぁぁぁぁあああやめろおおおおおお」

竜一は起き上がることができない…

白井も食べられそうになる。

「ぐ…うぅ…今回も…だめなのか…」

竜一が諦めかけたその瞬間、3体の怪物がいきなり苦しみだした。

「グギャギャギャギャギャギャァァァァァァァァァ」

白井は準備していたハサミを取り出し、体に巻きついた髪を切り、赤い扉へと走り出した。

「にげ…ろぉぉぉぉぉぉぉおお」

竜一の声は最後に白井に届いた。

残り2体の怪物が白井の方へ向かったが、あと1歩のところで、白井は赤い扉から脱出した。

「よ…よかった…」

残り2体の怪物は怒り狂ったまま、竜一の目の前まできた。

「おれもついに…おわるのか…」

するとさっきまで苦しんでいた3体の怪物が、残り2体の怪物を襲っていた。

「え…仲間割れ…?」

竜一は今しかないと思い、全身が痛むが全ての気力をこの瞬間にそそぎ、立って走り出した。

「はぁ、はぁ、はぁ、」

もう今回は後ろを振り向かないと決めた竜一は

前だけを向いて、赤い扉へ向かった。

後ろの方から近藤の声がした。

「竜一!!走れぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ」

竜一は涙が出そうになるが、扉へダイブし、

夢から脱出することに成功し、気を失った。

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