テラーノベル
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カコン、とコンロに雪平鍋を置く。
いつものようにカエデのまな板と包丁を準備してから冷蔵庫へ。
確か…キャベツ、玉ねぎ、もやしがあったな。
色どりも欲しいかなぁ…お、カニカマみっけ。本当は肉も入れたいとこだけど、まぁ今のアイツには野菜だけの方が食いやすいか。
鍋で湯を沸かしつつキャベツと玉ねぎを適量ざく切りにしていく。もやし一袋は多いか?半分にしとくか。
塩味の袋ラーメンを棚からひとつ取り出す。そんなに量を食わないアイツは1人前でいいだろうと、沸騰した鍋に野菜を入れる。
ソファーを見るとそこそこある長身を折りたたんで横になってスマホをいじる姿が目に入る。
朝からこんな時間まであちこちで撮影があって、流石に疲れたようだ。
“今から行ってもいい?”
短いメッセージだったけど、律儀にお伺いをたててくるのがアイツらしい。
何回も衣装を着替えて、何百回も表情とポーズをきめて。照明やらカメラのフラッシュやら大量の光を浴びればそりゃあ疲れるよなぁ。
鍋の野菜に軽く火が通ったようなのでラーメンを入れる。茹でる時間は表示時間より短めに。 茹で上がったらそのまま粉末スープを入れてどんぶりへ。カニカマをのせれば完成。
簡単な野菜塩ラーメンの出来上がり。
深夜にラーメンなんて身体に悪いって?
まぁまぁまぁ、とりあえず空腹より何か食ったほうがいいんだって。
「柔太朗ー、ラーメンですよー」
ソファーに収まっているアイツに声をかける。
「…え、なんか作ってんなと思ったけど俺の?」
少し驚いたような、それで嬉しそうな顔でこちらを見る。
「もちろんお前の。熱いからゆっくり食えよ。」
とんっ、とローテーブルにどんぶりを置いてやる。
「まじかよぉ…ありがてぇー…」
「いただきます…」
ふー…、ふー…
ずずっ…
こくん…
「ぁぁー…うまー…」
くしゃって笑う顔は素のコイツだ、ようやく力が抜けたようだ。
「よっしー、ホントありがと。ラーメン美味いよ。」
「おぅ。」
35
ご主人
241
222
視野が広くて優しいコイツは人知れず疲れを溜め込んでいるんだろう。そんな日々にキャパが埋まってしまいそうになるとうちに来る。
国宝級だって置物じゃない、ひとりの人間だ。食べて寝て、モヤモヤや疲れを消化しないとやってられねぇよ。
今日もお疲れさん、うちのバランサー。
コメント
1件
まじで最高です😭こんな作品を待ってました😭😭 お腹すいた……