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大好きな船
僕は物心ついた頃から船が好きだった。
たまに近くの海岸に漁船などがやってくる日は、学校があっても下校すぐに向かっては見に行く程好きで、そのおかげで親戚や家族からは「ゆう君は本当に船が好きね〜」「将来は船乗りになったらいいのに」とよく褒められその度愛想笑いをしていた。
正直言ってしまえば僕が1番好きなのは軍艦だが。僕の住んでいる地域でそういうのは2県超えた先でも見れるか見れないか分からないくらいだから、お父さんに色々聞いたりもしていた。
船が好きになり始めたきっかけは僕でもさっぱり覚えていないが、あの押し潰されそうな凄い迫力がいつも僕を興奮させていたのだ。
ある日赤い紙が来た。
その日は相変わらず 今日も船を見に行こうと僕は支度をして玄関に向かった所で知らない兵隊さんがバッと戸を開け入っては「おめでとうございます」と薄ら笑みを浮かべている。
音を聞いて駆けつけた両親はこれを見て一瞬だけ顔を暗くさせるもすぐ「おめでとう」と言い、僕の肩に手をそっと置いた。
その後 、僕は海軍に所属されるとお聞きした。僕はどうも複雑な気持ちに苛まれた。自分が大好きな船に身を乗せ最期命をもって御国を守れ。
僕は呆然としている中、渡された皆は涙を浮かべ喜んでいる。
僕は一体何が言いたいのか、何がしたいのか。分からなかった。
コメント
2件
この短い物語に色々な物が凝視されてる感じ、 なんか…うまく表現出来ない、凄い、しか言えない。