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炎の勇者 ハジマリのSTART

13 - ライスシャワーの友達、アンフェニローズハート

♥

12

2023年05月01日

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「ねぇライスちゃん!フレイムちゃんの活躍凄いね!」

「そうだね、本当に三冠取れそうだよ!」


ライスとウララはいつも通り学園のエントランスの机にいた。

この2人はいつも仲良しだね。

すると…


「ライス?」

「…今の声?」

「この声…」

「ここだよ!ライス!」

「ローズちゃん!!」

「ライスちゃん、この子は誰?」

「アンフェニローズハートちゃんだよ!」


アンフェニローズハート

遅れて入学してきたウマ娘。ライスシャワーとは幼少期からの仲良し。身長は2人とさほど変わらない。


「ローズちゃん!ハルウララだよ!」

「よろしくねウララちゃん!」




スパァァァァァン!!!!


「フレイム、走りのキレがまた1つ上がってる!」


次のレースは菊花賞。数ヶ月後だ。


「ここがね、ローマさんのチームが練習してるんだ!!」


偶然、ウララ達が見ていた。ライスもいるがもう1人は誰だか分からなかった。


「あっ、ウララ!ライス!」

「ローマさ〜ん!!」


(誰だ?真ん中にいるやつ…)


「見学?真ん中にいる子は…?」

「初めまして、アンフェニローズハートです!ライスとは小さい頃からの友達です!!」

「え?!ライスの?!」

「うん、小さい時…薔薇のことで話し合って、ヒーローになりたいって約束したの!」


アンフェニローズハートはライスの少し下の後輩。話によると、スペシャルウィークと同じ編入学して来たらしい。


「編入学ってスペ先輩と同じだ!!」

「だからね、色々手続きとかがあるんだって」


「はぁ…はぁ…はぁ…」

「フレイム、お疲れ様!」

「…誰君?」

「アンフェニローズハートです!編入学してきました!!」

「…そうか。なら生き残れるか?この勝負の世界に」

「フレイム、新入生にそんな圧力かけないの!!」

「私、フレイムさんの活躍を見て来ました!!」

「…え?」


フレイムの活躍?ということは…!


「フレイムさんのファンなんだねローズちゃん!!」

「本当に?!フレイムのファンが早くも?!」

「うるさいですよ…ファンなら俺を越せるか?」

「なってみせます!」


勇者の憧れが1人やって来た瞬間だった。赤い情熱の赤薔薇の…ステイヤーが!



栗東寮


「ただいま戻りました…」

「おかえりフレイム、嬉しいニュースがあるんだけど」

「…なんですかフジ寮長?」

「…君の同室が決まったんだよ!!」

「同室?」


フレイムの部屋の同室はいなかったが、ついにやって来た。

ずっと1人でいたフレイムの事を思っていたフジキセキは嬉しそう。


「誰?俺と同室になる名前」

アンフェニローズハートだよ!!

「………え?!」


アンフェニローズハートだった。しかも今日初めて会った子だった。


「…さっき会ってきたんですけど?」

「そうなんだ!これから仲良くするんだよ!!」

「分かりました」



フレイム・ローズの部屋


(ローズの部屋ってどうなってるかだな…)


恐る恐る部屋に入ると…


「…何だこれ?!」


キングダムハーツのキーブレードのキーホルダーやフィギュアなどが置いてあった。


(え?!しかも約束のお守りもあるのかよ!!)


まだフレイムがゲットしていない約束のお守りが置いてあった。


「フレイムさん!!」

「…すげぇな」


部屋にローズが入ってきた。凄さのあまり気づいていない。


「え?」

「凄いよ!キーブレードの数、フィギュアまで!!!!」

「よかった、フレイムさんキングダムハーツ好きなんですね!」

「あ…あぁ、ローズもキングダムハーツ好きなんだな…!」

「フレイムさんも好きなんですね!」


俺にはよく分からないけど、ずっと1人だったのに、同室がいるとこんなに…楽しいんだ…



「…………」


「フレイム!フレイム!!」


「…ん?ウィンド?」


ステンドグラス…目覚めの園にいる…


「やっと同室が来たらしいわね!」

「…情報がはえーな、ローズも同じキングダムハーツ好きなんだ」

「えぇ〜!!良かったじゃない!好きな物が一緒って!!」

「…まぁな」


キングダムハーツを知っている友達はダイヤとローズなどいるが、それほど多くいない。

けど、嬉しかった。


「ところで、ローズって誰?」

「アンフェニローズハート、左耳に赤薔薇の髪飾りがあったから、おそらくティアラ路線」

「そうなんだ…」


(良かった、フレイムの友達がまた1人増えたんだね…)


「ウィンド?」

「…ううん、なんでもない!その子に会ってみたいな」

「人の心に宿るから会えるだろ」

「…会え…」



朝だ…

夢でウィンドが言っていた事が分からない。


(あの時、なんて言ってたんだ…?)



休日

フレイムはこの日、群馬県にある「群馬フラワーパーク」に出かけていた。

一緒に行ったのはアルダンとラモーヌだった。


「…綺麗」


1面の花畑に驚いていた。パンジーにガーベラ、マリーゴールドなどが咲いていた。


「素敵ですね!」

「1度来たことあるけど、中々見れないわね、季節によって咲く花は違うみたいだわ」

「ローマさんも群馬に行ったことがあるって、フラワーパークに咲いてる花は綺麗だよって」

「もう師弟じゃない…!」

「師弟じゃねぇよ、憧れだっつーの」

「そういえば、噴水広場で薔薇の展覧会が行われているらしいから、1度行ってみます?」


フレイム達は、薔薇の展覧会が開催されている噴水広場に行ってみた。


「凄い、薔薇が沢山だ!」


すると…


「あれ?フレイムさん!!」

「…ローズ?!」


ローズハートも来ていた。ローズによると、薔薇の展覧会のアンバサダーを務めているらしい。ライスとウララも来ていた。


「フレイムさんもお出かけですか?」

「あぁ、最近遠出してないから、たまにはアルダンやラモーヌを誘って見ようと思ってな」

「じゃあ私が紹介するね!!」


ローズは色々な薔薇を紹介した。赤薔薇や青薔薇、白薔薇など紹介され、花言葉も教えてくれた。


中でも、フレイムが気になっていた薔薇の色は…


「俺、青薔薇好きかも」

「え?」

「なんか、不可能なことを成し遂げるって言われた時、俺の三冠の道に進んでるから、やってやろうって思って」

「フレイムさん…」

「メジロとして初の無敗のクラシック三冠、絶対取ってやるって、たとえ負けても、よく頑張ったって皆から祝福されたら、次頑張るぞって思うんだ!」

「…グズッ」

「ライスちゃん?!」


突然ライスが泣いてしまった。脳裏によぎる今までのレースが…


「恐らく、過去のレースを思い出してしまったようね」

「…違う、ライスは嬉しそう!」

「なんで?!」


ローズには分かる。友達としてのライスシャワーを。


「ライスは、ブルボンの三冠を止めたり、マックの三連覇阻止など、悪いイメージがある存在だったんだけど、それでも走り続けて、良いイメージになったんだよ!」



悪いイメージ…それでも走り続けた…

なんだろう、昔…ライバルに…





「なんで邪魔したの!私の活躍はここしかないの!!!」



「…フレイム?」

「…あっ!すまない!ぼーっとして…」


過去の出来事を思い出してしまったフレイム。あの時何が?


「ローズ、ちょっといいか?」

「え?」



※小声

「ローズ、今日の夜話したいことがあるんだ」

「…私?」



夜 栗東寮


「フレイムさん、話って?」

「俺の過去の話なんだけど…昔俺、ライスと同じ事が1回だけあったんだ」

「え?!」

「その子は…有望なウマ娘になるはずだったんだ…」

「…それで?」

「けど、幼少期のレースで連覇がかかったレースに、俺が勝ってしまった…」

「…その後、どうなったんですか?」

「…”私が輝く場所はここしかないの!”…


幼少期


「さぁ最後のコーナーに入りました!!」


(…行くよ!!)


「メジロフレイムちゃんが抜き去ってゴールイン!!」


「はぁ…はぁ…やったぁ!!」

「…なんで、なんで喜んでいるのよ!!」

「え?!」

「なんで邪魔をするの!!」

「いや…その…」

「私の輝く場所はここしかないの!!」

「……」

「最低だよ…最低の勝者だよ!!」




「………」

「俺にはよく分からなかったんだ、勝利に渇望することなんて分からなかった…」

「…でも、今のフレイムさんは違いますよ!」

「…え?」

「フレイムさんは勝って、その度に強くなっている、編入学した私が言うことじゃないけど…」

「ローズ…」

「たとえ酷く評価されても、強い炎があるから走り続ける!ローマさんを名付けたシューマッハさんもそうだったよ!」

「シューマッハさんが?!」


スクーデリアローマを名付けたジューン・シューマッハは、ある偉人ドライバーの思いを受け継いで走ったドライバー。最初は冷たい印象だったが、同率勝利回数に並んだ時のインタビューでは、インタビュー中に泣いてしまったというエピソードがある。


「ていうか、それいつ聞いたんだよ」

「ライスが言ってたよ!」

「仲良しか…」


同室となったアンフェニローズハート。勇者にとっては、メンタルケアの存在になるかもしれない。






天才…空に去り…瞬く星となる

何を求めていたのか…

生涯…命をかけて…

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