いっぎぎ視点
「朝ですね、…」
窓をぴかぴかと太陽が照らしていた
寂しい夜より、こんな朝のほうが暗く見える気がして、心がぼんやりする
明日は私のお誕生日
その日と同時に、フランスは消えてしまうらしい。
お誕生日が消えれば、フランスは消えないのに…
「いただきます」
まだ小さい私だけれど、国は精神年齢が高いので一人の食事も大丈夫
だけど今日だけは、不安に思えた。
カチャカチャと音を立てるナイフとフォークでこの胸を貫いてしまえば…
フランスと一緒に居られるのだろうか?
…物騒な事を考えるのはやめた。
また学校
クスクスと汚らわしい笑い声が聞こえ、水が上から降ってくる
今日の上履きはちくちくしていて、外履きのまま教室へ行ったから、靴を洗うための水なのかもしれません。
体操服は無いのでドイツさんのをお借りしようとしましたが、迷惑が掛かりそうだったのでやめておきます
その体育では私にはたくさんボールが飛んできました
きっと見学でつまらなそうな私を元気付けるためでしょう
ボールが当たってひりひりした部分にあの方達の笑い声が響きました。
足を引っかけて転ばされる遊びをしました
古くなったノートを捨ててくれました
私の机にみんなの寄せ書きを書いてくれました
筆箱の中身を落として遊んで…
ちょっと、遊び疲れてきて。
いつまでこの生活が続くんだろう、って
心の支えが消えるなら、いっそ
そのまま私も消えてしまいたいな
『おはよう、いぎりす』
「あ…ふらんす…」
また、夜
この夜が明ければ、君は居なくなってしまうのだろう
フランスとの日々は無かったことに…
いやだ
いやだよ…
「ふらんす、…消えないでくださいよ…ッ」
「貴方と一緒なら私…地獄にだっていけるのに…」
一緒に居れるなら、どこへ行ったって構わない
それが今より汚らわしい生活だったとしても
ほんとなのです
フランスが居なくなるなら、私の心は壊れてしまうだろう
本音を言うと君と静かに二人で暮らしたかったけれど、そんな夢が叶う事はない
まだ幼いけれど、夢なんか見ちゃいけない…
『…いぎりす、今日は何して遊ぼっか!』
やめてほしい
そんなにキラキラした笑顔を向けるのは
また明日も遊べるのだと錯覚してしまうから
また君の笑顔が見れるのだと錯覚してしまうから…
「…今日は、…ッ…一緒に、お喋りしませんか?」
『分かった!いっぱいお喋りしようね!』
あぁ…
この時間が、終わらぬままでいて
『いぎりす、ばいばい』
今日はいつもと違う挨拶
それが寂しくて仕方が無くて
「ふらんす、嫌です…いかないで…」
精一杯の力を振り絞って言った
ふらんすも消えるのを望んでない
ふらんすに言ったってしょうがない
そんなのとっくに分かっているのです…
『…笑ってほしいな、君には!』
「…!」
ちょっと悲しそうに笑ってこっちを見つめてくるから
フランスも、不安なんだろうなって思っちゃって
「はい…ッ」(笑
大丈夫、またいつか会える
君が勇気を与えてくれた
だから、恩返しをしなきゃいけない
不安がってる私を助けてくれたなら
不安がってる貴方を助けなきゃ
「もう私は…大丈夫です、ふらんす…貴方も、ちゃんと笑ってください」
『…ふふっwなにそれ~w』
「…じゃあまた、どこかで」
『うん、また』
どれだけこれからランドセルが汚れようと
持ち物が無くなろうと
陰口を言われようと
私の心の中には貴方が住んでいます
コメント
4件
ぁぁ……イギリス……(語彙力を失った)
ぎゃあああああああああああああ行かないでえええええイギギを置いていかないであげてええええええあといじめっ子たちの家に核でも落とそうかしら()