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続いてバルドゥビーダ氏の番だが、フレーズが始まらすバックバンドの演奏のみが続く。

ステージを振り向くと、氏は俺の元へやってきた。

「君らしいギターだ。ここまでスタイルチェンジができる冒険心こそ、君だ。

ただ、一つだけ言っておく。いいか、芸術の神は真実だ。美しさを狙うな。美しさは真実の子供だ。真実を狙え。美はあとから付いてくる」

氏はそう言うと、ゆっくりとステージ中央に向かった。そして、今言った言葉を、音で表現しはじめた。

不意に、涙が出てきた。俺は誰にも悟られないように下を向いた。

はたして、彼に勝つ必要などあるだろうか。そう思えてきた。

俺はただぼんやりと、氏の奏でる音を聴いていると、急に気づいた。

ああ、そういうことか。

バルドゥビーダさんは今、俺にギターの真髄を教えていた。スライドも、チョーキングも、プリングスも、ダブルノートも、観客にではなく、俺に伝えるために弾いていた。

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