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僕らは何気なく日々を過ごして行った。そんなある時、僕の友人、晴人が病室に現れた。
「明…守…」
そんな弱々しい声にふと顔を上げる。彼は、僕の目を見るとぞぞっと顔を真っ青にし、隣に置いてあった車椅子に目線を送る。
「あ、晴人。ごめんな。心配かけて。」
彼の顔色を伺いながら目線を送る。
「ごめ…ん。助けられなくて…ごめん。俺、お前と会うのが怖くて…来れなかった…」
彼は今にも泣き出しそうな様子で僕の顔色を伺いながらそっと言葉を吐き出す。痛いとか、冗談を言っただけで涙がこぼれてしまいそうだ。
「別に、お前のせいじゃないよ。俺の不注意だったんだし。」
その通りなんだ。これは誰のせいでもない。僕はもっとちゃんと周りを見ていればよかったんだ。
「で…も、俺がすぐそばに居たのに…」
「何言ってんだ、最後までいてくれたじゃんか。ずーっとそばに居てくれて、1人にしなかったじゃん。それだけで僕は嬉しいよ。」
本当にその通りなんだ。初めてあったあんな状況の中で一人でいる方が嫌だった。一人でいるなんて怖かった。でも、晴人がそばに居てくれたから怖くなんてなかった。少しは怖かったけど、そこまで怖くなんてなかった。
「あり…がとう…っ、」
彼の目から1粒の雫が流れ落ちた。泣いていた。僕のために。いや、僕のためじゃないのかもしれない。でも、泣いていた。助けられなかったって、自分を責めていた。
「次謝ったら金もらうからな。」
そう言うと、彼は驚いた表情を見せたが、弱々しそうににへへっと笑った。この笑顔はいつまでたっても変わらない。そんな笑顔が、僕は大好きだった
「んじゃ、そろそろ帰るな。」
彼はもう帰るらしい。また1人か。
「おー。気を付けろよー」
僕みたいに事故に合わないようにね。そんなかと言ったら君はまた泣きそうな顔をする。
「ん、またなー」
扉はがらがらっと音を鳴らして動いていたが、最後にはぱたんっと音を立てて動かなくなってしまった。静まり返った僕の病室を夕日だけが照らしている。そんな時、ふとあの少女を思い出す。
(元気にしてるかな)
そんなことを考えて今日も僕は明日を見つめる。