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理解する気がない。
『俺が誰かなんて、そんなの考えなくても分かるのに』
涼の言葉がフラッシュバックする。
『────男の恋人が欲しいんでしょ?』
どうして、俺の人生最大の秘密を見ず知らずの人間が知ってんだって泡食った。
俺が同性愛者ということは親も知らない。
唯一それを話したのは、信頼できる従兄弟の創だけ。
彼が話さなければ誰も知ることはない。たから、涼がそれを知ってるのは……確かに考えなくても分かることだった。
創が……話したんだ。
その可能性にすぐ思い至らなかったのは、この生まれつきの適当さ。
それと疑うなんて一切頭に過ぎらなかった……創を信じたい気持ちが邪魔をしていた。